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タイのコーヒー文化 スペシャルティコーヒーへの道 ②バンコクでの存在

バンコクを訪れると、スペシャルティコーヒー屋の多さ驚く。街がコンパクトで密度が高い分、余計そう感じるのかもしれない。
例えば、BTSのプロムポン駅やアソーク駅周辺だけでも徒歩圏内に数店舗は点在する。

そしてどこの店でもクオリティーは保たれており、価格もそこそこする。海外産の豆だとドリップで120〜160B(500〜650円)はあたりまえで、200B(800円)を超える店も珍しくない。最近はタイ産のスペシャルティコーヒーも出回っておりそちらは、海外産にくらべ気持ち安い場合がある。
※23年9月 1B=4.15円で計算

このスペシャルティコーヒー一杯の価格は、タイの物価を考えると高い。
カオマンガイなど1食35バーツ前後で(145円)で食べられる街でスターバックスのアイスアメリカーノが、115バーツ(約480円)。そしてタイの庶民的なコーヒーチェーン店の「アマゾン」で、ホットコーヒーが35バーツ(145円)で、これと比較するとスペシャルティコーヒーは、その3,4倍となる。ちなみに、このアマゾンは公式サイトによると日本の福島県と和歌山県にもあるようだ。

スペシャルティコーヒーのドリップの価格は、店によっては+α代が発生する場合がある。このレシートの店はトータルで290B(約1200円)だった。銘柄は「Kenya Maguta Estate」。
立地だったり、豆自体が高級なのはしょうがないが、アイスの手間代と技術料としては少し高い。とはいえ、アイスは日本と違い、氷で薄めず氷水の中でピッチャーを撹拌させて、冷却させる。時間も手間もホットや日本のアイスに比べて時間がかかる。これはバンコクの他のスペシャルティコーヒー屋でもこの作り方が多い。
味の方は、あまり注文を受けない豆なのか、または焙煎から時間が経っているせいか、バリスタがこの豆を扱いきれていないような味だったが、それなりに楽しめた。 

プラカップでの提供だった。

ちなみに、豆販売は店によっては、焙煎から数ヶ月たったものも販売されている。日本だと賞味期限しか記載されないので、逆算して焙煎日を予測することになるが、バンコクだと焙煎日が袋に記載されている。
一度、ある店のバリスタに数ヶ月前なのに少し古いのでは?と尋ねたところ、これはこれでエージングを楽しむとのことで、前向きな解答だった。
焙煎された豆販売も高額で、海外産だと250gほどで、1700〜2000B(8000円前後)は当たり前である。それが数ヶ月前の焙煎となると流石に購入は躊躇する。

タイでは、いつごろどんなタイミングでスペシャルティコーヒーが広まったのか?
おそらく時期としては日本のサードウェーブブームから少しあとの感覚。2010年前後だと思う。持ち込まれた経緯としては、東京と変わらず、海外から流れ込んだカルチャーのようだ。
日本とタイでは、元から根付いてるコーヒー文化や地理的な違いはあれど、最終的に目指すもの、その味や文化的な立ち位置は同じ方向に落ち着いているようだ。なので現地でのバリスタとの話は通じやすい。

味の違いはどうか?
個人的には、バンコクで飲むドリップの方が、フルーティーかつボディー感が強く感じる。店にもよるが、これはやはり南国独自の食文化も影響していると感じた。
※文化的、地理的なからみは、長くなるので別の機会に紐解きたい。

バンコクでのスペシャルティコーヒー屋の探し方は、グーグルでスペシャルティコーヒー(bangkok specialty coffee)と検索すればたくさんでてくるし、カタカナ検索でも問題ない。個人のブログやSNSでもたくさんの情報が手に入る。
タイ人や在住者かつマニアックな方の情報だと、旅行者が簡単に行けないような場所だったりする。

コーヒー好きなら、スペシャルティコーヒー巡りだけでも、バンコクを十分楽しめる。バリスタはみんなコーヒー好きなので、カタコトの英語でもコーヒーの話をすると気持ちよく受け答えをしてくれる。とくにカウンターを構えているところだと、よりスムーズだ。単なる観光客であってもコーヒーをきっかけに現地の方と接するよい機会となる。

やはり、ローカルの人々とのコミュニケーションは旅を盛り上げてくれるものだ。

好みを尋ねてくれるバリスタさん。このときは英国の方でした。

次回は、私のバンコクでの具体的なスペシャルティコーヒーの楽しみ方をお伝えしたい。

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