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夜中でシソンヌのコントを書き起こしてる私はイギリスの大学に馴染めるわけがない

イギリス留学、7年目。
7年も突き詰めないと分からなかったものがあった。

私は本当に日本のこと、好きになっちゃった。


高校の時、父さんの一言で、私はイギリスの南部にある、
ちっちゃくて古い寄宿学校に通うことになった。

英語も大して上手くなくて、幼少期から椎名林檎と宇多田ヒカルと安全地帯に挟まれながら、王道ジャンプアニメを全部一周してボカロブームに育てられた。
今ちゃんと考えれば、多分イギリスに馴染める要素一つもないんだってことは分かるはずだけど。
あの頃の私、右も左も何も分からなかったから。
何にも抗うことできずに、遠い場所に飛ばされた。

もちろん、イギリスでも色んな影響を受けた。
高校の時、ちょうど映画「ボヘミアン・ラプソディ」が上映しててそこで一気に70代のイギリスロックにハマってクイーンをめちゃくちゃ聴くようになった。
ちなみに好きな曲は「懐かしのラヴァー・ボーイ」です。華奢で踊りたくなるような曲が好きです。

そこでイギリスのドラマ。
ミランダ、フリーバッグ、シャーロック、ブラック・ミラー、ブロードチャーチ。有名なものも一応一周した。デイヴィッド・テナントに恋したこともあった。


でも結局、日本が恋しくなった。
アジア圏出身だからかな。
歴史や風習や文化、違うけれど通ずるものがやっぱりあるんだなって。

イギリスにいるのに、日々日本の文化について勉強してる。
情熱を感じさせるものがこんなにも遠くにあると、本当に本当に辛いです。

それでもシソンヌのコントは本当にたまらなくダサくて愛おしくて。
真夜中に作った炊き込みご飯を食べながらシソンヌのコントを書き起こしたほどに。シソンヌライブ[neuf]の「老後」が好きすぎて。
あの愛のある掛け合い、解像度があまりにも高い演技、あの最後のオチ。
愛らしくほっこりする、でもなんとなく感じ取れるしんみりする切なさ。
舞台に対する情熱と思いと覚悟。
外国人が遠山の金さんを知ったきっかけがこのコントだとか、流石にじろうさんも想像したことないでしょう。


昔からそうだった。
好きなもの、興味のあるもの、ハマってるものは手元にはなかった。
アニメ、ドラマ、Vtuber、お笑い、コント。
ライブやイベントにも行けずに、手に届けるものは少なく、実感があまりなかった。
そんな私が運が良く、シソンヌライブ[onze]を配信で見た。
初めて見たコントライブ、一時間半。本当に幸せな時間でした。
それから他のライブのDVDや本も注文した。
届いた時の感動がもう。
やっと、やっと物理的に、手に持てるものがある。
私が何十時間もかけて理解しようとするものが本当に存在してるんだなって。
この実感が、私のこの涯しない孤独を、ちょっとだけ慰めてくれた。


でも私のこの熱い思い、
この尖り散らした趣味、
このこよなく日本の文化に対する愛。

どこにぶつければいいんだ?
共感してくれる人なんて。理解者だなんて。
Japanese comedyって言ってピンと来る人なんて。

この文化と言語の隔たりによる孤独、この物理的な距離、
この絶壁の前にして。

私は動画を編集した、ブログを書いた、ファンアートを描いた、音楽も作った。
創作が大好きだからやってるつもりだけど、でも本当のことを言っちゃえば。
多分私は自分の孤独を形にしたかった。

一人でコツコツ研究してきたものを、誰かに、理解できるような形として、表現したかったでしょう。


イギリスに七年間もいるのくせに、
馴染めなかった自分が嫌いになったこともあった。
でも今はこの気持ちを大事にしたい。
波に流されずに、好きなものを必死に掴もうとして、それでも孤独に呑み込まれそうで、それでも私は諦めずに、一人でカッコよく尖り散らす。
遅れてきた厨二病ですね。

孤独を解消するために書いたと言いたいが、これも普段と一緒のただの独り言かもしれない。
独り言じゃなかったら、読んでくれてありがとうございました。


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