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体育で先生が失敗したら「下手くそ」って言ってOKで上達?

体育・運動あそびの指導者をしています。

ものづくり系の専門校で、発達障害者対象のクラスの体育を担当していて、バドミントンやバレーボール、卓球などを体育で行っていました。

全員ではないですが、日常的に運動をする事なく体育が苦手というメンバーが多いクラスでした。ボールやシャトルに当たらないのでボールやシャトルに慣れる所からスタートです。

その発達障害者のクラスの先生も体育に一緒に参加をしてワイワイと活動を行っていました。徐々に取り組んでいる種目にも慣れてきて先生とラリーが出来るようになると、苦手と言いながらも勝ちたい気持ちがプレーに現れて強い球を打つようになっていきます。

すると、クラスの先生が「この時間だけお互いに失敗したらヘタクソって言う事にしよう‼︎」って言い始めました。クラスの先生も当然失敗をします。すると失敗した先生は「先生にもヘタクソって言え〜」って言い始めます。
何回かそんなやりとりをすると小さな声で「ヘタクソ〜」っと先生に向かって言い始めます。
色々と良い意味で緊張感もなくなり、身体の使い方も固さが取れてきます。

もう、ほんと危なっかしい手段でリラックスをさせ、対等にプレーし、ラリーであっても相手に勝ったという達成感や自信を持たせていたのです。
まぁ先生も毎回「ヘタクソ」と言う訳でもなく(っていうか言い忘れ)、バランスは取れていました。


時々、そんな様子を見て調子に乗ってくるメンバーがいますが、そんな時は先生のメンバーチェンジでコテンパンにやっつけます(笑)

「ヘタクソ」って言う事のインパクトが大きいようで、自分のミスが気にならなくなり、自分で運動が苦手だと思っている人の「他者と一緒に活動をする事への不安や申し訳なさ」のようなものがなくなっていました。
まぁ、普通は先生に「ヘタクソ」って言う方が不安で申し訳ないんで。
不安対象のすり替えですね。

「上達すると楽しい」それもわかりますが、それだと初めの1歩が出ません。
「楽しいから上達する」そのほうが最初は取り組みやすいのではないでしょうか。


体育や運動に自信がない人は自分のミスや出来ない事に意識が行き、他者の様子まで見えない時が多くあると思います。
そんな時に、ミスをするのは自分だけでなく相手もミスをする。
スポーツでミスはつきもの、なのでミスをしなかった時にも意識をしてほしい。

たった数回、たった数秒でも気持ち良く打てたり感じたりするだけでも、その種目を美味しく味わえるのではないでしょうか。

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