プロレタリアを撲滅せよ!【シリーズ資本家の祖国】
きっといつか共産革命の嵐の中で恐怖し苦しみながら死ぬことになる貴方たち資本家に告げる、団結せよ!
ソビエト連邦の崩壊以降、福祉の衰退により貧富の差が拡大したことで、社会の不平等や経済的不安定に悩む若者たちの間で資本主義に対する批判が高まりつつあり、アメリカを中心に社会主義やナチズムなどの全体主義思想や勢力が再び勢いを増しておるで!
広く知られている通り、日韓欧米の先進諸国は、憲法によって国家権力を制限し、有権者の人権と自由を保障することで、個人の創造性を解放し、人類史上前例のない繁栄を実現してきた! 有権者がその主張や思想、出自、地位、職業に関係なく、基本的な権利と自由、参政権、そして繁栄を追求できることは、近代民主政資本主義の神髄であり、有権者と政府が富をわずか百年で数十倍に増やすその奇跡的な効用は、まさに人類文明の叡智の結晶と言えよう!
一方で民主主義と資本主義を拒んだ国々や運動が迎えた恐るべき衰退と悲劇は誰もが知るところやで! 共産主義やナチズムの掲げるエリート主義、全体主義、社会主義は、人類史の進歩と教訓を無視するばかりか、それに完全に逆行するものや! 個人の自由と人権を国家に返上することで世の中がよくなると考える左翼の全体主義は、前時代的な迷信、妄言、愚の骨頂である!
もしこの状況が放置され、万が一アメリカが赤化した場合、アメリカでは内戦、私有財産制度の廃止、経済の集団化、計画経済の導入、暴力的な階級闘争が発生し、アメリカ国内だけで何百何千万という犠牲者が発生するやろう! また赤化したアメリカが新たなソ連と化せば、革命の輸出、第二の冷戦、世界規模での紛争や大規模な衝突は避けられず、最悪の場合は世界大戦を招き、アメリカを中心に世界中で億単位の人命が失われる可能性があるで! 勿論日本を含む全世界に深刻な悪影響があるやろう!
絶対に阻止されなくてはならん!
本シリーズでは資本家階級が如何にしてこの危機を乗り越え、世界の平和と繁栄を守るべきかについて戦略を描いていくで!
前回のあらすじ
資本主義社会に警鐘を鳴らす声が響く。「万国の資本家よ、団結せよ!」
再び社会主義者が権力を握れば、かつてのソ連やナチス・ドイツのように、資本家とその家族は人権を剥奪され、財産を奪われ、恐怖と屈辱の中で苦しみながら死ぬ運命にあると予言する。全体主義体制の前では、資本家の力は無力なのだ。
アメリカがもし赤化し、アメリカの資本家階級が危機に瀕しても、日本や中国の資本家が団結して介入すれば救出できる可能性はある。しかし、現状では資本家は互いに競い合う商売敵であり、同胞ではない。助け合うことはないだろう。
資本家階級には政治的な統一意志がなく、直接的に主権を行使する手段もない。各国には商工会や経済団体が存在するが、超国家的に資本家を守る政党も代表も存在しない。経済格差や環境破壊の責任を資本家に求める言説が広がっているが、現状のバラバラな資本家階級にはそのような世界規模の問題を引き起こす力も解決する力もない。そのような問題の解決には統一意志と高度に発達した政治機構が必要とされるからだ
声は「資本家の祖国(キャピタリア)」の建国を訴える。資本家なら国籍に関わらず有権者として登録できる民主的な議決機関(資本家議会)と、その意思決定を遂行する執行機関(資本家政府)を持つことで、資本家階級は力を結集し、革命の嵐から同胞を救い、世界平和を実現することができると説くのだ。
全世界の資本家が団結し、己と世界を救うための行動を起こさなければならない。資本家が祖国を持ち、その総力を結集すれば、革命を阻止し、己と家族を守れるだけでなく、貧困や戦争を撲滅し、全人類の富と世界平和を実現するための行動も可能になるだろう、と。
「万国の資本家よ、団結せよ!」
プロレタリアを撲滅せよ
共産主義やナチズムなどの異端思想に支持が集まる背景には、失業や生活に苦しむ非資本家の存在があるで! 財産が無く未来に絶望しとるからバカなことを考えるんや!
そこで資本家の祖国はプロレタリアを資本家階級に取り込み、最終的には全ての人を資本家にして無産階級を撲滅することで共産思想を根絶するで!
資本家とは
資本家とは、資本(自己増殖する価値の運動体)を所有し、それを貸し付けたり、投下して人を雇用したり、事業を経営したりする人、または広く資金を提供する人のことを指すで!
