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【お悩み解消】子どもがスマホのルールを守らなくてイライラ……asobi基地式思考で根本から解決

外出自粛の中、子どもがスマートフォンやタブレット、ゲーム機に触れる時間が増えている家庭も多いと思います。延々とやらせるわけにもいかないので、ルールを設けているものの、

「YouTubeに夢中になりすぎてしまう」「止めさせようとすると癇癪をおこす」「ルールを作っても守らない」

こんなお悩み、ありますよね。実はこれ、asobi基地が大切にしている考え方をベースにすることで、解決ができるかもしれません。詳しく紹介します。

asobi基地が大切にしている考え方って?

みなさんこんにちは。asobi基地・関東 アウトドア部のよりかね隊長です。

個人的なお話ですが、新型コロナウイルス禍でasobi基地キャンプなどの活動ができなかった2020年前半、子どもとスマホの付き合い方や情報リテラシーについて学ぶ活動をしていました。

これは発展して、2021年には、小学校高学年〜中学生と一緒にIT、お金、メディア、アウトドア等を学んでいく「asobi基地ユニバーシティ」という形になりました。

これらの活動の中で、子どものスマホのルールづくりは、避けれ通れない話題です。

実は我が家では、子どもたちはスマホを一人1台所持しており、時間制限を一切しないやり方で、しっかりセルフコントロールを身につけています。

我が家の子育てを振り返りつつ、あらためて整理してみてすごく驚いたのですが、実はこの方法論は、asobi基地が大切にしている考え方そのままです。

この考え方で取り組めば、子どもが、自分の意志で、スマホやゲーム機をコントロールできるようになる、その手助けをすることができます。

我が家では、子どもふたりとも、小学2年〜3年生くらいで、おおむねできるようになりました。

asobi基地が掲げるスローガンは、「大人も子どもも、みんな一人の人間として平等である。」

そして、4つのルール。

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子ども=ひとりの人間を大前提に、子ども自身の考えや、意志を尊重し、「やりたい!」を大切に場作りを進めていきます。

決めたルールを守ってもらうために必要なこと:asobi基地キャンプの例

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たとえば、asobi基地キャンプでは、私は、

何でも自由にやってOK、ただし「これだけは守ってね」というルールを3つほど設定し、なぜ守らなけれないけないのか、子どもと一緒に考える。

という場づくりをしています。

ルールの例は、遠くに行きたいときは大人と一緒に(一人で見えないところに行かない)、石を投げたいときは川に向かって誰もいないときに(キャンプサイトでは石は投げない)、ロープじゃないもので遊ぶ(タープが倒壊するので)などです。

ルールを伝えるときには、必ず子どもだけを集めて(あなたに話しているよと明確にします)、

「キャンプ場は広いよね。あっちに何があるか気になるよね。でも、一人で遠くに行っちゃったら、どうなるかわかる?」

と問いかけます。「迷子になる!」「怖い人に連れて行かれるかも」「川で溺れちゃう」次々に答が返ってくるので、「そう、だから遠くに行きたいときは大人と一緒にね」とルールを提示します。

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そうすると、子どもたちはしっかりルールを守ります。3つ程度に限定すれば、子どもでも理解しやすいのが一つ。

そして、これさえ守れば、自分の意志で、自由に遊べるのですから、守ったほうが得策ですし、どうして守らなければいけないのかも納得しています。

ルールを逸脱してしまったときも、大人は「これだけは守ろうって決めたよね」と言えるので、声掛けをしやすいですね。子どもも「あ、そうだった」と割とすんなり受け入れます。

さあ、この方式で、スマートフォンやゲーム機のルールづくりをしてみましょう。

よくある「時間制限」ではうまくいかない……

探訪塾@note用-2

スマホ・ゲームのルール作りで、もっとも多いのが、おそらく時間制限だろうと思います。1日1時間までとか、いまは外出自粛の影響で、3時間や5時間と緩和している家庭も多いかもしれません。

思い返せば、私たち親世代が子どもの頃、ファミコンも、時間制限はよくありましたね。その記憶があるから、まず思いつくのが時間制限なのでしょうか。

でも、時間制限を、asobi基地的視点で見てみると、問題点がたくさん見つかります。

まず、最も大きいのが、時間制限には「あなたにはコントロールするのは無理だから、親が管理します」という前提がある事実です。子どもには主導権が与えられず、考えや、意志も尊重されません。

では、親子で相談してルールを決めたらどうか。これは悪くはないですが(ルールを成立させるには合意が必要)、今度は制限する時間になんの根拠があるのか、という問題が浮上します。

「目が悪くなる」「つかれてしまう」「体に悪い」などなど理由はあげられると思いますが、1時間に制限したとして、1時間5分ではダメなのでしょうか。1時間10分では?これに論理的な回答を用意するのは難しいでしょう。

