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患者さん・ご家族視点からみたICU その1

こんにちは。IN//SEKIの中尾です。

今回は、ICU入院経験のあるYさんとご家族(奥様)にお話を伺いました。内容がとても濃いインタビューとなり、全3回にわけてお届けさせていただきます。

YさんがICUへの入室までや入院中に感じたこと、ご家族ならではの率直な思いやご意見を伺って、新しい発見がありとても勉強になりました。

唐突なお願いにも関わらず、本プロジェクトの目的をご理解いただき、「治療環境をよりよくするために力になれれば・・・」との思いでこのような、貴重な機会をつくっていただきました。この場をかりて感謝を伝えさせていただきます。本当にありがとうございました。

・Yさん ICU 2回入院  1回目:5日  2回目:2日

ICU入室までの経緯をおしえてください――――――――――

ある時から頭がじくじく痛く近所の病院に通院していました。そんな中、翌年に家族旅行をしたんですね。露天風呂に行った時にぼーっとした状態になってしまい家族や旅館の人総出で大騒動になってしまったことがありました。

これはおかしいと思い、別の病院へいってCTをとったら緊急手術が必要ですと。すぐに病院と先生を探していただき、翌々日に手術になったんです。


ICU入室時特に印象にのこっていることや感じたことは何ですか?――――

Y:ずっとお医者さんとの会話はできているのに、朦朧としている感じでした。病院への移動中にお昼ご飯を食べたらしいですが、全く覚えていなかったです。

奥様:動けるはずもないのに、自分で着替えていたりしていたし、会話も成り立っていたんですが、後から聞くと本人は覚えていないんですよね。手術前は「頑張って!」とかドラマチックにしてあげたのに(笑)

Y:(ICUに入ってから)会話の中で周りがざわついているのは感じていたんだと思います。カーテンでしか仕切っていないので周りを気遣って妻と両親に「はやく帰れ」と言っていたそうなんです。今思い出してみると、もしかしたら大の大人が囲まれて、恥ずかしかったのではないかなと思います。足元側はオープンで、ベッドは丸見えですし人の動いている気配は感じていました。だから意識がはっきりとし始めたのは一般病棟に移ってからなんですよね。

Y:あと覚えていることというと、尿をするときに、「あ、つめたくなってる」という感覚があったんです。管が入っていると出せないし、バルーンカテーテルがあるから大丈夫なのはわかっていても不安でしたね。


Y:時間の認識はあまり無かったですね。外光が入ってこなかったので光の感じもずっと同じでした。

奥様:入院した時いろいろあってから、病院に両親がついたのが夜中だったんですが、本人から「今何時なの?」という質問がありました。


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ICUに入室してから、朦朧とする中でYさんがベッドがカーテンで仕切られているだけであることを感じていたこと、またそれによって周囲を気遣っていたことがとても印象に残りました。会話をしていたことをご本人は覚えていませんでしたが、バルーンカテーテルの体感については覚えている、という点もこういった状態だからこそ五感が研ぎ澄まされているのかもしれないと、感じました。次回は一般病棟での治療環境についてどう感じていたかを、詳しく伺っていきます。

IN//SEKI 中尾 

アスクレピオスは医療環境の未来について、一緒に考え、カタチにしていくラボでもあります。
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