資本家の典型は株主で、企業体に資本を提供し、最高意思決定能力※を持ち、企業活動によって得た利潤の一部を株の値上がりと配当金という形で受け取るで!
逆にプロレタリアとは漢字で無産階級と書き、株式を所有せず労働力を売って生活する人を指すで!
※株主は株式会社の最高意思決定機関である株主総会への参加権と投票権と提議権を有するで! 株主総会は株式会社に関する一切の事項について決議をすることができるで!
資本主義を民主化せよ! ~プロレタリア撲滅計画~
そもそも株式会社とは株主を有権者とし株主総会を最高意思決定機関とする民主政である! つまり株券を所有することは企業への影響力を持つことであり乃ち資本主義における参政権をも意味すると言えるで! 資本主義自体の民主化のためにも全ての人が資本家になるべきや!
そのために資本家議会で無産階級撲滅予算を可決し、無数の新たな企業を興し、その株券を無産階級に分配することで、最終的には全ての人を資本家にするで!
これにより非資本家が資本家階級に取り込まれれば、全ての人が資本主義経済の利益を享受できるようになるで! さすれば私有財産の社会化は彼等自身の財産を危機に晒すことに直結することとなり、彼等はこぞって社会主義化に反対するようになるやろう!
かつて民主主義が参政権を拡大し、全国民を主権者にしたように、「資本家の祖国」は全人類を資本家階級にすることを目指すで!
もちろんこうして資本家となった元プロレタリアは「資本家の祖国」の参政権を獲得し、新たな有権者となるで!
また全ての人々を資本家にするいくにあたり、未来の有権者である無産階級の声を反映する場も必要であるため、資本家議会には無産階級を有権者とする「無産院(仮)」も設立するで! 無産院は、資本家階級に取り込まれつつある無産階級の意見を集約し、彼らの経済的成長を支援するための政策を提案する役割を果たすぞ! 無産院の設立は、無産階級が資本家階級予備軍・未来の同胞として平等に扱われることを保証し、階級間の信頼感を醸成して経済的・政治的な成長が促進されるはずやで!
資本家の貴務(ノブリス・オブリージュ)
かつて身分制度を解体し立憲議会制を導入した日本をはじめとする日韓欧米の先進諸国に於いて、貧困の撲滅が急激に進んだのと同様に、資本家議会の設立ならびに無産階級の資本家階級への取り込みによる資本主義の民主化は、必ずや無産階級の急速な政治的・経済的成長をもたらし、数十年以内に資本家階級と無産階級の経済力格差を解消するはずである!
こうすることで資本家階級を拡大し、資本主義への支持を広げ、貧困と不幸を撲滅し、世界と人類を救い、人類全体の幸福を実現する!
これが「現代の貴族階級」資本家の貴務(ノブリス・オブリージュ)である!
なお以上は決してただの道徳的責務ではない!
革命と大量死を防ぐための死活的現実的な必要に迫られた行動や!
我々資本家階級は、世界と人類を救うために団結し、全ての人々を資本家にすることで、貧困と不幸を撲滅し、そして我々自身と家族の命を守らねばならない! 万国の資本家よ、団結せよ!
次回予告
「資本家の祖国(キャピタリア)」を目指し、手を取り合う決意を固めた万国の資本家たち。しかし、道のりは険しく、敵も多い。新たな挑戦が待ち受ける!
資本家議会が提案した「無産階級撲滅予算」の可決を目指す中、内外の反対勢力が牙をむく。彼らの信じる未来のために、資本家たちはどのような戦略を講じるのか? そして、プロレタリアを資本家階級に取り込み、全人類を資本家にするという壮大な計画は実現できるのか?
さらに、物語はアメリカでの革命の兆候を追う。赤化の危機に瀕する国土で、資本家たちはどのようにして自己防衛し、世界を守るのか? 脅威が迫る中での緊迫の対策会議、予期せぬ裏切り、そして勇敢な決断の数々が展開される!
(暗闇の中で燃え上がる議会のシルエット、緊張感漂う会議室、各地で起こる暴動のシーンが交錯する)
ヒーロー 「我々の団結こそ、未来を切り開く鍵だ!」
ヒロイン「ひるむな! 皆が資本家になれば、この世の不平等は消える!」
敵「いまどきヒーローとヒロインが異性愛者の男女? 価値観アップデートしろよ」
次回、シリーズ資本家の祖国は「結成せよ! 資本家の祖国建国委員会 ~オール・ハイル・キャピタリア~」。
万国の資本家よ、団結せよ!
お見逃しなく!
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