そもそも大人は、時間制限などせず、好きなときに好きなだけスマホを触っていますよね。

子どもが小さいうちは、言いくるめてしまえるかもしれませんが、asobi基地的スタンスで言えばフェアではありません。

年齢があがればゴネ得だと気づき、屁理屈を並べたり、癇癪を起こしてみたり、ズルできる抜け道を見つけようしたり、あの手この手です。

極めつけに、子どもにとって、ルールを守るインセンティブがないという問題があります。

asobi基地キャンプでは、ルールを守りさえすれば、好きなように遊べるので、ルールを守ろうとしましたよね。

でも、時間制限の場合、バカ正直にルールを守れば、YouTubeをみたり、ゲームで遊んだりする時間が終わってしまうわけです。度が過ぎれば取り上げられるといっても、一過性のもの。限界までゴネようとするでしょう。

“自由に使う権利を得るためのルール” を決めることで、子どもにとって守るメリットが出てくる

探訪塾@note用-4

問題点はわかりました。asobi基地式で、根本的に考え方を変えてみましょう。

自由に使っていい。ただし「これだけは守ってね」というルールを設定する。加えて、なぜ守らなけれないけないのか、子どもと一緒に考える。

逆転の発想で、スマホは自由に使っていいけれど、自由に使う権利を得るためのルール設定します。

これならば、子どもはルールを守ったほうが、好きなように遊べるので、ルールを守ろうと思えますよね。よりかね家では、「自分でコントロールできる人だけが、スマホやゲームで好きなように遊ぶことができる」という言い方をしています。

なお、決めているルールは次の通りです。

1. 就寝時間にはすっぱり止める

2. 宿題、洗濯物の片付けなど、やるべきことをやってから遊ぶ

3. 用事が発生したら中断して先に用事を片付ける

時間制限を一切しないのは、勇気がいるかもしれません。

ただ、やるべきことをやっているのなら、それほど目くじらを立てなくてもよいかな、と思える方は、きっと少なくないでしょう。

また特に自粛生活のなか、「スマホばかり」「ゲームばかり」になってしまうのが気になるなら、午前中は勉強の時間ね、読書の時間ね、など相談して決める方法もあります。

ポイント1:あなたにならできると思うから、やってみなさい

この方法の最大の利点は、時間制限の課題だった「あなたにはコントロールするのは無理だから、親が管理します」というメッセージを子どもに送らずに済む点です。

子どもをひとりの人間として認め、考えや意志を尊重することができます。

ポイント2:繰り返しの訓練!失敗に一喜一憂しない

ただ、失敗はたくさんします。自分でコントロールできるようになるためのコツは、自己認知の訓練にあります。

つまり、いまYouTubeに夢中になっていて、お父さんが帰ってきたのに「おかえりなさい」と言わず無視してしまった、と自分の状態を認識する力です。

これは年齢や個性によって、得手不得手はもちろんありますが、訓練によって誰でも向上していきます。大人が、いま◯◯だったよね、と指摘してサポートしてあげます。

発達が未熟な子どもなので、失敗はして当然。一喜一憂せず、根気強く付き合ってあげましょう。最初からできる子は、一人もいません。

もう一つ大切な視点は、自己認知は、訓練しなければ身につかない点です。大人でも、無意識に歩きスマホしてしまう人がいますよね。

子どもが高校生、大学生になって、親の監視を逃れたらスマホ漬け……そんな事態にならないために、自己認知とセルフコントロールの訓練は、早めにはじめておきたいところ。

よりかね家では、4歳ごろからはじめて、だいたい4〜5年かかりました。

ポイント3:ペナルティを与えるのではなく、自分で考えさせる

ルールを守れなかった場合は、いったん使用を中止し、親が預かります。

ただ、ペナルティを与えることが目的ではありません。

いったん冷静になってもらい、「自分でコントロールできる人だけが、スマホやゲームで好きなように遊ぶことができる」というスタンスを再確認。

そのうえで、子ども自身に、

・なにが原因か

・次からどうしたらいいか

を考えてもらいます。我が家では、考えが整理できたら言いに来て、とわりと放っておきますが(数日かかることもあります)、子どもの性格もあるので、各自でうまいやり方を考えてみてください。

ルールを守るための対策に合意でき次第、「じゃあそれでやってみて」と返却します。この繰り返しです。

もう一つ大切なのは、例外を一切認めないようすることです。

これは依存症の研究で明らかになっているそうですが、不確実な報酬は依存性が高いのだそうです。

「いつもは厳しいから、今回くらいはいいか」みたいな対応、あるいは親の気分次第で対応をあれこれ変えてしまっている……そんな心当たりがあったら、要注意。

私もこの事実を知るまでは、うまくやっているつもりになっていたのですが、これがむしろ子どものセルフコントロールを難しくしている可能性があるのです。子どもに守ってほしいなら、まず親の側がしっかり守りましょう!

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「やってみたい」「気になる」から出発して没頭することを、当たり前の自分の武器に!小学校高学年〜中学生のための実験場「asobi基地ユニバーシティ」



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