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職種紹介|多様な分野の知識が活きる、半導体製造の核となる「露光装置」を支える仕事

こんにちは、エーエスエムエル・ジャパンです。

近年、半導体市場の盛り上がりに伴い、半導体業界で働くことへの関心が高まっています。ただ「半導体」と聞くと専門的な分野だから、学んできた分野と違うから、と躊躇される方もいるのではないでしょうか。

意外に思われるかもしれませんが、ASMLで働く従業員のうち、半導体を専門に学んできた人はそれほど多くありません。ASMLが提供している露光装置は、あらゆる分野の専門技術が組み合わさっています。そのため、機械・物理・化学・光学・電気など多様な分野出身の人材が活躍しているのです。

今回の記事では、日本法人であるエーエスエムエル・ジャパンの役割や、あまり知られていない露光装置を支えるポジションについて紹介していきます。


ASMLは世界有数の半導体露光装置メーカー

スマートフォンなどの通信機器や自動車、家電、医療機器など多くの機械に利用される半導体は、これら機械の高速処理や省エネルギー化、小型化などの実現に必要不可欠。そんな半導体を製造するための「半導体露光装置」を提供しているのがASMLです。

オランダ・フェルトホーフェンに本社を置くASMLは「半導体露光装置」において世界No.1のシェアを持ち、世界で半導体を製造している企業の約8割が、ASMLの製品を導入しています。

また、ASMLは世界中で4万人以上の従業員を抱えるグローバル企業でもあります。ASMLの技術は世界中の半導体製造業界で高い評価を受けており、その技術力や規模は半導体産業における重要な存在として認知されています。

エーエスエムエル・ジャパンの役割とは

ASMLの日本法人として、2001年に設立されたのがエーエスエムエル・ジャパンです。現在、エーエスエムエル・ジャパンは日本国内に8つの拠点を構え、300名以上のエンジニアが日本の半導体メーカーをサポートしています。

日本の半導体工場で利用されている「半導体露光装置」の新規導入やメンテナンスに携わり、日本の半導体産業の技術革新や生産性向上に貢献するのがエーエスエムエル・ジャパンのミッションです。また、私たちはASMLの技術や製品を日本市場に展開する役割も担っており、日本の半導体産業の競争力強化につながっているのです。

露光装置を支える多様なポジション

「人類史上、最も精密な機械」と言われるASMLの露光装置には、とても多くの人が関わっています。その安定稼働を図るため、メカニックやアプリケーション、ロジスティクスなど業務が細分化されているのが特徴です。今回の記事では、露光装置/検査装置に関わる以下6つの職種を紹介します。

・UIRエンジニア
・フィールドサービスエンジニア
・フィールドアプリケーションエンジニア
・テクニカルサポートエンジニア
・MRPコントローラー
・オペレーションプランナー

いずれのポジションも、お客様先の工場に設置された露光装置および検査装置が、スムーズかつ効率的な生産を行うためのサポートを行なっています。1つの半導体工場に対して、チームを組み連携することで、きめ細やかなサポートを実現しているのです。

UIRエンジニア
Upgrade Installation and Relocation Engineer(UIR)

UIRはお客様の半導体工場において、露光装置または検査装置の新規据付や移設、既存装置のアップグレードの計画から実施までをサポートします。各プロジェクトの完了(お引き渡し)までをこのチームで行い、装置稼働後のサポートは別のチームが行います。

各地の拠点から日本全国のお客様(半導体工場)をサポートします。プロジェクト単位で仕事を行い、社内のみならずお客様や協力会社、またオランダ本社工場とも密にコミュニケーションを取りながらゴールを目指せるため、達成感を得る機会が数多くあるのが特徴です。

向いている人
メカ、電気、制御、光学と幅広い経験を積むことができる仕事です。技術革新が続く分野のため、学び続ける好奇心や探究心が欠かせませんが、ダイナミックな状況変化にも柔軟に対応できる方、変化を恐れない方ならより一層活躍できると思います。また、出張の機会が多いため、旅行が好きな方、国内外で働いてみたい方にもピッタリの環境です。

