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美容室でのヘアスタイルオーダー攻略法

お客様も美容師も共通認識として持っているヘアスタイルに対する考え方は「思い通りになりたい(してあげたい)」という事なんですが
これがなかなか上手くいかない場合もあります

時間をかけて色んなサロンを調べて、「よし!ここだ!!」って緊張しながら行ったのに「思い通りにならなかった」のは色んな原因があると思いますが、今日はその原因の一つ「ヘアスタイルオーダーの仕方」についてお話をしたいと思います

特に「なかなか思い通りにならない」と感じているお客様方
「一所懸命やったのになかなかリピートしない」と悩んでいる美容師さんに読んで頂けると幸いです



貴方にとってのヘアスタイルとは?

まずは先に自分の事からお話させて頂くと
ずっと美容師をやっているので僕にとってのヘアスタイルは生活の一部になっていて、映画を観ててもヘアスタイル、買い物しててもヘアスタイル、SNSのおススメはヘアスタイルって具合に頭の中殆どヘアスタイルでいっぱい
まあ、美容師なんですから当たり前でしょって感じかもしれないですけど
長くやっているとそのヘアスタイルの意味とかメッセージ性とか、そんな事まで勝手に考えては妄想しています

じゃあ、自分のヘアスタイルは?って聞かれるとちょっと困ったもので
基本「嫌じゃなければどうでも良い」なんて曖昧な伝え方しか出来ないほどヘアスタイルを美容師さんに伝えるのが苦手なんです

あんまり細かく言うと嫌かな?とか、これ!!って写真を見せたら「似合わねーしクスクスクス」って陰で言われないかな?とか、そもそも面倒臭くないかな?などなど、ちょっと色々と考えすぎちゃって伝えれない

ヘアスタイル、アドバイスするのは大好きなんですけど
「自分がやりたい髪型は??」って聞かれると怖気ずいちゃう(笑)

とは言えヘアスタイルは着脱出来ないし、自分自身で作る事も出来ないので想いを出来るだけ伝える必要があります。

なのでヘアスタイルを決定していく為に
以前「ファッションと美容師らしい在り方」という記事で

①自分自身が納得してワクワクすること
②自分を誰に対してどのように見せたいのか?を意識すること
これを意識すれば大体の場合は「オシャレ」だと言われます

なんて偉そうに書いたのですが、この②が凄く重要で
「誰に対してどのように見せたいのか?」を自問自答する必要があります
・「職場の人達」に「仕事が出来るやつだ」と思われたい。
・「友達」に「オシャレに敏感な人だ」と思われたい。
・「母親」に「こいつやべぇ息子だ」と思われたい。などなど

人によって考えは様々ですがそこからヘアスタイルは決定していく事が多くあります

貴方にとってのヘアスタイルはどんな意味合いがありますか?

何故「思い通り」にならないのか理論

この前カットしてもらったんだけど、全然思い通りにならなくってー

なんて、カットした美容師が聞いたら目まいがしそうなワードですが
決して特別にクレームを言ってる訳でもなく良く聞く言葉です

ただ、この「思い通り」と言うトコロが曲者でして
そもそも「思い」がどのくらい伝わったのかと言うトコロが重要です

僕もそうなんですけど、色々と細かく伝えすぎると「面倒くさいやつだなぁ」と思われるのも嫌だし、そんな時はこう言います

「とりあえず、後ろ邪魔だからスッキリしたい」って

そしたらスパーンと刈り上げられて、なんとも可愛らしい髪型になってこう思います

違うんだよ

こんなタラちゃんみたいな可愛らしい髪型にしたかった訳じゃなくって
何かほら
大人なんだからちょっと色気を残しつつ後ろをスッキリして
パーマももう少し残した感じで何かサラッとしてるんだけどちょっと特別感あるみたいなそんな感じにしたかったんだよ
言えるかっ!そんなもん!!
変な大人だと思われるだろうがっ!!

うーーーーーーー

思い通りにならないっ!!!

