10日目
9日目 ⇦前回
メキシコ人たちと一緒に朝ごはんを食べて、バス停まで見送ってお別れした。そのままバスに乗ってどこかに行こうかとしたが、どこに行けばいいのかも良くわからなかった。
そのまま街をぶらついたいたが、昨日ゴンパ(お寺)に行って感動したのを思い出し、ティクセ・ゴンパというお寺にバスで行くことにした。
ティクセに着いたら教えてもらおうと思い、隣のおばちゃんに「ティクセ!ティクセ!」とアピールした。しかしおばちゃんが教えてくれることなく、終点に着いてしまった。なんでやねんと思いつつ、車掌にティクセまで折り返したいと伝えると、「あのバスに乗りな」と教えてくれた。ティクセに行くには、ここで乗り換えてさらに進む必要があったらしい。おばあちゃんが何も言わないのも納得であった。
ティクセは山の上にある街だった。頂上にはゴンパがある。
バスは街の手前で停まった。降りるのは私一人だけだった。頂上のゴンパまで歩いて登る必要があったが、標高が高いせいでかなりキツかった。階段に座って休憩していると、お坊さんが通りがかって、「ジュレー(この地方のコンニチハ)」と声をかけてもらった。素敵な瞬間だった。
ゴンパまで登り切ると、たくさんの欧米人がいた。どうやら観光タクシー的なもので、ゴンパの横まで車で登って来られるみたいだった。お金を出したらラクにここまでこれたかもしれないが、ここに来るまでの楽しいアレコレは絶対に味わえない。「人生、お金が全てじゃないぜ」と思いつつ、さっきのところまで降りて路線バスを待った。
このへんのバスははっきりとしたバス停はなくて、バスが来たら合図をして停めるシステムだった。しかし通るのは黒い排気ガスを出す大型トラックばかりで、バスはなかなか来なかった。近くに住んでるらしきおばちゃんに、「バスは来るのか」と尋ねると、「いいからここで待ちなさい」と言っているようだった。
あまりにバスが来ないので、ヒッチしようとトラックにも手を振ってみたが、全て失敗に終わった。標高4000メートル近くの強い日差しの中、2時間以上待った。結構キツかったが、奥田民生のイージュー★ライダーを聴きながら、「退屈なら、それもまたグ〜」と自分に言い聞かせていた。観光タクシーじゃ、こんな経験できないもんね。
ようやくバスが来て、運転手の隣にスペースに潜り込んだ。車内は爆音でヒンディーミュージックが流れていて、バスは爆速で走っていて、景色は最高だった。
レーに着いてカフェで休憩した後、サンティー・ストゥーパへ行った。建物は綺麗で、空は青くて、高台からレーの街がよく見えた。とても気持ちの良い場所だった。
夜、街をぶらついていると例のスペイン人と遭遇した。彼もひとりで暇をしているようだったので、ふたりでお茶をした。そよ風が通るお洒落なカフェで、これまでの旅のこと、これからのことを話した。楽しかった。
宿に戻ると、今度はオーナーとたくさん話すことになった。レーやラダック地方のこと、チベット仏教のこと、旅人のことなど、1時間くらいずっと話していた。こんなに英語が喋れるなんて、自分でもビックリだった。
続き⇨ 11日目
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?