2020年個人的ベストトラック30
みなさんこんにちは。
今回は2020年にリリースされた楽曲の中で、これはいい曲だったよねぇってやつを30曲チョイスし、ランキング形式で発表していこうかなと思っております。
なお今月中に年間ベストアルバムの方も発表したいつもりなんですけど、いかんせん羊文学とポールマッカートニーがまだリリースされていないので、そちらを聴いてからじゃないとということで悪しからず。
というわけで早速発表していきましょう。あとサムネの齋藤飛鳥は良い感じの画像が無かったんで貼っただけです。うい。
30位
Mega Shinnosuke 「Midnight Routine」
最近の邦楽シーンでも彼に期待している音楽ファンって多いと思うし、実施自分もその一人なわけで、その中でも今年リリースしたこの幻想性とメランコリーさを内包したベッドルームポップな一曲を聴くと、やはり目が離せない若き才能だと思わされる。
29位
Starchild & The New Romantic 「Tape」
第2のPrinceとも名高い男が今年リリースした新譜からの一曲。彼が持つ独特のエロティシズムに、鬼才Toro y Moiが空間的なサウンドスケープを施すことで、新時代のR&Bを垣間見れた気がした。
28位
Thundercat 「Dragonball Durag」
前作「Drunk」がThundercatというミュージシャンのトータルな力を、多彩なゲストたちの力を借りることで開花させた傑作だとしたら、今作「It Is What It Is」は彼の声が持つ魔力みたいなところがよりクローズアップされた印象がある。特にこの曲を聴けば彼が稀代のボーカリストであることは明白だ。
27位
乃木坂46 「しあわせの保護色」
今年の乃木坂で言えばカップリングながら90年代感を醸し出す「I see...」というスマッシュヒットもあるが、個人的にはこの曲から感じられる人の温かさみたいなところがやっぱいいなって思ったのと、あとCメロの僕にできることはぁ~っていう所が好きすぎるから選出。
26位
ROTH BART BARON 「dEsTroY」
Arcade Fireにも似たこのスケール感の大きさと、狂騒にも似た飛び跳ねるサウンドがより歌詞に説得力を持たせてくれて、日本にもこんな素晴らしいバンドがいてとても頼もしい気持ちにさせてくれる。
25位
The 1975 「Me & You Together Song」
The 1975史上最もロマンティックなラブソングが、こんなにもエヴァーグリーンなギターポップに乗せて奏でられるなんて思いもしなかった。多分この先もその名を刻まれるであろう、永遠のクラシックになるんじゃないかな。
24位
Perfume Genius 「On the Floor」
マイクハドレアスによるソロプロジェクトが今年リリースしたキャリア最高傑作からの一曲にして、50年代以前のスタンダードポップ、ドゥワップ、ソウルなどのアメリカの伝統的なポピュラーミュージックへの淡い情景を見せた珠玉の一曲。
23位
Phoebe Bridgers 「Kyoto」
すっかりインディーシーンを代表するアーティストの一人となったフィービーの新作からの一曲。声自体もそこまで特徴があるわけでは無いし、曲もめちゃくちゃシンプルなんだけど、聴く人の心をつかんで離さない不思議な魅力が彼女にはあるんだよね。コラボが絶えないのもなんとなくわかる気がする。
22位
羊文学 「あいまいでいいよ」
とてもこれからメジャーデビューするバンドの曲とは思えないくらい、インディー特有の埃っぽい感じが前回ではあるが、塩塚モエカの声の力の入れ方の一つ一つが繊細すぎて、やっぱすげぇボーカリストであることを見せつけてくるよね。
21位
Shelly 「Steeeam」
ClairoとClaudというベッドルームポップを牽引する二人が組んだ夢のようなバンドの一曲なんだけど、どこかふわふわとした夢見心地なサウンドがなんというかとても豊穣と言いますか、とりあえず最高なんすよね笑。
20位
欅坂46 「誰がその鐘を鳴らすのか?」
粗雑なミキシングだなと思う人もいるだろうか、このノイジーなギターサウンドで奏でられることでちょっとエモっぽい感じに意図せずになったのと、不協和音で倒れたグループを上手く表していて、なんだかとても秀逸な一曲に思えた。
19位
THE NOVEMBERS 「開け放たれた窓」
今年の邦楽シーンでも大きな話題を掻っ攫ったアルバム「At The Beginning」のラストを飾る曲にして、なんでさっきまでゴリゴリのインダストリアルやってたのに最後でそんなR&Bなん???っていう所に帰結するなんだか面白い曲。とりあえず面白い曲なんですよ。
18位
The 1975 「If You're Too Shy (Let Me Know)」
