見出し画像

【絵本レビュー】 『3びきのくま』

作者:トルストイ
絵:バスネツォフ
訳:おがさわらとよき
出版社:福音館書店
発行日:1962年5月

『3びきのくま』のあらすじ:


森で迷子になった女の子は、小さな家を見つけます。食堂には大きなお椀、中くらいのお椀、小さなお椀に入ったスープが。女の子は小さなお椀のスープをすっかり飲んでしまいます。隣の寝室には大きなベッド、中くらいのベッド、小さなベッドが。女の子は小さなベッドで眠ってしまいます。そこへ、散歩に出かけていた3匹のくまが帰ってきます。この家は大きなお父さんぐま、中くらいのお母さんぐま、小さな子どものくまの家だったのです。

『3びきのくま』を読んだ感想:


トルストイといえば『戦争と平和』や『アナ・カレニーナ』など重厚な感じの本を書く作家という印象がありますが、何冊か子供用の絵本も書いているんです。『おおきなかぶ』は誰でも一度は読んだことがあるのではないでしょうか。

『おおきなかぶ』と同じように『3びきのくま』も繰り返しが多く、息子もすぐに「大きな〜」「中くらいの〜」「小さな〜」というようになりました。

それはともかく、この女の子、森へ一人で遊びに行き、迷ってしまったからあった家に入り込みご飯を食べた末ベッドで寝てしまうなんて、なんという肝っ玉でしょう。私は読みながらドキドキしていましたが、息子はどうやらクマが怒るのはもっともと思ったようで、「クマさん怒って追いかけてるね〜」だそうです。まあ確かに、誰かがうちに勝手に入って食べ物を食べちゃったり、ベットをぐしゃぐしゃにして行ったら腹も立ちますね。

『3びきのくま』の作者紹介:


トルストイ(Lev Nikolayevich Tolstoy)
(1828-1910)19世紀ロシア文学を代表する巨匠。ヤースナヤ・ポリャーナに地主貴族の四男として育つ。ルソーを耽読し大学を中退後、暫く放蕩するが、従軍を機に処女作『幼年時代』等を発表、賞賛を受ける。帰還後、領地の農民の教育事業に情熱を注ぎ、1862年の幸福な結婚を機に『戦争と平和』『アンナ・カレーニナ』を次々に完成。後、転機を迎え、「神と人類に奉仕する」求道者を標榜し、私有財産を否定、夫人との不和に陥る。1899年『復活』を完成。1910年、家出の10日後、鉄道の駅長官舎で波瀾の生涯を閉じた。


トルストイさんの他の作品


この記事が参加している募集

サポートしていただけるととても嬉しいです。いただいたサポートは、絵本を始めとする、海外に住む子供たちの日本語習得のための活動に利用させていただきます。