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記事一覧

勝手にルーンナイツストーリー 『盤上の夢』前編

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『Chase! Chase! Chase!』へ

「ねえねえエルザお姉ちゃん」

 執務室の机にあごを載せた体勢で、シュガーが話しかけてきた。
 眉間にしわをよせて書類と睨み合っていたエルザは、顔をあげると同時にため息をついた。

「シュガー。仕事中は騒がしくしないでっていってるでしょ」
「根の詰めすぎはよくないよー。お姉ちゃんが倒れたら、共和国軍はお終いなんだから。ほら

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ブリガンダインGEプレイ日記「シラハ先生のわくわく忍者教室・蛇の巻」第4回

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215年7月
 南北に分断されたレオニア。戦いのさなか、フィエールがLV17に到達し、シャドウへのクラスチェンジ一番乗りを果たす。
 弱体化したレオニアに対し、戦力過剰と判断。エスメレー、ソレイユを帰還させ、ログレスの双子を交代要員として派遣。

10月、ブルームにリオネッセ、バイデマギス、アスミットが侵攻してくるも、シラハ先生とローコッド、ミゲルの生徒たちで撃退。
11月、

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ブリガンダインGEプレイ日記「シラハ先生のわくわく忍者教室・蛇の穴」第3回

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第2回へ

215年7月
 イスカリオが滅亡し、次なる目標は聖女王の統べるレオニア。引き籠りといえばレオニアというほど、守りに適した地勢を誇る。二国分の領土を押さえれば、当座のマナにも困らないはず。

 レオニア方面軍総大将は皇妃エスメレー。副官の一人はLV17に到達し、忍者教室最初のシャドウとなったフィエール。もう一人は、生徒に負けていられないとシラハ先生が名乗りをあげる。

 要害ハ

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ブリガンダインGEプレイ日記「シラハ先生のわくわく忍者教室・蛇の穴」第1回

※この記事はTwitterでの投稿をまとめたものです。

 久しぶりにブリガンダインGEを起動。マルチシナリオ1でエストレガレス、イマイチ影の薄い帝国のナイトをシャドウマスター運用するプレイを開始。

名付けて

「シラハ先生のわくわく忍者教室・蛇の穴」

レッツ・スタート!(VitaだとSSが撮れないみたいなので文章のみとなります)

 普段プレイする際はシャドーマスターを縛ることが多いのですが

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勝手にルーンナイツストーリー 『Chase! Chase! Chase!』

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『灰よりふたたび』へ

 マナ・サリージア法王国の都市、ベスティリス。
 ミレルバ諸島連邦との国境にほど近く、平時にはポートサイドから流入する物資や人を送り出す中継地点となり、戦時には首都ザイの東の守りを固める重要拠点となる。
 人の入れ替わりも激しいが、留まる者もまた多く、常に賑わいを見せる大都市――その裏道を、一人の男が必死の形相で走っていた。

「はぁっ、はぁっ……

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勝手にルーンナイツストーリー 『灰よりふたたび』

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『ザイに吹く風』へ

 ため息が出る。
 キャンバスを前に、朝から座り続けていたが、いっこうに筆が動く気配はなかった。
 まっさらな、乾いた布地。
 まるで私の心のようだ――ティルダは口許に自嘲の笑みを浮かべた。
 布地ごしに見えるのは、失った輝き。
 いまはもう手の届かない、愛した獣たちと過ごした日々。
 あの頃は、なにもかもが美しいと思えていたのに。

 おなじ姿勢を

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勝手にルーンナイツストーリー 『ザイに吹く風』

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『黒血の拳』へ

 黒い点――列を成し、地面を這いまわっている。
 広場の石畳が尽きる土の上を。
 陽に灼かれても。風に吹かれても。
 飽くことなく。倦むことなく。
 なにかに突き動かされるように、この生き物――アリたちは、ただひたすらに進み続ける。
 屈んで眺めていたルドは、なんとはなしに、石を手に取った。
 子供の手のひらには収まりきらないほどの大きな石だ。
 それを

