講義のメモは「手書き」と「パソコン」どっちがいいのか?
前回紹介した
が好評だったので、今回は勉強に関する似たような疑問について紹介したいなと思います。
具体的には、
・講義のメモは「手書き」と「パソコン」どっちがいいのか?
についての問いに答えます。
結論から言うと
・内容を理解したい、記憶したいなら「手書き」のほうが良い
というのが科学的には正解です。
意外だな、と感じた方もいるかもしれないですね。
ではなぜ「パソコン」よりも「手書き」のほうが効果的なのか?
理由をいくつか見ていきましょう。
理由1:手書きだと書ききれる量に限界があるから
「え?それだとパソコンのほうがたくさん記録できるからいいんじゃない?」
と思ったかもしれませんが、実は書ききれる量に限界があるから手書きはメリットになります。
なぜなら書ききれる量に限界があると、人は何が大事なのか考えながら記録をとるようになるから。
・話の中で重要な部分はどのポイントなのか?
・最低限理解しておいた方がいいのどの部分か?
・省いてもいい情報は何か?
といったことを、意識しながらメモすることができる。
逆に、パソコンのようにたくさんの文字を入力できる状態だと、
・講師がいっていることをそのまま何も考えずに入力する
・記録すること自体に意識が集中してしまうため内容の理解が浅くなってしまう
というデメリットがあります。
単純にたくさん記録ができればいいというわけではないのは意外ですよね。
理由2:書くことに集中できるから
先ほども話したように、パソコンと比べてノートの場合は、書ききれる量に限界があります。
なのでノートをとることに集中せざるをえません。
その結果、相手の話に耳を傾けるので、自然と内容を理解しやすくなります。
一方でパソコンの場合は、記録の途中でLINEを開いたり別のタブを開いてネットで検索したりできるので、注意力が分散されてしまいます。
「自分はそんなことをしないよ」という人であったとしても、通知が来てしまったらいやでも注意力が持っていかれてしまいますよね。
たとえ一瞬であったとしても一度切れた集中力を脳がもとに戻すのはエネルギーを使います。
なのでやはりパソコンで集中力を維持し続けるのは難しいかなと。
そう考えると「手書きしかできない」という縛りが逆にメリットになっているといえますね。
理由3:自由度が高いから
最後三つ目の理由は「自由度が高いから」です。
パソコンの場合だと、基本的に文字の入力が中心となります。
ですが手書きの場合は、パッと図を書いたりイラストを描いたりすることからパソコンよりも簡単にできます。
すると創造的でオリジナルな記録ができるので、自分の記憶に残りやすくなります。
前回科学的に正しい勉強法の一つでイラストを描いて英単語を覚える「ドローイング」という方法を紹介したのを覚えてますか?
この記事でも紹介したように、
・イラストを描く
・図が描ける
というのは、内容を理解する、記憶するという点では、大きなメリットになるといえますね。
パソコン派は手書きに変えるべきか?
ここまで読んでみて、
「じゃあパソコン派の人は手書きに変えたほうがいいの?」
と思ったかもしれませんが、必ずしもそうというわけではありません。
工夫すればパソコンで記録するデメリットをカバーすることができます。
例えば、
・そのまま入力するのではなく自分の言葉に書き換えてから入力する
・パソコンで文章を記録した後に、後で図も作成して挿入してみる
・Wi-Fiをオフにして、通知が来ないようにする
などすると、注意力が持っていかれずかつ創造的な記録に変えることができるので、ノートと同じような効果を得ることができます。
昔は手書きの人たちの方が多かったですが、今はパソコンで記録する人が多いと思うので、無理に手書きで記録する必要は私はないと思います。
また、パソコンだと後で何度でも簡単に書きなおせるので、
・手書きのメリットをうまくパソコンでの記録に落し込めば、最強の記録になるのでは?
と私は考えています。
関連記事:科学的に正しい勉強法についてはこちらの記事で詳しくまとめています。学んだ知識を無駄にしたくない人は参考になりますのでどうぞ↓
【記事執筆】あすか
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参考文献・データ等
・Sarah Shi Hui Wong et al(2021)Take notes, not photos: Mind-wandering mediates the impact of note-taking strategies on video-recorded lecture learning performance.