Luana

小説を中心に、投稿していきます。更新頻度はマイペースですが、お付き合いいただけると嬉し…

Luana

小説を中心に、投稿していきます。更新頻度はマイペースですが、お付き合いいただけると嬉しいです。 Home→ https://luanaarushi.mystrikingly.com

マガジン

  • さよならのラブソング

    ” …忘れないで。 …誇り高き時代があったことを。 …温かく優しい世界を。 ” ある日を境に見たこともない地図にもない島に来てしまった主人公が見た超古代文明時代の出来事とは⁈ 弊処女作「さよならのラブソング」です。

  • さよならのラブソング(お試し:第1章まで)

    ” …忘れないで。 …誇り高き時代があったことを。 …温かく優しい世界を。 ” ある日を境に見たこともない地図にもない島に来てしまった主人公が見た超古代文明時代の出来事とは⁈ 弊処女作「さよならのラブソング」です。

最近の記事

さよならのラブソング - episode 43

この記事はマガジンを購入した人だけが読めます

    • さよならのラブソング - episode 42

      >> 初めての方はこちら(試し読み) >> 目次(第2章から) >> episode 41 「あの、テルセンさんはどうして今のパートナーを選んだんですか?」 そう尋ねると、テルセンは 「…似ているから、彼女だったら大丈夫かなって。」 と、サラの肩に手を置いた。サラはボーッと遠くを見つめていた。 「へえ、サラと似た人なんですね。実際、一緒にいてどうですか?」 と質問を続けると、テルセンは少し俯いてから答えた。 「…それなりに、幸せに暮らしてるよ。とにかく、今は学びを得るこ

      • さよならのラブソング - episode 41

        >> 初めての方はこちら(試し読み) >> 目次(第2章から) >> episode 40 「たいちゃん、だから、基本的に本人の意思によるんだよ。ツガイとずっといたい人はいてもいいし、頑張って離れてみてもいいし、パートナーは学びが必要な相手とご縁があれば一緒にいたらいいの。」 サラが我に返って僕のさっきの疑問に答えた。僕は 「そうなんだ。すっごく自由なんだね。ちょっと羨ましい気もする。でも、『学び』ってツガイの間には関係ないの?」 と質問を重ねた。 「ツガイの間には関係

        • さよならのラブソング - episode 40

          >> 初めての方はこちら(試し読み) >> 目次(第2章から) >> episode 39 じゃあ、サラの「帰る」は不倫デートになるのでは?という考えがよぎった。 「ツガイだけは別なの。そしてオーストラリアはアトランティス圏の一部とはいえ、レムリア系統の人が多いし、女神たちの加護もあって、制度がグレーなんだ。そこはジーランディアも同じみたいだけどね。分離の加速を防ぐために、ツガイを急激に離さないよう、優先できるようにしてあるの。」 とサラが言った。 「そうなんだ。でも、

        さよならのラブソング - episode 43

        マガジン限定

        マガジン

        • さよならのラブソング
          30本
          ¥800
        • さよならのラブソング(お試し:第1章まで)
          13本

        記事

          さよならのラブソング - episode 39

          >> 初めての方はこちら(試し読み) >> 目次(第2章から) >> episode 38 「たいちゃん、こっちは私のツガイくんだよ。テルセンっていうの。」 サラは分かりやすいほどに満面の笑みである。 「お世話になってます。よろしくお願いします。」 とお辞儀をすると、男は 「たいちゃん?よろしくね。」 とニコニコしながら気さくに手を差し伸べてきた。しかし、どこか力みのある握手だ。テルセンはサラの方を振り返ると 「今日は彼も一緒に行く?」 と僕を指さしていた。サラは 「う

          さよならのラブソング - episode 39

          さよならのラブソング - episode 38

          >> 初めての方はこちら(試し読み) >> 目次(第2章から) >> episode 37 「さあ、戻ろっか。」 ダリアンが立ち上がり、サラも続いた。 「俺は戻るよ。サラはこれから帰るんでしょ?」 と言い、サラの頭をポンポンと叩いた。サラの顔がぱあっと明るくなり、ニコニコしながら 「うん、帰る!」 と言った。 「彼によろしく伝えててね。」 とダリアンが言い、歩き始めた。サラも 「言っとく!」 と言いながら続いた。サラはオーストラリアの家に帰るときはこんなに満面の笑みにな

          さよならのラブソング - episode 38

          さよならのラブソング - episode 37

          >> 初めての方はこちら(試し読み) >> 目次(第2章から) >> episode 36 「さあ、始めましょうか。」 エウルナがタワーを指さすと、ダリアンとサラがすっくと席を立ち、僕に「おいで」とジェスチャーした。ついていき、タワーの周りを90°ずつ囲むように各々が立った。僕もちょうどいい間隔をとるつもりで場所をとった。右を見るとダリアン、左を見るとサラが位置している。この正面、タワーの向こうにはエウルナがいるが、僕からは見えない。ダリアンとサラが瞑想の姿勢で座りだし