と、思いながら大人になると「ま、いっか」って思ってそのまま帰っていきます

これがお客様のヘアスタイルが思い通りにならない理論

ただ、美容師目線で言わせて頂くと

えっ!?襟足スッキリしたいって言ったじゃん!?
言われたとおりにカットしたんだよ
色んな勉強会も講習会も休日に通い詰めてビッカビカに磨き上げたカットテクニックでバランスも最高、カットラインも綺麗
何が駄目だったんだよー

と、この通り
まるで二人は別れる運命にあったかのような悲しい出来事
これではお互いにとって本当に良い事ではありません。

美容師側もお客様側もこれがほんのちょっとした工夫で解消出来るのであれば良いと思いませんか?
お客様も美容師も本当は「思い通り」にしたいはず
なのに何故お客様はヘアスタイルを思ったように伝えれないのでしょう?
それは美容師に対するチョットした誤解があるからです

美容師と言う生き物

美容師とは定義として

美容を業とする者」をいい、美容師法に基づき厚生労働大臣の免許を得なければならない。 美容師の免許を持たないものは美容を業として行うことはできない。 美容とは「パーマネントウェーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすること」とされている。

簡単に言うとヘアーのスペシャリストです
カットもセットもパーマもカラーも流行を取り入れつつお客様の希望に沿うように日々精進しているプロ集団の事です

もちろん美容師本人もオシャレだろうし、ファッションに関して色んな知識を持っていて「私なんかがこんなこと言っても良いんだろうか?」って

って、勘違いされやすいのも美容師です

正直に話すと美容師って言ったって世界中のファッションの在り方を網羅している訳でもないし、自分の好き嫌いだってあるし、風邪もひくし、酒も飲むし、皆様と同じ人間なので感情だってあります。

ただ、何か近寄りづらかったり、話しかけづらかったりするのは
まるで「別の空間に住んでいる人達」のような雰囲気を美容師のヘアスタイルやファッションの奇抜さで醸し出しているのかもしれませんが
本当はどこにでもいる気の優しい人々なんです

だって周りの人達を綺麗にしてあげたいって
それだけを目標に朝から晩まで楽しそうに練習して
休みの日は朝から講習会に行って勉強して
お客様がヘアスタイルを通じて笑顔になる事しか考えていません

ただ、ちょっとだけ人より派手

見た目は孔雀だけど、中身は子犬の様に純粋で素直で
喜んでくれるんだったらなんだってしちゃう♪
と言う生き物なんです。

どうかそこを踏まえた上でヘアスタイルオーダーをしてみて下さい
きっとニコニコしながらヘアスタイルの事を話し出しますから

想いを伝えるヘアスタイルオーダー



ダラダラと長く書いてしまいましたが
じゃあ、どうしたら良いのか?って事なんですけど

① 希望のヘアスタイルがある場合は出来るだけ写真を見せること
やはりこれが一番スムーズに双方にイメージが伝わるやり方です。まずはこの準備をお勧めします

②希望のヘアスタイルに対して髪質や顔の輪郭等の理由で似合うかどうか不安な時は必ずそれを伝える事
誰だってコンプレックスや以前に苦い経験をした事があると思います。美容師なりに経験からくる想像である程度は予測できますが「自分はこうなったら嫌だ!」とはっきり伝えてもらうとスムーズです

③希望のヘアスタイルが何もない場合は
目的もなく洋服を見に行ってたまたま素敵な洋服に出逢えることもあります
特にイメージが無い場合は一度「どういうファッションが自分は好きなのか?」もしくは「人にどう見られたら嬉しい(もしくは悲しい)」のか少しだけ考えてみて、その旨美容師さんに伝えて頂けると良いと思います
ただし、カット前に必ず写真等で意思疎通をした後にカットをしてもらいましょう

④自分が想像出来ないくらい、ただただワクワクしたい!!
こういう場合は最低限「美容師さんが自分の好きなファッションをしているのか?」を確認してみましょう
美容師さんも「自分が好きなファッション」を必ず楽しんでいるので共通のファッションに対する価値観がある場合が多いです。
その上で「ワクワクしたいのでお任せします」のも楽しみかもしれません

⑤美容師さんを怖がらない事
前述したとおり、美容師さんはファッションモンスターでもなんでもなくただただ、「人の髪を綺麗にしてあげたい」と思っている可愛い子犬なんです

今日はどうされますか?って聞かれたら
尻尾振ってヘアスタイルの事をペラペラと話しだしますので
少しだけ勇気をもって思っている事を話してみて下さいね
「思い通り」が「思い以上」になる事も沢山ありますから

最後まで長文を読んで頂いてありがとうございました



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