お誕生日おめでとう

我が家は全員2月生まれ。そのうち、次男と夫と私は誕生日が同じ日だ。

そのことを人に話すと、聞いた人のほとんどはびっくりする。「カップルで同じ誕生日というのは知り合いにいるけど、まさか子どもまでも⁉」「なんで?そんなことってあるの?」「どうやってそうなったの?」どうしてだかわからないけれど、たまたまうちはこうなのだ。

次男の陣痛中に時計を見たら、夜中の11時半くらいで、これは確実に明日になってしまうな、そうしたら夫と私と同じ誕生日だわとうんうん唸りながら思っていた。日付が変わって1時間半ほど経ち、次男は無事生まれた。

分娩台に乗ったままの状態で「この子、私と同じ誕生日です。そして夫も」と話したら、分娩室にいた看護師さんたちが「えー!すごい!」「わあ、家族で3人が同じ日!」と盛り上がってくれた。

分娩室から出て普通のベッドに移動したとき、ひとりの看護師さんが小さな紙皿を持って入ってきた。紙皿には個包装の一口パウンドケーキと、海苔煎餅と甘納豆、クッキーなどがのっていた。

「お誕生日おめでとうございます。私たちのおやつでこんなものしかないのだけど、お誕生日ケーキのつもりで。えへへ」

ベッドの上でいただいた紙皿の誕生日ケーキは、涙が出るくらい嬉しかった。そして全部ものすごく美味しかった。

毎年、次男の誕生日をお祝いしながら、紙皿のケーキを思い出している。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?