The 1975がデビュー当初から追い求めた80'sスピリットが大爆発した一曲。新作からの相次ぐ先行曲のリリースラッシュのクオリティの高さに、我々リスナーのアルバムに対する期待感がストップ高まで膨れ上がった今年の春が懐かしいですね。
17位
Machine Gun Kelly 「concert for aliens」
あれ?Machine Gun Kellyってラッパーじゃなかったっけ?もはやそんな感想すら出てくるくらい最高にポップパンクしているアルバムからこの曲をチョイス。
16位
Jim-E Stack 「Jeanie (feat. Bon Iver)」
下半期Bon Iver先生はいろんなアーティストとコラボしまくって話題を振りまいていたわけなんだけど、その中でも最もBon Iver先生の素質をフル活用できてたのがJim-E Stackによるバキバキのサウンドがキマってるこの一曲だと思う。
15位
BBHF 「Siva」
尾崎雄貴という男はこういう感じのえっちな曲を作らせたら右に出るものはいないんだよね。北欧ドリームポップっぽい感じのぴっしゃと止まる冷たいサウンドと尾崎雄貴の温かい声がとにかく心地いい。
14位
chelmico 「エネルギー」
年始早々「Easy Breezy」がアニメ「映像研には手を出すな」の主題歌に起用されると、アニメのヒット共に彼女たち自身も大躍進を遂げ、まさに持て余しているエネルギーがまだかまだかと溢れて出してくる強靭なポップソングであり、今の彼女たちの力強さを表している一曲だと思う。
13位
The 1975 「Then Because She Goes」
多分お気づきの方もいると思う。「あれ?The 1975多くね???」んなこたぁどうだってよくて、この憂いを帯びた美しいメロディとギターポップの煌めきが抜群にマッチしてて、しかもこれで歌詞もめっちゃいいという役満みたいな素晴らしい楽曲なんすよね。
12位
米津玄師 「PLACEBO+野田洋次郎」
米津玄師流シティポップと野田洋次郎がこんなにも違和感なく混ざるとは。冒頭のシンセサイザーによるイントロから勝ち確状態で、あとはひたすら体をうねらすように身を任せるだけの極上の4分間。今年の邦楽シーンを語るうえで外せないポップナンバー。
11位
Washed Out 「Too Late」
いつもと違ってあまり遠出も出来そうに無かった今年の夏を、分厚いリバーブで加工してしまった一曲。超個人的な話だが、この曲が収録されたアルバムがリリースされた時たまたま帰省していて、チャリで20分くらいで近所の海行って、夕焼けに照らされながらWashed Outの新譜聴くっていうこの上ない贅沢をかましたのであった。うっす。
番外編
今年を振り返ろうっていう意味でも、この楽曲たちを噛み砕かないといろんな意味で来年を乗り越えられない気がしたんで、戒めって意味で振り返ることにしました。
やっぱ今年最もヒットした曲は?って言われるとこれが真っ先に出るよね。でも自分はこの曲のヒットって物凄く大きいと思ってて、それはこの曲ってJ-POPにしては珍しく徹底的に引き算が施されたうえで成り立っているヒット曲だから。引き算的観点のヒット曲が主流になるかもね。
YOASOBIとかヨルシカってのは一つの楽曲にストーリーが展開されているんだけど、これってボカロPが二次創作との相性が良かったが故の名残って見るより、今ストリーミングが完全に定着した日本で、長尺さを要求するコンセプトアルバムではもう聴かれるのが厳しそうってことの裏返しな気がしてしまったんだよね。音楽はファストフードみたいになって、長く成功できる人はどんどん少なくなりそう。
作曲者も作詞者もパフォーマンスする本人たちも、三者の悪い所しか出てこなかったとても珍しい楽曲。乃木坂の長い歴史にこいつが残ってしまったという事実ほんと震える。色んな意味で。
彼が奏でるギターは無限の可能性を示してくれたし、そしてこの曲が内包するどこかもの悲しい空気とそれをふっとばそうとする空元気みたいなところに僕は大きな共感を得た。偉大なヒーローよ、永遠に。
のーべるぶらいとはとってもすごいばんどだとおもいます。あのばっどがいをかばーするときいたときはとてもおどろきましたが、なにをどうやったらこんなちんみょうなあれんじをほどこすことができるのかわれわれりすなーのそうぞうのはるかうえをこえるんだからとてつもないばんどだとおもいます。とはいえくちぶえはやらないとだめなんでしょうか。らいねんもぼくらにおおきなわらいをていきょうしてくれることをきたいしています。
10位
サニーデイサービス 「春の風」
コロナやばそうじゃね?ってタイミングでリリースされた傑作「いいね!」からのリード曲。エネルギッシュなギターロックながらベテランならではの深みを感じられ、なんとなく彼らがいたから陰鬱な春を乗り切れた気がした。
