β-229 ぼやーじゅ

楽曲を軸にさまざま書いていくシリーズ、第10回は大貫妙子さんの「Voyage」です。

大貫さんは作詞、作曲は千住明さんです。

「One Fine Day」というアルバムに収録されています。

ちなみにLong Version.もありますが、それは「palette」というアルバムに収録されています、個人的にはLong Version.がとっても好きです。

Long Version.は、オーケストラが奏でる演奏時間が多めに取られており、悠久の音を奏でております、主観ですけどね。

2005年の愛・地球博の「三井・東芝館」でよく流れたそうですが、自身は愛知万博に足を運ぶことはしませんでした。

モリコロパークに降り立ったことはあるけど、それは数年後のおはなし。

三井・東芝館のテーマソングとして、大貫さんが作詞を、千住明さんが作曲を手掛けて産み出されたのが、この「Voyage」

レーベルとしては、TOSHIBA-EMIに所属していたのは2003年までとなっており、2006年にSony Musicになっており、アルバム「One Fine Day」はユニバーサルミュージックという時期になります、ちょっとややこしい。

ちなみに、愛知万博のサイトは15年経過しても、しっかりと残っております。

愛・地球博そのものが「自然の叡智」が主題だったので、各パビリオンそうしたものをメインに執り行われたそうですが、三井・東芝館では観客自身が映画の主人公になるという"フューチャーキャスト"というシステムを用いていたそうで。

映画のタイトルは「グランオデッセイ」、人類は地球環境をうまくコントロールするシステムを開発したのだが、生態系のバランスが崩れ、地球には住めなくなってしまい、人類は宇宙へと散らばっていくことになる。

数世代を経て、ある惑星で巨大な宇宙船が見つかる。

実はその船は、彼らの祖先が製造した船であった。

地球を知らない子たちが、母なる地球を目指していく―

この"地球を知らない子"、その配役に来場者が選ばれ、3DやCG技術を駆使して、会場に投影されていくという構図だったそうな。

実際行ってないから、憶測にすぎない部分は少なからずありますが。

そのテーマソングである大貫さんの「Voyage」も、この映画とリンクしています、当たり前と言えば当たり前ですが。

「Voyage」は訳すると「旅」、主に船を用いる"旅"という意味で使われるそうです。

この場合も宇宙"船"ということで、「Voyage」で間違いないし、実際歌詞も「船」というワードが使われておりますしね。

瞳の中の青い星(地球)は、どんなに離れたとしても、そのぬくもりであったり、子守唄であったりといったところで、まだ見ぬ、しかし身近に感じられるようになり、その思いが郷愁となって、宇宙船を動かして地球に向かう、思いを馳せながら。

そうは言えども、人類含め、生態系バランスがえげつないほど悪くなってしまった環境にあるので、再度棲めるようになるというのは望めない部分もある。

それでも、先祖はかつてこの地球に棲んでいたというのは、間違いようのない事実。

どんなに長い旅になっても、銀河の海が延々と続いても、愛する人とともに、故郷へと帰っていこう―

というのが、歌詞と照らし合わせると、感じ取れるんでしょうか。

遥か時を超えて、再び人類が地球と対面した時、どんな感想を思い浮かべるんでしょう?

それは、だれにもわからない。

だけど、時は未来からやって来る、記憶をつれて。

それははじめて笑った子どものようにまぶしく、また宝石のようにきらめくものであると―

そのような希望を抱きながら、パビリオンのなかの人々を案内していたのだろうと思いますが、さすがにそこまで思い浮かべているひとはいないかな?

いまだったら、SNSでそうした感想を掲載するかもしれないけれど、2005年って、そうしたサービスは立ち上がっていないんですよね、そろそろブログが流行りだすかなというときだったのかなと記憶しておりまして。

15年前って、そう考えると遠い、宇宙の単位で見ればとんでもなく刹那なんだろうけどね、ただ良くも悪くも人間目線で生きてきたので、宇宙にまつわる単位は、どうなっても悠久さを感じざるを得ない面がございまして。

そんなこともありまして、とってもいい意味で現実の世界が如何に短く、脆く、愚かなものなんじゃないかと錯覚してくれるので、現実に疲弊したときに聴くととっても癒される一曲となっております。

「ぼくたちは 今 帰ろう」という言葉は、なんだかよくわからないけど、背中を押してくれるような気がして。

それも錯覚なんですかね?

管弦楽とピアノで構成されているからこそ、ゆったりと、でも壮大なスケールで描かれるんだろうな、そして大貫さんの透き通る歌声もまた魅力的なものを高めさせてくれる、そう感受したときに、私もとっても落ち着く。

そんなことを想いながら、この記事を書いたあした・の・β<ベータ>なのでした。


ここまで読んでいただいてありがとうございます(人''▽`) 間髪入れずに言ってみますか・・・ よろしければ!でもまさかね・・・