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吹き抜ける風のように

【写真で掌編小説】

「吹き抜ける風のように」

夜から朝へ、朝から夜へ。

移ろいを繰り返しながら進んでいく。

ある人は新しい足跡を未来と呼び、振り返った足跡が過去だと言う。

けれども、これまでの足跡に、もう一度足跡を重ねてみる。

すると、先ほどまであった綺麗な一つの足跡が、不恰好で大きな足跡へと変わった。

そうか……。

未来は新しい足跡を刻む事ではない。

時間を刻む事なのだ。

朝から夜へ時間を刻み、夜から朝へ時間刻む。

進みも戻りもしない。

今、過去に刻んだ足跡を踏みしめた。

さて、次の一歩も後ろへと進もうか。

それとも左へと進めてみようか。

立ち止まるのも良いかも知れない。

未来はどこからか吹き抜けていくだけなのだから。

終わり


写真から掌編小説でした!

五作目です!焦りや苛立ちも必要な足跡。ならば、いっそ戻る事も立ち止まる事も、未来なのかもしれない。

素敵な写真をありがとうございました。

また、お会いできることを楽しみにしています♪





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