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美容理論は氷山の一角であるべき理由

現在では日本中の沢山の美容師さん達の努力のおかげで
「髪は大事にするものだよ」って意識が働いていて
「これ以上はブリーチ出来ません」とか
「これ以上は縮毛矯正は出来ません」ってハッキリと言う美容室も増えてきたので、ひどくダメージの状態のお客様も減ってきて本当に良い事です
だって日本中の人達が髪の毛に対する意識が高まっているんだもん

ただ僕達、美容師は喜んで欲しいから多少のリスクを背負ったって
お客様の「変化したい」とか「綺麗になりたい」って言葉に弱くって
何とか希望に添えないかなぁと切磋琢磨しています
だってそれが美容師という生き物なんだもん

このブログを美容師さんや美容室に行っても「モヤっと」した説明を受けて
「モヤっと」施術をやられたお客様全てに読んで頂けたら幸いです

傷んだ髪がチリチリになるのは?

さて本題です
「濡れてる時に真っすぐなのに乾いたら癖が出てしまう理由」について

この原因はハッキリと言ってダメージが原因なのですが
これが酷くなるとパサついて毛先がチリチリとまるで癖毛のようになってしまいます

なんかまとまらない→ちょっと癖が出てきた→毛先がパサつく→チリチリになる。といった具合になります

そもそも髪の毛は「ケラチン」と呼ばれる「タンパク質」で出来ていて
内部には沢山のほっそいケラチンが入っています

そして面倒くさいのがこのケラチン
例えばケーブルみたいにまっすぐ入っているんじゃなくって
全て螺旋状にねじれながら入っているものでして

その周りに栄養分が沢山
たっくさんの水分、栄養分と一緒に入っています

さて、髪の毛が傷みだすと髪の毛の「皮膚的存在」である
「キューティクル」ってものが傷みだし、剥がれたりしちゃったりして
まるで怪我したら血が出てくるように毛内の栄養分が流れ出します

うん

流れるのは仕方ない
ただ、流れるだけではないのがミソ!!

栄養分が流れ出すと内部で水分がなくなって
キューって

こう

キューって雑巾を絞るように毛髪内部の螺旋がキツくなるんです!!

それが表面まで影響してチリチリっとした髪の状態になる
これが「ダメージによる乾燥によるくせ毛」の原因

この髪を濡らすとどうなるか解ります??
水分が入ると一時的にネジレが戻って髪の毛も見た目に良くなりますが
キューティクルは損傷してるので乾くと水分が無くなってまた、元のチリチリになります

これがダメージで髪が変化する理屈なんです

モヤモヤするから深く理解する

へー

そうなんだ
髪って内部は螺旋状になってて捻じれるんだ…

って思ってくれれば幸いなのですが
本当にそうなんでしょうか?

見た??

誰か螺旋見た?

んなわけない
誰も見てないから好き勝手言い放題
勝手な理論もお客様に押しつけ放題
やりたい放題の美容理論で誰が自分たちの事を信じてくれるのだろう?
でも、科学者じゃないし
そもそも、それって分野じゃないしって僕達は思いません

「出来る限り調べてやろうじゃないか」ってね


なので専門家を呼んで勉強会をします

取り敢えず毛髪内部を除いていくとコルテックスってやつが毛髪内部には無数に存在します。その内部は2つに分かれており、ここに髪の色を形成するメラニンとMNFが存在するのですがこのうちの一つをマクロフィブリルと言います。また、このマクロフィブリルをひも解いてみると7つのミクロフィブリルとマトリックスで形成されていることが分かります。マトリックスの事は取り敢えずさておいて、このミクロフィブリルに注目してみましょう。この7つのミクロフィブリルのうちの一つを見てみると、8つのプロトフィブリルというものに分かれていることが分かります。逆に言うと8つのプロトフィブリルによってミクロフィブリルは形成されているという事なのですが、おっと!もっと!!ついでなのでこの8つのプロトフィブリルの一つをよーく見てみると4本の「フィブリル」というものから形成されている事が解ります。やっと出てきました「フィブリル」時間が許すのであればもう少しお付き合い下さい!このフィブリルって本当は「プロトフィブリル」って言うんですけど4量体で形成されていてモノマーと言われる右巻きのαヘリックスとダイマーと言われる左巻きの物が「螺旋状に絡み合って」構成されているんです!!

やっときた「螺旋状」!!
やったやったー螺旋だ螺旋だ!!

