空の色
【写真で掌編小説】
「空の色」
私はいつもピンクのポーチを持って歩いている。
子供の頃からずっと大好きなピンク色。
お財布も筆箱も、お気に入りのものは全部ピンク色をしている。
今日もお気に入り色を持って学校へ行く。
美術の授業は教室を移動する。
お気に入りのポーチを持って教室を出る。
入り口で君とぶつかった。
私の落としたピンクのポーチを君は拾い上げる。
君は苦そうに笑いながら、謝った。
私も君の青色の筆箱を拾って手渡した。
君はにっこりと笑いながら、お礼を言う。
教室を移動して、美術の授業が始まる。
私はいつものように、赤色と白色を混ぜて特別な色を作る。
けれど……、ふと君の顔が浮かんだ。
美術室にいる君を探す。
君は青色の絵の具で空を描いていた。
私は、作り上げた特別なピンクに青色の絵の具を溶かした。
出来上がった薄紫をじっと見る。
私の描く空は薄紫になった。
本当に青色なのかな?
君の好きな色が知りたくなった。
終わり
写真から掌編小説でした!
十四作目です!好きな色はそれぞれみんな違いますね。だけど、自分の好きな色と誰かの好きな色を混ぜたら、もっと特別な色になる気がします!
素敵な写真をありがとうございました。
また、お会いできることを楽しみにしています♪
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