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嫌韓ってなんだ?

こんにちは!明日少女隊の佐多稲子です。東京から発信します。
今日は、コロナ危機と嫌韓の話をします。

嫌韓って、どういう意味だか知っていますか?

嫌韓とは、韓国や韓国人、在日コリアンの人に対して、不信感や差別的な気持ちを持つことを言います。

日本では、これまでも嫌韓の雰囲気は、事あるごとに盛り上がり、ヘイトスピーチやヘイトデモも大きな問題となっています。そして、今回のコロナ危機の局面でも、日本人の持つ、韓国の方への差別があらわになりました。

在日コリアンとは

例えば、在日コリアンの方々に対する差別。
最近では、さいたま市が行ったマスク配布の対象から朝鮮学校が外されていた、というニュースを見た人もいるかもしれません。

これまでも、コリアンタウンとして有名な新大久保で、大きなヘイトスピーチやデモが行われるなど、在日コリアンの方々に対する差別は大きな問題でした。

実際に子ども達が勉強している朝鮮学校にもヘイトスピーチをする団体が押しかけ、子ども達の安全が損なわれるという事件もおきています。

(↑朝鮮学校についてのドキュメンタリー 「アイたちの学校」)

そのような長年の差別がある中で、今回のコロナ危機では、さいたま市は、市内の子ども関連施設へマスクの配布を決めましたが、その対象からなんと、朝鮮学校の幼稚部が外されてしまっていたのです。

第二次世界大戦のころ、日本は東アジアの国々を植民地として支配していました。そうした時代に、朝鮮や台湾といった国々から、仕事を求めて日本にやってきた人や、強制的に連れてこられた人たちの子孫が、在日外国人として、現在の日本で生活しています。戦時中、彼らは過酷な労働をしいられたり、「日本人」として教育され、自分たちの名前や言葉を奪われてきた歴史があります。

「在日コリアン」の方々の多くもその時代に朝鮮半島から強制的に連れてこられたり、移住してきた人の子孫なのです。よく「日本は単一民族の国だ」と言われることがありますが、実はそんなことは全くなくて、沢山の外国人や、様々なルーツをもつ人が共に生活していることがわかります。彼らの多くは日本で生まれ育ち、日本で働き、生活を営んでいます。
にも関わらず、今回のコロナ危機によってさらに日本では「排外思想」が強まってきてしまっています。

政治家が、コロナ対策の給付金は「日本国籍を持った人に限るべき」という発言をしたことも、多くの批判を集めました。

給付金の発表がされているときにも、多くの日本に住む「日本人」ではない人たちは、自分たちがきちんと補償されるのか、不安な気持ちで過ごしたかたも多いと思います。

しかし、多くの人が声をあげたこともあって、さいたま市は朝鮮学校の子供達にもマスクを配布することになりましたし、在日コリアンの方含め、外国籍や無国籍の人にも、給付金が支給されることが発表されました。本当に良かった!

しかし、今回のコロナで明らかになった嫌韓の動きは、在日コリアンの方達へ向けたものだけではありません。韓国本土へ向けても、嫌韓の勢いが増しています。

韓国はコロナ感染対策の対応が早く、世界に先駆けて、コロナの感染拡大を抑えることに成功しつつあります。今、コロナ対策について、世界中のリーダーや専門家たちが韓国の施策から学ぼうと必死です。

しかし、一方で、日本ではどうでしょうか。
1月、2月、韓国の感染者数が日本よりも多かったことで、「韓国はひどいね」とバカにした風潮はなかったでしょうか。

今や、世界から賞賛される韓国発のドライブスルー検査についても、「日本は韓国の真似をする必要はない」というプライドが邪魔をして、日本への導入が遅れたという声もあります。

また、先進国の中、日本だけでPCR検査の数が極端に少ないことは、今や世界中のメディアが報道するところとなりました。
現在韓国の大統領は、PCR検査が進まない日本に対し、「検査キットなどの支援の準備がある」と表明しています。

「なんにおいても、日本は韓国に勝っている」そんな、差別的な気持ちが邪魔をして、韓国の施策のいいところを素直に認めることができない。そのせいで、自国に暮らす人を危険に晒している、そういう状況になっていないでしょうか。

差別や偏見にとらわれていたままでは、コロナの感染拡大を防ぐことはできませんし、実際に今日本で暮らしている全ての人が、国籍やルーツなどに関係なく大切にされる社会が必要です。

今回、コロナという危機的状況の中で改めて浮き彫りにいなった、嫌韓の風潮。歴史的な問題を含めて、人権や差別について、私たち一人一人が考えていく必要があるのだと思います。

文:佐多稲子 (明日少女隊)
編集:尾崎翠 (明日少女隊)

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