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非財務情報を可視化してより正しく企業を評価し、適切な投資を受けられるためのプラットフォームを作りたい__3か月でβ版のリリースまで実装したプロダクトマネージャーの想いとは

アスタミューゼは、約7億件の世界中に広がるイノベーションに関わるデータを保有しています。その中には特許といった技術情報以外にも、ヒトや社会課題に関連する情報なども含まれています。そうした情報を活用して、国内企業の真の企業評価をしていくことを目指したサービスが「THE CODE」です。

今回は、この「THE CODE」でプロダクトマネジメントを行っている事業開発本部 インテレクチュアルキャピタル部の長光康次さんにお話を伺いました。長光さんは東京大学修了後、リクルートや価格.comでWEBサービスの立ち上げやプロダクトマネジメントを手掛けた後、アスタミューゼへ入社されました。今回のプロジェクトの意義や、前職と異なる企業規模でのプロジェクトマネジメントの違い、構想からβ版リリースまで3か月で実装した苦労などを語っていただきました。

古くて新しい企業評価の軸である「株価」

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‐‐まず、今回のプロジェクトの背景を教えてください。

アスタミューゼは企業が持っている特許技術を独自の指標で評価することで、ナショナルクライアントなどを中心に新規事業の提案をするコンサルティングが事業の大きな柱の一つなのですが、これは「企業が保有している技術から知られざる企業価値を発掘する」という評価の仕方をしています。

それではこの「評価」によって何が変わるのかというと、資本市場においては「株価」への影響が考えられます。これまではいわゆる企業の稼ぐ力は財務諸表から分かる範囲の情報で評価が反映されていましたが、昨今ではGAFAのような企業を中心に、それだけでは説明できない評価を受けて飛躍的な成長を遂げています。

非財務情報を可視化してより正しく企業を評価するために

これらはいわゆる「オルタナティブデータ」と呼ばれる観点からの評価が含まれています。(オルタナティブデータとは、機関投資家によって投資判断のために使われるデータのうち、決算開示等の一般的な公開情報以外のデータ群の総称)例えば、工場や店舗といった目に見える資産ではなく、データやアルゴリズム、ブランド、研究開発といった目には見えない非財務情報が、企業価値を図る上で非常に重要な指標となってきています。実際、金融先進国である米国の会計士団体でさえも、財務情報から非財務情報にかじを切ったと言われていて、現在では財務情報だけでは企業価値の2割程度の説明能力しか持たなくなったとも言われている程です。こうした観点から、財務情報のみで評価されてしまうことで真の企業価値が株価に反映されず、実態より低く見積もられてしまうという企業が出てきてしまうのです。日本企業は特にそういった企業がまだ多く、そうした現状を正すためのきっかけとなれるプラットフォームを作れないか、というのが今回のプロジェクトの背景ですね。

プロジェクト発令から3か月。スピード感が求められる現場

‐‐プロジェクト発令からβ版のリリースまでわずか3か月だったと聞きました。

これはベンチャーあるある(笑)ですね。私はそれまで、人材系のサービスのプロダクトマネジメントを行っていたのですが、ある日急遽発令がありました。とりあえず、小さくサービスを立ち上げて、PoC(proof of concept :コンセプトが正しいかの検証)がカスタマーに受け入れられるか試してみたい、ということでした。私は金融の知識もなかったので、勉強を並行しながら、プロジェクトを急ピッチで進めていきました。

これもまたベンチャーあるあるなのですが、このプロダクトに対する経営陣の期待が日増しに大きくなり、β版での機能要望がドンドン高まったというのも苦労のポイントでした。それで納期は変わらない、という状況の中で、いかにして出来ることを最速で実現していくか、ということが求められましたね。

‐‐スピード感をもって実現するために、苦労されたことはありますか?

WEBサービスの立ち上げは、主に画面に関わるフロントエンドと、データに関わるバックエンドがあるのですが、普通はバックエンドを作ってからフロントエンドの接続を行います。ただ、それでは間に合わないので、両方を並行して設計・進行していくことが苦労した点ですね。言ってみたら垂直立ち上げみたいな感じです(笑)。

複数の設計を同時進行する嵐のような制作現場

小さく立ち上げるプロジェクトなので、フロントエンドエンジニアを確保する時間もなく、フロントは世の中のノーコードサービスを活用して、私が作成していきました。進行していくうちに、機能要望が上がるのは分かっていたので、比較的拡張性が高く、一定の自由度を持ちながらも私のような素人でも触れるツールを探して選定しています。

データに関わる部分は、短期間で情報収集が出来るように主にスクレイピングの技術を活用して検知・更新・収集ができる仕組みを整えています。このあたりは、今までアスタミューゼが培ってきた技術を応用し、スピード感を損なうことなく立ち上げられたのではないかと思います。

‐‐メンバー構成について教えてください。

プロジェクトの主要メンバーは6人(企画3人、バックエンド3人)です。人数が少ないため、一人一人の裁量権は大きく自由に動けたのではないかと思います。お互いがマルチタスクをしていかないと回らない、というのが本音ですが(笑)。

当社はコロナ禍の現状を踏まえて、出社の選択は各人の裁量にゆだねられているのですが、Slack上で密にコミュニケーションを取りながら、業務のお見合いになって進まないということがないように全員が心掛けられたことが良かったのではないかと思います。

β版から本番リリースに向けて

‐‐少数精鋭でのβ版制作から3カ月、この後の展開を教えてください。

今年の6月末にβ版をリリースさせていただきましたが、幸い多くの個人投資家の方や機関投資家の方に会員になっていただき、現在のβ版に対する貴重なフィードバックも頂いています。

それらを踏まえて、これからの本番リリースに向けてやることは盛りだくさんです。まず、採用したノーコードツールのチューニングを行いながら、可能な限りでのUIやUXの改善を行うと同時に、より最適なサイトにするために自社開発での本番リリースを予定しています。会員参加型の新規企画の立案や、それを運営するためのガイドライン作り、ソーシャルで拡散するためのマーケティング運営など、実現していきたいことは無数にあります。

企業評価につながるコンテンツの拡充やグローバル展開を見据えて

バックエンド側も、スケジュールを優先して一部空欄で出した要素(ポートフォリオ分析や炭素削減インパクトスコアなど)のデータ拡充をしていかないといけないですし、対象企業も国内だけではなく海外の企業も視野に入れているので、そうしたユニバース拡張の検討もしなければなりません。

当社は今まで主にtoB向けのサービスを多く手掛けていたのですが、今回はtoCとtoBの観点を併せ持ったプロダクトなので、そうした経験をお持ちの方は大歓迎で、是非チームに参加いただきたいですね。

ベンチャー企業ならではのスピード感を楽しみながら、企業の本当の価値を見出して世の中に発信していきたいと思われる方なら、このサービス開発は多くの経験と学びを得られる機会だと思います。ぜひ一緒にチャレンジしてみたい、と思われた方の応募をお待ちしています。

*このプロダクト開発に興味をお持ちの方は、オープンポジションよりご応募ください。