インソールは作り方を学んでも難しい
知り合いの紹介で近所のスポーツ用品店のオーダーメイドインソールを作った方の話です。
せっかくオーダーメイドでインソールを作ったのに、履いて少し歩いたら足の母趾周辺第2趾付け根に痛みが出るのだそう。
すぐにお店に戻り状態を説明したところ
「足が新しい動きに慣れていないので痛みは出ますが2週間くらいすると快適になります」と説明されたとのこと。
しかし痛みは軽くならないので当院に相談に来られた。
モートン足はチェックが必要
その方の足は有名なモートン足であったので、インソール作成時には注意が必要であることを説明したところ、お帰りになった後に、製作した店に電話したら
「モートン足に関しては、気にしないで済むように足の形に合う様に作成していますので大丈夫です。」
との返事をもらったそうだ
当方でご希望であればいつでも足を整えた上で、足の型をコピーして、インソールを作成しますので、いつでもお越しくださいとお応えした。
インソール専門店がインソールを評価した
インソールの作製はほんの小さなポイントのバランスの確認が難しい
先日名古屋から来店された方の話です。
治療院と靴屋を経営している人にアスケル東京に行きますと話をしたら、
「できたインソールを作ったら見せて欲しい」と言われたが、見せて良いかと相談された。
見ただけではわからないと思うが、当方で受けたバランスの改善のための施術の後の足元の感じを説明して、その足のコピーをしたのがこのインソールですとお伝えくださいと話をした。
インソール専門店がインソールを評価した
持ち帰ってお見せしたが「普通のものと特に大きく違わないが、中足骨サポートクッション(中足を支え持ち上げるゴムやクッションで作られた枕のようなもの)がないがこれではモートン病は治らない」
と指摘されたが、それがなくても横アーチは楽なんです
足のバランスを整えた時の足は横アーチが僅かに上がっていたようで楽でした
それがそのままインソールに型採りされている様で問題なく楽なんです
とお応えしたら、インソールの写真を前面、側面、平面と斜め上から中足骨接触部分を細かく撮っていましたと報告を受けた
その店で作ったインソールでは痛みが出たがアスケルで作ったインソールでは痛みが出ない
何が違うのかと問い合わせ
インソール専門店の人とインソールを触りながら色々話し合ったがどうして中足骨の辺りの小さな盛り上がりはどうやって作るのか………………
コンピューター測定では出ない緩やかな小さなカーブの作り方がわからないので一度インソールを作りにゆきますと言われましたと連絡が入る
足本来の動きとバランス
『本来の足のバランスに戻すとしばらくの間自然に小さく横アーチが浮き上がります』
これをコンピューターで解析できません
理由は足分析ソフトを開発した人が足の微妙なバランスとその動きを知らないからと思える
この時の忘れてはならないのは踵の動きです
踵が横アーチを支えるに必要な強さで支えなければならない
つまり本当の足の機能と動きを理解できていないからだろう
インソールの効果を高めるための靴
足のバランを良くして歩きやすくなった足のコピーで作成したインソールを使うにあたり大切なことは
もちろん 足のサイズに合った靴
⒈ 踵(ヒールカップ)は固め
⒉ 靴底は安定した硬さが望ましい
⒊ つま先は柔らかく歩くときに趾が曲がるあたりが柔らかい
靴紐に注意
靴ひもはきつすぎない程度で足をしっかり包んでくれるように締める
(これは重要 特に足に悩みのある人にはゆるゆるの靴紐ではなくしっかり締めた靴紐)
特に夏は時々ひもを締め直すと良い
梅雨から夏にかけて靴が蒸れやすくなる人はついひもを緩めてしまいがち
緩めると足のサポートが緩くなり足のバランスが崩れやすくなる
秋に入ると足や膝の痛みを訴える人が増えるのは梅雨から夏かけて靴を緩めに履いたりサンダルで過ごすことが増えるために足元が狂いやすくなっているからだと言われている
夏の終わりに近ずくと是非足を整え直しにお越しください
悩んだ時に迷わず選ぶ靴
人それぞれ好みのものがあるが色、デザインなど自分が好きなものを選ぶのは構わないが大切なことは足が本当にこれを好むのだろうかということです
人は自分が思っているようには見てはくれないものです
靴のデザインだけを意識していても人は色々な角度でなんとなく足、膝の動きを見るようで
膝が伸びないでいる人の脚の動き
地面に着地する足の動き
外反母趾や過回内の扁平足の変な着地と地面を蹴る時のつま先の動きが気になる人
足のバランスの整った人の歩き方、足の運びは綺麗に見えます