フィールドサービスエンジニア
Field Service Engineer(FSE)

FSEは露光装置または検査装置の操作サポート、トラブル対応など保守メンテナンスサービス全般に携わっています。装置で発生している問題の原因解析を行い、その上で解決のためのアクションプランを検討し、修理作業を実施することで装置の早期復帰を担います。日々、装置の予兆管理を行い、突発停止防止のための計画作業の計画提案など、お客様の生産活動をサポートするポジションです。

このポジションの特徴は、トラブルシューティングの際に様々な要因から根本原因を絞り込む必要があることです。難しさもありますが、同僚や自身の経験、知識を駆使して答え合わせを繰り返しながら、課題を解決する面白みがあります。お客様と直に接するポジションであるため、技術力だけでなくサービスマンとしてのコミュニケーションスキルや折衝能力が求められるのも特徴です。働き方としては各拠点からお客様の工場に訪問するパターン、工場内の拠点に常駐するパターンがあります。

向いている人
自ら必要な知識、経験を貪欲に吸収していくバイタリティのある方が適しています。またFSEはお客様との窓口となるポジションなので、連携する部署が多いことも特徴。そのため、チームワークを重視して業務にあたることを大切にしています。

▼フィールドサービスエンジニアのインタビュー記事はこちら

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フィールドアプリケーションエンジニア
Field Application Engineer(FAE)

お客様のアドバイザーとして、露光装置または検査装置の最適な使用方法の模索・提案に携わるのがFAEです。お客様が求めるパフォーマンスを理解し、各装置をどのように使うべきかアドバイスを行います。

フィールドサービスエンジニアや営業、マーケティング、オランダ本社の技術チームと連携することも多くあります。また、お客様からの要求をオランダ本社に伝える役割もあり、装置の仕様をよりお客様ニーズにあったものへとアップグレードさせることで、顧客利益にも貢献しています。

向いている人
現場で起きている現象やお客様のニーズから答えを導き出すことが求められるため、ロジカルに考えるのが得意な人、分析をするのが好きな人が多い傾向にあります。

▼フィールドアプリケーションエンジニアのインタビュー記事はこちら

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テクニカルサポートエンジニア
Technical Support Engineer(TSE)

露光装置・検査装置のモジュール(機能ごとの部品群)担当として、技術的対応を行うのがTSEです。例えば、お客様先に納品された装置にエラーが出た場合、そのトラブル対応としてデータ解析、エラー診断、対応アクションの提案、トラブル事後対応(予防策やノウハウ共有)などに携わります。

また、ハードウェアおよびソフトウェアの構造的問題に対してオランダ本社、社内顧客またはお客様と密に連携し問題解決に取り組みます。モジュールの専門家であることから社内向け・顧客向けトレーニングを提供することもあるため、業務内容は多岐に渡ります。基本的には(三重県、広島県、山形県および熊本県の)事務所からリモートで対応していますが、複雑な装置トラブルや緊急性の高い案件の場合、お客様先での出張対応を実施します。

向いている人
社内のナレッジにないトラブルにも対応するなど、新たな解決方法を模索することもあるため、自主性がありオーナーシップを発揮できる人が適しています。

▼テクニカルサポートのインタビュー記事はこちら

MRPコントローラー
Material Requirements Plan Controller(MRP)

MRPコントローラーはカスタマーサプライチェーンチームにおいて、タイムリーに必要な部品やツールをエンジニアに届けられるよう国内外の関係部署と連携して問題解決に取り組み、プロセスを改善しながらオペレーションの最適化に貢献する役割を担っています。

向いている人
関わる人が多いため、優れたコミュニケーション能力が求められます。また、ステークホルダーが求めるモノやコトの情報を収集・管理し、問題解決への分析的アプローチが行えることも重要です。

オペレーションプランナー
Operational Planner

オペレーションプランナーはカスタマーサプライチェーンチームにおいて、半導体製造装置を止めることなく、スムーズな生産を物流プロセスで支えています。いつ・どこで・なにが・どれだけ必要かというニーズをもとに、日本国内にあるASML倉庫の在庫管理を行います。