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勝手にルーンナイツストーリー 『黒血の拳』

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プレイ日記 第12話へ

 十数年ぶりに訪れた故郷の村は、記憶にあったそれよりも、はるかに小さく、侘しく、煤けて見えた。
 帰ってみようと思ったのは、ほんの気まぐれだった。
 任務で傷を負い、静養するよう言い渡され、するべきことも特になかったせいでもある。

「おお、おお! よくぞお越しくださいました――いえ、お戻りになりましたというべきですな、ラーゴ殿」

 出迎えてく

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『ルーナジア戦記』プレイ日記 第12話・共和国よ永遠なれ

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 ルーナジア歴782年、第19の節――
 ガイ・ムール共和国により、大陸はひとつとなった。
 統一後、ただちに平穏が訪れたかと問われれば“否”であり、史書に記されぬ戦いもまた存在したが、それはまた別の機会に語られよう。
 これまで一人の英傑の軌跡を追うという試みを続けてきたが、ひとつの区切りに達したとして、ここに筆を置く。
 せめてもの慰みに、かの戦乱にて華々しき勲をたてし

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『ルーナジア戦記』プレイ日記 第11話・ルド様と兵法

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 782年、ガレスト。
 ガイ・ムール共和国の主力が各戦線に赴き、手薄となった隙を衝いて、この地をマナ・サリージア法王国軍が急襲した。
 総大将は法王ルド。副将はその側近カイルに大神官ギリアム。
 法王国の三巨頭による、絶対の布陣といってよい。
 対する共和国軍守備隊を率いるのは、コンラート、ユイリ、カーラの三騎士だった。

「フン、ぬるい。所詮はモハナ派の三流騎士どもよ」

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『ルーナジア戦記』プレイ日記 第9話・捨てモンス

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 ルーナジア歴782年、第7の節。
 シノビ国、グスタファ神聖帝国を立て続けに滅亡させ、エルザはその後処理に追われていた。
 ようやく仕事が一段落し、庭で休憩していると、シュガーが足早に近づいてきた。
 執務室には誰も入れるなと厳命していたので、このタイミングを見計らっていたのだろう。

「エルザお姉ちゃん。この子、探索中に拾ったんだけど飼ってもいい?」

 彼女は、一頭の

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『ルーナジア戦記』プレイ日記 第8話・白龍の泉

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 シノビ国の領地は総面積の半分以上を森が占め、鬱蒼とした樹々それ自体が壁となって侵入者を阻んでいる。
 その最奥――メザの地には、神秘の水が滾々と湧きい出でる泉があるという。

「ここが白だ……じゃなくて白龍の泉……」

 シノビ族との激戦を潜り抜け、ついにこの地に辿り着いたエルザはその美しさに打たれていた。

「ここに浸かると赤ちゃんができるって本当?」

 シュガーが泉

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『ルーナジア戦記』プレイ日記 第7話・シノビの歴史

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「ふむふむ。なるほど~」

 ノーザリアに勝利したエルザ隊の面々は、次なる敵シノビ国との戦いに備え、その歴史を学んでいた。

「要するに、シノビの人たちは、酷いDVにブチ切れて男の人を追い出したんだね」
「ざっくりまとめると、まあ……そんな感じね」

 シュガーの言葉に、エルザはうなずいた。
 十三歳の少女に、醜い大人の世界を見せるようで抵抗もあったが、それを言い出したら、

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『ルーナジア戦記』プレイ日記 第6話・ノーザリオ滅亡

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 ルーナジア歴781年、第17の節、ノーザリオ王国は大陸の歴史からその名を消した。
 王子ルビーノ四世以下、多くの騎士はいずこかへ姿を消したが、様々な思惑の許、ガイ・ムールへの再仕官を望む者もいた。

「私はレオノラ。ノーザリオの紡績担当です」

 その若い女魔法師は、専門の紡績技術を継承していきたいのだと語った。
 祖国を滅ぼした国に仕えようとも、自分の生き方は曲げない。

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