9位
Childish Gambino 「53.49」
ドナルドグローヴァーがChildish Gambinoとしては最後かもとほのめかし、ゲリラ的な感じでリリースされたアルバムはまさに劇物って感じの一枚だったんだけど、「This Is America」で真の代弁者となった彼が鳴らす強靭なメッセージソングは胸をえぐるような言葉の力を感じる。
8位
藤井風 「帰ろう」
今年の邦楽シーン最大級の賞賛をもって迎えられた藤井風、そんな彼がはじめてリリースしたアルバムの最後を飾ったのがこの曲で、独自の死生観を綴ったその詩が世相と絡められたりもしたが、個人的には久石譲っぽいストリングスアレンジが歌詞と相まって、00年代初期のジブリ作品に似た普遍性を感じさせるところが大きな共感を生んだのかなと思った。
7位
Travis Scott 「The Plan」
今年のトラヴィスはアルバムリリースこそはなかったが、それでもフォートナイトでのバーチャルライブやマクドナルドとのコラボなど常に話題は振りまいていた。だがその中でもクリストファーノーラン監督の新作「TENET」の主題歌となった、この押し寄せるよう重低音が魅力のこの曲だけで十分すぎる存在感を見せつけた。
6位
Mr.Children 「Documentary film」
めちゃくちゃよかったでお馴染みMr.Childrenの新作、その中でコア的な役割を担っているのがこの曲で、終わりある命の美しい瞬間を描いたその歌詞は常に日常に寄り添っていた曲を生み出してきたバンドのアイデンティティを如実に表しており、このような壮大なアレンジをしても様になっているところもこのバンドの凄さであることを確認させられる。
5位
LANY 「good guys」
正直に言っちゃうとLANYの新作はあんま好きじゃなくて、なんというか自分はシンセポップの求道者としての彼らが好きだったから、変にスタジアムロックっぽい所に背伸びしたのがちょっとハマらなかったなぁっていう。好きなら変化も受け止めなよっていう意見も分かるけどさ、最初の先行曲のこの曲がほんとに超名曲過ぎたからなんともいたたまれない気持ちなんすよ。これが恋ってやつよ。
4位
君島大空 「火傷に雨」
個人的今年の邦楽シーン最大のアンセム。アルバム自体はボカロ世代以降のツギハギ感があっていい意味で粗削りなんだけど、この曲のストレートなロックに乗っかる脆く今にも壊れてしまいそうな声とのアンビバレンスが美しい。これからに期待大。
3位
The 1975 「Nothing Revealed / Everything Denied」
5月22日の0時に解禁されたばかりのThe 1975の新作を聴いてた時、13曲目にこの曲が流れてきた時の感動は今でも覚えている。壮大な旅の分岐点に過去の楽曲を少し皮肉るようなユーモアさも、R&B、ゴスペル、ラップを高い次元で取り入れる器用さも、そしてこのような愛おしくなるような素晴らしい楽曲を作れるソングライティングの高さも全部が好きなバンドだ。
2位
BTS 「Dynamite」
ここ数年ディスコがベースとなったヒット曲ってのは凄く多かったけど、この曲の持つピースフルな喧噪って凄いパワーだなって思う。自分元々原爆Tシャツとか来日公演の時に長居スタジアムの芝荒らしたりとかであんま彼らにいいイメージ無かったんだけど、人種とかそういうの関係なく彼らが成功できたのはこの曲を聴けばそりゃ納得だよなぁって思ったのでやっぱ音楽はすげえ。
さて栄えある一位は一体何になるでしょうか?
それでは一位の発表です。
1位
The 1975 「Guys」
あぁGuys
やっぱりGuys
あぁGuys
これは松尾芭蕉が白石麻衣卒業コンサートを楽天TVのせいで見れなかったときに残した一句ですね。
The 1975はロックが死んだといわれた時代を、その独自のセンスといい意味でのこだわりが無さのおかげでサバイヴ出来た稀有なバンドなわけだが、そんな彼らが何よりもこだわっているのがバンドという形態で音楽を鳴らし続けることなんだと思う。壮大なサウンドの冒険を繰り広げたアルバムの最後を収録曲の中では地味なアレンジながら、バンドという友情のすばらしさを説いた一曲で締めたのは多くのロックファンを涙させたはずだと思う。僕も何かぐっとくるようなことがあったら、すぐGuys聴いていしまう病気にかかったからやっぱりこの曲がナンバー1だと思う。
以上で年間ベストトラックを終了します。まさかのThe 1975が5曲ランクインという結果になったが、自分的にはかなり納得できる形になったと思う。来年も素晴らしい楽曲に会えると期待しています。そして年間ベストアルバムの方も期待しといてください。
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