          さよならのラブソング - episode 37

          さよならのラブソング - episode 36

          >> 初めての方はこちら(試し読み) >> 目次(第2章から) >> episode 35 「怖がる?生き物たちが?わかるの?」 そう訊くと、サラはすこしびっくりした顔をした。 「え?たいちゃんの世界って、もしかして木やお花や動物たちがしゃべらないの?」 その質問に僕の方が面食らう。 「動物は鳴き声を出すけど、植物はしゃべらないでしょ?普通。」 「会話、しないの?しないんだったらセリシアの実とかどうやってもらうの?」 「セリシアの実は僕らの世界にはないよ。木の実なら枝を

          さよならのラブソング - episode 36

          さよならのラブソング - episode 35

          >> 初めての方はこちら(試し読み) >> 目次(第2章から) >> episode 34 そのとき、サラは僕たちが辿って歩いてきた道の方に手のひらを向け、光球を撃った。 「ダリアン!私、来る時気づかなかったけど、まだ居たみたいだね!」 ダリアンは立ち上がり、サラが光球を撃った方向を向いて 「ああ、さっきからしつこかったんだ。」 エウルナは半透明になり放射状に光り始め、事態を見守っていた。光は僕たちを包み、結界のようになった。さっきまでの柔らかい空気が急に戦闘モードにな

          さよならのラブソング - episode 35

          さよならのラブソング - episode 34

          >> 初めての方はこちら(試し読み) >> 目次(第2章から) >> episode 33 僕はまたサラをこづいた。 「ねえ、サラ。『コード』って何?」 サラが答える。 「オリジナルのコードだよ。渡してないの。」 僕がキョトンとしていると、さらに続けた。 「開発って本来自分たちでやるんだけど、やけにしつこくレムリア側に要求してたの。手間を省きたかったんだよね。昔の人たちが作ったものを流用した方が早いじゃない?まあ、減るもんじゃないしそのままあげても良かったんだけど、『ポ

          さよならのラブソング - episode 34

          さよならのラブソング - episode 33

          >> 初めての方はこちら(試し読み) >> 目次(第2章から) >> episode 32 何者かについて話しているというのは分かるのだけど、一体何の話なのだろう?ここに来るまでに誰かがつけていたことには僕はまったく気が付かなかった。サラに目をやると話に聞き入っていた。そこでサラをこづいて何の話をしているのか訊いてみた。

          さよならのラブソング - episode 33

          さよならのラブソング - episode 32

          >> 初めての方はこちら(試し読み) >> 目次(第2章から) >> episode 31 本人は隠しているつもりだろうけど、全く隠れていないツガイへの気持ちがある意味清々しくもあり、この女の子のことが可愛くも思えた。そこまで一途になってもらえるツガイっていったいどんな人なのだろう?とも思った。それよりも「こちら側の」試験場ってことは、「あちら側の」試験場もあるということなのか?だとすると「あちら側」とは一体何なのだろう? 「エウルナさん、『こちら側』ということは、オー

          さよならのラブソング - episode 32

          さよならのラブソング - episode 31

          >> 初めての方はこちら(試し読み) >> 目次(第2章から) >> episode 30 「あら、こんな話はお好き?」 エウルナはふと気づいて続きを話しだした。 「たくさんの『難民』たちがこの星に逃れてきた。だけど、今まで住んでいた星とは全く仕組みが違ったの。とても固いというか『物質的』といえばいいか。まずは先鋭的にこの星に辿り着いた人々がお試しに物質にとどまろうとしたわ。」

          さよならのラブソング - episode 31

          さよならのラブソング - episode 30

          >> 初めての方はこちら(試し読み) >> 目次(第2章から) >> episode 29 前に、サラとダリアンと3人で話したことを思い出した。 「みんなこの『計画的分離』キャンペーンには自分のタイミングで従うんだよ。これまでは皆、ツガイと一緒に自分の働きをこなして、ツガイと一緒に生きていたから。もっと古い、ツガイのない時代は、皆両性具有だった。今は性別の分離まで進んできている。そしたら、次のステップはツガイのいない環境での生活なんだ。彼女なりにトライしてるんだよ。で

          さよならのラブソング - episode 30

          さよならのラブソング - episode 29

          >> 初めての方はこちら(試し読み) >> 目次(第2章から) >> episode 28 「そうなの?まあ、ゆっくりしていってちょうだい。」 エウルナは笑みを浮かべて僕に言った後、サラとダリアンの方に向き直った。 「そうそう、計画的分離キャンペーンのことだったわね。」 ダリアンが 「その話ですが…」 と言うと光の粒子が現れ、それが集合して形を形成し始めた。テーブルが1つと椅子が4脚。透けていて触れない。しばらくするとそれらの色がはっきりしてきた。各々、近くにある椅子に

          さよならのラブソング - episode 29

          さよならのラブソング - episode 28

          >> 初めての方はこちら(試し読み) >> 目次(第2章から) >> episode 27 女神様。どおりでオーラがすごいはずだ。それにしても、タメ口きいたり、職業を紹介する要領で「女神」って言ったりするって…。 「たいちゃんね。よろしく。」 エウルナはすっと手を伸ばしてきた。僕は何となく握手ができず頭を下げてしまった。神様に失礼なことはできないので、何をしたらいいかわからず焦ってしまった。エウルナは 「あら、具合でも悪いの?大丈夫?癒して差し上げなければ」 と僕の肩に

          さよならのラブソング - episode 28