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「嫌われたくない」よりも「嫌いにならない」で人間関係はうまくいく

前にも書いた通り、結婚したのが割と早かったので、夫の転職や転勤など家庭都合で9つもの職を転々としました。

転職が多いということは、時にマイナスポイントになります。
特に、新しい仕事に就こうとする時は必ずこう訊かれます。
「前のお仕事は、なぜ辞めたのですか?」

雇う側の気持ちは分かります。
私も、ビジネスホテルの副支配人として、たくさんのアルバイト志望の学生さんや主婦の方を面接した経験があります。
せっかく働いていただくなら、できるだけ長く続けてほしいと思うのは当然のことです。

私の場合は、引越しや出産など家庭都合で辞めざるを得なかったことがほとんどです。
とはいえ、雇い主にとっては家庭都合だって自己都合です。
「突然辞められるかもしれない」というのは大きなリスクですから、それでもあえて採用するかどうかは悩みどころです。

そういう事情を鑑みても、私が今までの自分のキャリアをマイナスではなく肯定的に受け入れることができるのは、どこにいても概ね楽しく仲良く円満に勤めてこられたからだと思います。

過去の職場に対してネガティブな思い出というのが、ほとんどありません。

考えてみると、業種も働き方も様々な9つの職業を、いつも円満に勤めてこられたというのは、我ながらなかなかすごいことではないでしょうか。

もちろん、周りの人に恵まれたというラッキーも多分にありますが、どこにいても概ね円満な人間関係を築けるというのは、紆余曲折のパッチワーク・キャリアを繋ぎあわせてきた過程で獲得した私の強みと言っていいかもしれません。

人はみんなそれぞれ違いますし、時間とともに変わっていきますから、人間関係に共通して当てはめられる万能薬のような「コツ」というのは、きっとありません。

ただ、あえて言うなら、このふたつをお伝えしたいなと思います。

「相手に期待しないこと」
「相手のリアクションは相手のもの」

例えば、「人に嫌われたくない」というのは「好きになってほしい・好きでいてほしい」という期待の裏返しです。

相手にそう思われていることは、なんとなく伝わるものです。
恋人でも友達でもない関係性の相手から、「嫌いにならないでください!」と(困り顔で)訴えられると、ちょっと居心地の悪さを感じてしまいます。

人が離れていく理由って、明確に嫌いというよりは、なんとなく居心地が悪いからという曖昧な感じが多いものです。

一方で、一見同じでも「相手のことを嫌いにならない」というスタンスでいると、結構うまくいきます。

人間関係の第一歩は相手のことを知ること。
共通項が見つかれば、関係性はぐっと親しみを増します。

「嫌いにならない」という意志があれば、少なくとも、自分から相手のことを知ろう、話を聞いてみようと思えます。

好きになるため」だと荷が重くても「嫌いにならないため」なら出来そうな気がしませんか?

受け身になって振り回されると人間関係はつらくなりますが、意志を持って「自分発」の関わり方ができたら、少し楽になります。

笑顔でいることや明るい挨拶、良いところを見つけたら照れずに褒めるとか、気になることがあるなら本人に訊くとか、そういうポジティブなアクションも、「先手必勝」がおすすめです。

相手のリアクションは相手のもの」というのは、ホテルで働いていたときに強く感じていたことです。

ホテルのフロントで接客していると、それはそれはいろんなお客様がいらっしゃいます。
不機嫌なお客様に対応する時は、いつもこう思うようにしていました。

私は私の仕事をした。
お客様のリアクションは、お客様のもの。

良く言えば、不機嫌でいる自由も含めて「相手を尊重する」ということですね。

人間関係で悩む方は、「良好な人間関係を築きたい」という意志があるということだと思います。

それがあるかないかで、大げさかもしれませんが人生の質がだいぶ違ってくるのではないでしょうか。

ひとは一人では生きられません。
誰かと関わって生きるなら、できるだけ悩みを少なく、円満な人間関係を築きたいものです。
自分にとっても相手にとっても幸せな関わり合いができる関係性を築けたら、きっと人生が明るくなるはずです。

嫌われたくない」から「嫌いにならない」へ。
相手発」から「自分発」へと関わり方のベクトルを切り換えてみると、今までとはちょっと違った世界が見えてくるような気がしませんか?

明日はきっといい香り
明日香

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