靴のデザインにばかりに気持ちが行っていると足には合わない靴が「我慢すればいいか」と後回しになる
足に合った靴を選ぶといいですね
「目に優しく訴えてくる靴(この靴はあなたの足にはいいですよとね)」
費用を負担するのはあなたです
どんな靴でもいいのでしょうが、みた目だけで選んで履いているうちに次第に足を崩してゆき、通院する費用はあなたの負担です
現実に症状が現れるには時間がかります
長時間足の崩れから生じる筋肉の疲れや軽い痛みは疲労として蓄積され次第に溜まってゆき我慢できなくなると火山が噴火するように痛みが突然出てきます
違和感がはじまると噴火の前兆です、早めに対処が必要です
インソール選び方の常識
市販のインソールは比較外
人の足はみんな少しずつ小さなところが異なります
足を構成する骨は種子骨含んで28個の骨を100を超える靭帯と筋肉と神経.血管から形成されている
これが体重を支え歩いたり走ったりするときに支えながら動きます
つまりさまざまな動きを異なったバランスで支えます
足の形は測り知らないほどさまざまで症状別といえども異なった形が必要ですので既製品のインソールで的確な改善効果が得られとは思えないのでインソールの比較対象には入れません
スポーツタイプ別のインソールは存在しない
時々問い合わせがあります
「バスケットボール用のインソールありますか?」
返事は「NOです」
当店ではプロのサッカー選手、バスケットボール、ゴルフ、ボクシング選手やアマチチュアのスキー、フィギヤスケート、スピードスケート選手などさまざまな選手が来ます
どのスポーツも選手の足元のバランスを整えバランスを良くして型を採り作ります
皆さん少しずつ異なった足ですが特別にスポーツの種類に特化した足ではありません
自分はオーダーメイドインソールを作って25年近く経ちますが、スポーツに特化したインソールには出会ったことがありません
お勧めのインソール
2007年にアスケルのホームページを作った時にオーダーメイドインソールを検索した時には3社しかなかったが現在は表示仕切れないほどたくさんのインソールを成作販売しているようです
これまでの経験から当方がお勧めしたいのは薄く(2〜3ミリ)て少し硬めの素材でできたインソールです
強制的に足裏を持ち上げたあり傾きを変えたりする小さなパッチワークのパーツを貼り付けていないものです
足の型採りの注意事項
足裏は微妙な形状にもしっかりフィットできるように足のバランスを整えフィットし易くなった足裏の型ちをコピーする
インソールの作り方はさまざまで素材メーカの指導に従ってください
ここではオーブンで加熱して整形する方式を採用しているので
型取りの時間は片方の足30秒程度です
型取りに大切なこと
型採りに重要なことは当方で教えている足首関節のニュートラルポジション上での型取りです
おおよそ35年前から片足に体重をのせその時に足首関節がニュートラルな状態で足裏のコピーをします
ニュートラルは制作者によって異なるみたいですが元来車のギアのニュートラルのように前にも後ろ方向にも内側外側向きにもスムーズに動くポイントを確認してコピーを取ります
これがスムーズに動かないと足首関節の痛みが出てくることが多いようです
以前、研修会でインソール作成を行いましたがなかなかうまく行きませんでした
理屈では分かっていても実際には困難なようです
(慣れることが大切です)
インソールの大きな誤解
足は変わります
足に痛みがある人は、足を整えると痛みの出ない動きに変わると足を支える足裏の圧力が変わり体重を支えるポイントが変わります
それで改善が進んでくると最初に型取りをした時の足は、体重の支え方が変わり足裏に変化が現れます
変化の時間、形状は個人差があり異なります
例えば26歳男性扁平足(ブログで紹介)の方の場合は、約2年で扁平足に大きな改善が現れインソールは偏って体重負荷のかかる場所が変わっていた
扁平足の運動部の高校生は10ヶ月で変化が現れました
目安としては1年で足の状態を見てインソールを作るかどうかを判断すると良いと思います
以前、「一生物のインソール」が評判になりました
ちょっと高いけど一生使えるのでお得ですと言われた方がいて作ったら14万円で、結局足が痛く履けなくなったと話を聞きました
忘れないでください『足は変わります』
はっきりと表記できる実績のないところや専門家の言葉に惑わされず自分の足と語り合ってください
改善がはじまると変化がわかるようになります
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