一個たりとも捨てたくないのだ。
全てを諦めず、100%でやりたいという願望は、まだ僕が大人になりきっていないから出るものだろうか。
最近、そういうことを頻回に考える。
理学療法士が好きだ。
理学療法士はリハビリを提供する仕事だ。
一応教科書に「こんな病気にはこのリハビリしましょう」と書いてはあるが、9割当てにならない。
結局、自分の知識と、目の前の相手から得られる情報から、問題点を捉え、原因を推測し、それを取り除く方法を考え、試し、また推測し、を繰り返す。
それが良い。
トライアンドエラーを繰り返しながら正解に近づいていく感覚が、とても好きだ。
(もちろん治療者としては、一発でバシッと治せた方がいいんだろうけど、今のところそんな治療者に会ったことはない)
遊戯王が好きだ。
遊戯王は、紛れもなく、僕の人生の一部になっている。
学生時代に原作に触れ、カードに触れ、ニコニコ動画からデュエル動画という文化に触れ、ネット掲示板上でのテキストデュエルとかいう超非効率な方式を楽しみ、
今では遊戯王YouTuberの一員である。すごい。
たぶん、僕のこれまでの人生を円グラフにしたら、遊戯王は一番大きい扇形になるであろう。嘘です。たぶんゲーム。
育児が好きだ。
子どもたちは、いつも予想外のものを僕らに与えてくれる。
おもちゃ一個で、人生のすべてがそこに詰まっているように喜んだり、この世の終わりかのように泣いたりする。
彼らが新しいことができるようになった時は、自分のことのように嬉しい。
彼らがしてくれる話は、意味がわからなくてもなんだか愛おしい。
何より、僕みたいな適当なやつのことを、親として受け入れてくれている。ありがたや。
ってことで。
全部好きなんですよ。仕事も趣味も育児も。
学生時代は、遊戯王に80ぐらい当てていた気がする。
社会人になってから、仕事70遊戯王30ぐらいになり。
子供が生まれてから、すべてが20ぐらい。
いや、僕は全部100でやりたいんです。
叶うのなら、
僕は今でも整形外科領域のクリニックで働きたいし、
遊戯王のデッキをバリバリ作ったり動画に出たりしたいし、
子どもと一日中公園行ったりテレビ見たり、行きたいところに連れて行ってあげたい。
でも、今はすべて20。
仕事は育児のために、早く帰れて家に近いが、そこまで好みでないところに転職し、
遊戯王は月に一回やれればいい方、やる時には睡眠時間を削るしかない状態になり、
子どもには保育園に行かせるために規則正しい生活を強要し、遊びを我慢させている。
100出来たらこうだっただろう、がわかるようになったからこそ、100やっていないことへのモヤモヤに襲われている。
世界には、それらの1つを100で頑張っている先駆者がいるのだ。そういう人が、めちゃくちゃ輝いて見える。正直うらやましい。どの方向性に対しても、俺ももっとそういうことやりたい、と思う。
なんかSNS始めたての高校生みたいなこと言ってるが、紛れもなく本心である。
大人になることって、こういう時にスパッと何かを諦められることだと思うんですよね。
責任が最も重いのは育児。それを最優先。そのために仕事を妥協し、趣味は切り捨てる。
それが出来たら、もっと生きるの楽なんでしょうけども。
僕はそうしたくない。
もがき続けるのだ。たぶん、あと10年ぐらいは。
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