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足さんはなぜ泣いてるの?

足さんは生まれた時、とても小さくて

自分が歩くなんて事知りませんでした。

ある時、身体をパタパタ動かすことができて
ふとした拍子に手🖐️さんとお友だちになりました。

手さんは、足さんに触って
ふわふわだね。やわらかいねといいました。

手さんもやわらかいね。

足さんと手さんはいつも仲良く遊びました。

ある時、手さんがテーブルに掴まり、足さんは🧍立つ🧍‍♀️という事を知りました。

立ってみると今度は歩くという事を覚えました。

足さんはゆびやかかとを上手に使って大地を踏みしめました。

一歩一歩一歩。

わー😀楽しいなー😀

手さんとも協力して一生懸命歩いていると、靴さんがやって来て私を履いて歩いてみて。
と言いました。

靴さんはとても可愛くてすぐお友だちになったけど足さんの顔は靴さんの形にキューッと縮めなくてはなりませんでした。

少し窮屈だけど、足さんと靴さんは仲良しになって色々なところに出かけました。

大人になって足さんは、色んな靴さんとお友達になりました。

でも、足さんの顔はどんどん窮屈に押し込められてだんだん色々なところに怪我をする様になりました。
靴さんも心配しています🫤

足さん、大丈夫?

うん、少し休めば良くなるよ。

足さんは仲良しの靴さんが心配しない様に
怪我をすると皮膚を厚くして守ったり、足のいろいろなところに体重を乗せたりして痛いのを我慢して、一生懸命歩きました。

気がつくと生まれた時のあの柔らかくてふわふわだった足さんは、硬くて怖い顔の足さんになっていました。
だんだん足さんは疲れて歩くことが嫌になって来ました。

膝も腰も色んな形に曲がって本当に歩くのが辛くなってきました。
靴さんとのお出かけもすっかり減ってしまいました。

足さんはしだいに無口になり笑顔も消えました。

ある時、足の看護師さんが足さんをみてくれました。

わあ〜足さん、
色んなところが固くなって、爪もこんなに固くなって、つらいのに頑張って来たんですね。

看護師さんは温かいお湯の中で足さんを優しく洗ってくれました。
厚くなった爪を切ってくれたり、ガサガサの足を丁寧になおしてくれました。

最初は疲れて話すこともできなかった足さんは
看護師さんの手当で
だんだん元気が出て来ました。

そして、やっと痛いところや硬いところ、冷たくて感覚も無くなってしまったことなんかを話し出しました。

看護師さんは足さんのお話を
うん、うんとよく聞いてくれました。

足さんは
看護師さんの優しい手当を受けながら、何故、こうなってしまったか考えました。

私は、自分の事わかっていたのかな?
自分を大切にしてきたのかな?
もっと早くに、手当していればもっともっと元気でいられたはずなのに。

どうしてほったらかしにしてしまったんだろう。

涙が溢れて溢れて止まりません。

泣いていると
看護師さんは言いました。

足さん、大丈夫だよ。

これからは、足さんのこと一番に考えようね。

そうすると、足さんの人生は

真逆になるよ。

足さんは思いました。

真逆ってなんだろう🤔

足さんが蘇るってことだよ。歩くのが楽しくなるの。

看護師さんは言いました。

今は辛いけど、
手当てを続ければきっと元氣になるから。

足さんが元氣になったら足さんにピッタリの靴さんを探しにいきましょうね。

また、靴さんと一緒に色んなところに行ってね。


足さんは嬉しくて心が温かくなっていくのを感じながら、真逆の人生に想いを馳せていました。

そこには自分にピッタリの靴さんと出会って楽しくダンスをする靴さんがいました。



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