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【恋物語】蝉時雨

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#物語

【恋物語】蝉時雨/第二章⑶ 雪景色とあの夢の続きのような

【恋物語】蝉時雨/第二章⑶ 雪景色とあの夢の続きのような

あの悪い夢の所為で中々落ち着かない。
胸の奥に夢の跡が残ったままぼんやりと寝室から出る。
僕は思わず目を細めた。

雪の光だ。
キッチンにある窓から小さな街を見下ろす。
空と地上の間は粉雪で煙っていた。

高台にあるが故に階段が面倒だが、景色だけは良かった。
街中の物件と比べれば利便性は劣れど、僕はこの家に一目惚れをしてしまったのだ。

このキッチンの窓は色々な景色を見せてくれる。
この窓から朝陽

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【恋物語】蝉時雨/第一章 色恋

【恋物語】蝉時雨/第一章 色恋

駅の裏にある公園の前で、僕は車を停めた。
もう終電は終わっているし、此処は田舎の古い町。
道は細くて辺りの街灯はほとんど無い。

彼女の話が途切れる度に、蝉時雨がタイミングよく降り始めるような、妙な感覚が今日一日付き纏っていた。

窓を開け、運転席で煙草に火を着ける僕の左腕に、彼女の背中がもたれかかった。
「あとちょっと」
文庫本の左側が大分薄くなっているので、
きっとラストシーンを読んでいるとこ

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