あしげい2023をそれぞれの眼差しから振り返る(川村芽惟・高木唯)
8/19(日)に閉幕を迎えた『葦の芸術原野祭2023』。
あしげいとはなんだったのか、それぞれにとって何が起き、いまの時間へと続いているのか。この連載では、実行委員・参加作家それぞれの眼差しから、あしげい2023を振り返っていきます。
川村芽惟
こんにちは。川村芽惟と申します。
葦の芸術原野祭を仲間たちとはじめて3年目、今年もわっと詰まっていて濃厚な日々。そのなかで、人びとの動く力が確実に風や波を起こしていたように思います。本当に、ありがとうございました。
3年目にして、芸術とはなんだろうと思います。続けるほどに感覚は良くなっていくし、説明できる言葉は失っている気がします。あしげいはいくつもの表現の場で、原っぱであることは間違いなさそうです。鮮烈に覚えているのは、「おもいでうろうろプロジェクト」に持ち込まれた、Yさんの思い出エピソードを綴る鉛筆の運び。おはなししゃぼん玉のみなさんが子どもだった時のお話、その表現力。霧雨が降るなか『セザンヌの斜里岳』を見るお客さんの眼差し。この町で生まれ育ったよしこさんの、愛憎(?)に溢れた斜里ラップ。を、何度も練習している姿。
ささやかなように見えてでまっすぐで、よく届く声、その場と向き合う姿勢や、もがきながら捻り出したもの、どれも心にすっと刺さる、すごく剥き出しで本物の表現に触れ続けていました。
あしげいをできて良かった、と、今年も思っています。あしげいは私にとって、仲間から、はじめて出会う人から、力も刺激ももらって、自分自身の課題とも向き合える特別な時間です。
日々を暮らしながら、掴み取りながら、磨き、少しずつでも引き受けて表現することをしていきたいです。必ずまた会いましょう。
高木唯
高木唯です。今年初めて実行委員として参加させていただきました。
アーティストでもなく、芸術的な感性がおそらく人より低いのでそれでも良いのか不安がありましたが、客観的な視点が欲しいのでぜひと言っていただけたのでちゃっかり。
初めての年、私はUターンしてきた年で、1度だけ行きました。
普段は入れない建物に入ることができる、知り合いではないけど名前はよく聞く若者がやっているアートイベント、という情報しか持たず、サーフィンをしたあとのボサボサ頭で。暑い日でした。
「外から来たアーティストたちの作品展」だと思っていたのに、入ってみると地域のみんなの思い出と、外の人のはずのみんなの作品が調和していて、なんだこれは!
海に入った疲れと、慣れない暑さと、予想外の空間で頭がぼーっとしました。
去年は、何度も何度も通いました。
行くたびに増えたり、動いていたりして何度行っても新鮮でした。
黒木さんと坂藤さんに描いてもらった「inter/view」の似顔絵は額に入れて飾っています。
最終日に観た「葦の波」
正直に言うと、知っている人が出ているからというだけの理由でした。
だけど本当に観て良かったです。薄っぺらい言葉しか出てこないのがもどかしいけど、すごかった。揺さぶられました。また観たいと思いました。
今年は実行委員としての参加でしたが、一般客としても十分に楽しませていただきました。
実行委員としては個人的な反省も心残りもたくさんありますが。。関わらせてもらってとにかく感謝の一言です。
昨年は葦の波しか観なかった公演も、今年はたくさん観ました。コンプリートはできずでしたが、それはまた来年。
どれも印象的で、それぞれ違う色の感情があるけど、やっぱり葦の波part2が特に印象深いです。
去年より仲良くなれたから、そして嬉しい演出があったからかな!
私は地元出身ですが、ウトロ育ちのせいもあり、旧庁舎にそれほど強い思い入れは持っていません。特別な思い出もなく、旧図書館時代に何度か行った記憶がある程度です。
私のように現役時代を知っていても特別な感情がない人、行ったことがなかった若い世代の人たちには葦芸が思い出になっていきます。
葦芸で集まる皆さんが、地域の人と積極的に交流し、大切にしてくれることで気付かされたことがたくさんあります。
ここに残る私は、来年もその先も葦芸を開催したい、斜里に行きたいと思ってもらえるまちを続けていけるといいな。
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会期中大好評だった「あしげい手ぬぐい」のほか、今年の新グッズ「あしげいTシャツ」、「ステッカー」など多数の商品を取り扱っております!
葦の芸術原野祭は、有志による継続的な開催を目指しております。グッズの売り上げ・カンパは大切な継続資金となります。会期は終わってしまいましたが、グッズの購入でご支援いただけますと幸いです!
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