また、国内倉庫からお客様先の工場へメンテナンスに必要なパーツ等の配送手配も行います。パーツの手配が滞ってしまうと、半導体の製造が中断してしまうため、タイムリーに届けられるようMRPコントローラーや運送業者、通関業者との連携が重要です。

向いている人
様々なオペレーションパフォーマンスの数値やステータスをチェックしてコツコツとタイムリーに、かつ確実に処理を進めることが求められます。集めた情報を分析して優先順位をつけること、それを計画的に推進するスキルが求められるほか、多くのポジションと連携するため、高いコミュニケーション力も必要です。

露光装置以外のキャリアも描ける - BrionとHMI -

主に露光装置に関わるポジションを紹介してきましたが、実はASMLは露光装置だけを作っている会社ではありません。露光技術をさらに進化させるために、周辺技術を取り込むことで、最高のパフォーマンスを追求しています。そのため、露光装置以外の技術に携わるエンジニアもASMLでは活躍しています。

ASMLには、計算技術を使ったリソグラフィ(計算機リソグラフィ)やウェハの検査に特化した技術が存在します。これらの技術は、半導体製造プロセスの精度をさらに高めるために、重要な役割を果たしています。ここでは、ASMLが提供する「Brion」「HMI」の技術について紹介します。

まず「Brion」についてです。半導体製造では、光を使ってウェハに回路(パターン)を描きますが、半導体の世代が進みパターンが微細化されるにつれ、ウェハ上に鮮明で正確なパターンを描くことが難しくなっています。Brionは、コンピュータを使ったシミュレーション技術を駆使し、予めどのような形状がウェハ上に描かれるかを予想し、結果を理想形状に近づけるための補正を行う技術を提供しています。現代のスマートフォン用半導体などは、この技術無しでは製造することができません。

次に「HMI」についてです。HMIは電子ビーム(e-beam)を使用した検査装置を提供しており、ウェハに描かれた回路をナノメートルレベル(髪の毛の太さの10万分の1以下のサイズ)で検査します。この技術を使うことにより、ウェハ上の極めて微細な欠陥を検出でき、製造プロセス全体の精度を向上させることができるのです。さらに、検査結果のフィードバックを通じて、デバイス開発のスピードと製造歩留まりの向上にも大きく貢献しています。

このように、ASMLは露光装置だけでなく、半導体製造プロセスのさまざまな段階で精度と効率を高めるための技術を提供しています。Brionの計算機リソグラフィ技術やHMIの電子ビーム検査技術は、製造プロセス全体の最適化をサポートし、次世代の半導体技術の発展に貢献しているのです。

こうした最先端技術に触れながら、製造プロセスをさらに進化させる貴重な経験を積むことができるのも、ASMLならではです。

自分に合う仕事を見つけよう

ASMLではジョブ型雇用を行っているため、自身のスキルや経験に合った仕事を自ら選ぶことが可能です。また社内公募制度があり、今どのチームでどんな職種を募集しているか、といったオープンな情報をもとに、入社後に新たなキャリアを描くこともできます。

例えば、化学に強い人はアプリケーションエンジニア(FAE)、機械が好きな人はフィールドサービスエンジニア(FSE)など、様々な分野のキャリアを築くことが可能です。FSEとして勤務しながら露光装置の知識を身につけ、FAEに転向した人もいます。

ASMLの露光装置は、その精密さゆえ様々な技術が組み合わさっており、専門分野を掘り下げることも、幅広い知識を身につけることも可能です。そのため専攻に関わらず、理系出身・理系マインドがあれば、どの分野でも活躍していただけると思います。

最後に

エーエスエムエル・ジャパンでは年間を通して採用を行なっており、新卒・キャリアを問わず新しい人材を受け入れています。今回は露光装置に関連する職種にフォーカスしましたが、これら以外にもたくさんのポジションがあります。ぜひ私たちの採用サイトをご覧ください!

▼ASMLで募集中のポジションはこちら

人類史上最も精密と言われる露光装置に興味がある方、
半導体という世の中に欠かせない産業の一翼を担いたい方、
半導体製造装置でトップシェアを誇る企業グループで活躍したい方、
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