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書けない日に


しばらく書けてなかった。
ちょっとした休憩のときや行き帰りの電車で、ちょこちょこと書いたことはあるのだが、中途半端に下書きにたくさん溜まってしまっている。

昨日はわたしが平日休みを取っていたので、登校する娘を駅まで車で送った。ふだんは自転車だ。寒すぎるよ〜とのこと。甘やかしてるとはこのことだな。
駅で娘が降りてから、折り返してメインの通りに入る。町のメイン通りの途中で、スコーンと開けてマンションの間から空が大きく見えるところがあり、わたしは息を飲んだ。


空が金色に輝き、白い雲が間間にたなびいて、光の帯がいくつもいくつも地上へと伸びている。
風は強くないのだろう、まるで天使が降りてきそうだ。

つけていたラジオを消した。

エンジン音だけが聞こえてくる数秒のあと、切り替えて偶然に入ったシューベルトのピアノソナタが脳を溶かす。まっすぐなメイン通りを左に折れ、緩いカーブを描く道路でも一緒に付いて来てくれた空景に、まるでこの時間が永遠に続くような錯覚を覚える。運転していてしっかりと意識は覚醒しながら、完全にリラックスした3分間。
次の信号を曲がったところで絵画は消え、ピアノソナタが映してくれるその余韻にひたりながら静かに車を停めた。


帰宅してベランダから同じ方向の空を改めて眺めて見たが、先ほどのような神々しさは消え、あっけらかんと青い空が、さっきからここにいたのはわたしよと言わんばかりに広がっていた。



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