って

誰が聞きたがります?こんな話

僕は美容師が得た知識はひけらかすものではなく
「お客様の日常が美しくある為に必要である事」が重要だと思っているので
理論の事で深く突っ込まれたときに
「メーカーさんがそう言ってたから」って責任転嫁する事なんて言語道断

沢山の情報量があったとしてもお客様にお伝えする事は殆ど…
いや、100%上記のような内容をお客様にお伝えする事はありませんが
そこまで学習をした上で分かりやすく提供出来る事が重要で
僕達が学習している内容は「氷山」であり
お客様に伝えるべき内容は「氷山の一角」であるべきだと思っています
信頼して欲しいし、親しみやすさも重要だからです

美容師のお仕事と毛髪理論

「お客様の年齢層はどのくらい?」って聞かれると
「全ての年齢層」!!って答えます

実際には10代から50代まで同じくらい
その上になるとちょっと少なくなりますが
お陰様で家族で来ていただいている事が非常に多く
「アージュに行ったら何とかなるよ」
「取り敢えずアージュに行って相談してきなさい」
って家族や友人間で紹介を頂くと本当に嬉しい

僕たちは信頼とか信用とか良く聞く言葉かもしれませんが
その為に勉強をしたり、ミーティングをしています
そこが一番の軸なので
「出来る限り嘘はつきたくない」
「長く付き合っていく為にはどのような対応をすべきか」も、考えます

ヘッドスパって美容室でやったことはありますか?
ドライヘッドスパって頭のツボを熟知した人達の本気のリラクゼーションマッサージなのですが「悟空の気持ち」というサロンがその専門で有名です

あと「炭酸ヘッドスパ」というものもあります
これに関しては謎なので炭酸が頭皮に効くのであれば僕は毎日サンガリアの強炭酸水を頭にかけようと思います
どんな理屈で髪生えるのかな?それをしっかりと教えて欲しい

アージュで行っているヘッドスパは本当に優秀で理にかない
「頭皮細胞の性質」「脂の酸化」「pHについて」「光の法則」「浸透圧の原理」「電気分解アルカリ水について」などの理論を元に行います

「なんでこれをしているの?」って聞かれたら
ある程度の事までは答えられるし
「言ったことが言ったようになる」理論が存在します

これによって頭皮の匂いの軽減、毛髪の立ち上がり、薄毛の予防が期待されます

すごいっしょ

ってなりがちなのですがコレって「何故それをやるの?」って事が重要だと思います
きっかけは僕の母の脱毛症でした
「重度の円形脱毛症」です
当時、美容師には関係のないお仕事だったのですが
母の髪を生やすために勉強しました
一緒に暮らしていたから良くわかるんですけど
ファッションを楽しめないんです
少なくともヘアスタイルは楽しめない
外に出たくない、誰とも会いたくない、カツラを付けてても風が吹くと凄く嫌な気持ちになる

「美容師」という生き物

怪我をしていて山を登れますか?
病気をしていて世界旅行が心の底から楽しめますか?
そもそも髪が無かったらヘアスタイルを作れません
ダメージがあるのに触りたい髪ですか?
最低限のツヤが無ければヘアスタイルが良く見える事はありません

なので中途半端な事は言いたくない
やっぱり「理論」は必要なので僕たちは勉強しますが
今取り組んでいる事は「理論のアップデート」なんです

お客様に今伝えている毛髪理論が20年前に言われていた事だったらどうでしょう?
誰か信じますか?
なので現在提供されている細胞工学や
現在提供されている美容商品の事も勉強します
少し前からある「酸熱トリートメント」に関していうと

真っ直ぐになったり、くせ毛が収まったりするものは「縮毛矯正」
結合を色々といじくるのがパーマなのですが
この酸熱トリートメントはダメージ部分で欠落した部分の
内部の穴埋めを一時的にしているもので
実際は「ちょっと理屈的には微妙だよね」というのが本当だという理解をしています
ちょっと面倒臭く言うと、グリオキシル酸とアミノ基 NH2を毛髪内部に入れ、熱処理を行う事で架橋の役割をして「イミノ結合」となり、髪の状態を良くする

と、いう事なんですけど髪の中で新たな結合を行う事は出来たとして、恐らく一時的なものだし、水で洗った程度で駄目になるような弱い結合かもしれないので、単なる「穴埋め」と同様かなぁと思っています
単純に大量に「穴埋め」をしていけば、形状を整わせることは出来るので
「一時的に美しくなる」商材はアージュ美容室では扱いません

ちょっとしつこいと笑われるかもしれませんが
アージュ美容室では「サロン帰りのヘアスタイルを日常に」したいので
現在のこの「酸熱トリートメント」で1万円以上頂くことはしませんし
扱う事も無いと思います

長く付き合っていきたいので、信頼した商品を扱って
それに対してのメリット、デメリットも
出来るだけ解りやすくきちんと伝えたいと思っています

だってそれが「アージュの美容師」という生き物なんだもん

最後まで読んで頂いてありがとうございました


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