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【絵本レビュー】 『そらいろのたね』

作者:なかがわりえこ
絵:おおむらゆりこ
出版社:福音館書店
発行日:1967年1月

『そらいろのたね』のあらすじ:


ゆうじが模型飛行機を飛ばしていると、きつねがやってきて「そらいろのたね」と模型飛行機を交換することになりました。そらいろのたねを植えて水をやると、なんと空色の家が生えてきたではありませんか! 空色の家はみるみるうちに大きくなり、たくさんの動物や鳥や子どもたちの楽しい遊び場になります。しかし再びやってきたきつねが、みんなを追い出して空色の家を独り占めしてしまいます。きつねが家にはいると、空色の家はさらに大きくなって……。

『そらいろのたね』を読んだ感想:

ママ友達から再びお借りして、今夜のベッドタイムストーリーとなりました。私は眠くて半分寝ながら読んでいたのですが、最後の息子の「なんでキツネがひとりになったら家が壊れちゃったの?」という質問に起こされました。確かにその前に100人の子供、100匹の動物、100羽の鳥が入っていた時には大丈夫だったのに、不思議ですよね。

「キツネが意地悪したから、家が怒ったのかな」と言ったら、息子は「う〜ん」と考えて(るふりをしていたのか)そのままコロリと寝てしまいました。皆さんはなんと答えるんでしょう。

たねといえば、子供の頃スイカの種を食べないようにと父にかなりしつこく言われていました。今でこそ種なしスイカなんてありますが、私の子供の頃はたねがあるのが普通で、だからこそたね飛ばし競争などもできたのですが、父はやたらと心配していました。食べてはいけない理由を聞いたら、「腹ん中で育って、へそから出てくる」と訳のわからないことを言われました。全くもって理不尽な理由なのですが、本当に出て来たら怖いし痛そうなので、スイカを食べるのはとても緊張しました。白いたねはどうなんだろうと悩んだ末、とりあえず食べないでおきました。ガブッと齧り付きたいのに、中にたねが隠れているかもしれないのでチマチマとしか食べれず、しかもさらに残った黒々としたたねは、なんだかアリの大群のようにも見えて、虫嫌いの私は何かゾワゾワとするものを感じたのを覚えています。

今は。。。種ありを買ってしまった時はちょっとがっかりします。それは、やっぱり今でもチマチマと種を取ってしまうからです。父よ、なんて馬鹿げた習慣を植え付けてくれたんだい!


『そらいろのたね』の作者紹介:

なかがわりえこ
作家。1935年札幌生まれ。東京都立高等保母学院卒業後、「みどり保育園」の主任保母になる。72年まで17年間勤めた。62年に出版した『いやいやえん』で厚生大臣賞、NHK児童文学奨励賞、サンケイ児童出版文化賞、野間児童文芸賞推奨作品賞を受賞。翌年『ぐりとぐら』刊行。『子犬のロクがやってきた』で毎日出版文化賞受賞。主な著書に絵本『ぐりとぐら』シリーズ、『そらいろのたね』『ももいろのきりん』、童話『かえるのエルタ』、エッセイ『絵本と私』『本・子ども・絵本』。映画「となりのトトロ」の楽曲「さんぽ」の作詞でも知られる。2013年菊池寛賞受賞。『ぐりとぐら』は現在まで10カ国語に翻訳されている。


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