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南京留学日記

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大学時代、多感な21歳〜22歳を南京で過ごしました。当時の日記を少しずつ転載していきます。
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2024年7月の記事一覧

ついに宿舎を出てマンションへ

西安旅行から帰った後、最初に取り掛かったのは引っ越しでした。 南京に来てから1ヶ月が経ち、中国での生活にもだいぶ慣れてきた頃だったので、マンションの契約は学校では学べない貴重な経験となりました。 不動産探しのプロセス学生が中国でマンションを借りることは、一見するとハードルが高そうに思えますが、実際には意外とシンプルです。プロの不動産屋さんがしっかりサポートしてくれるため、わからないことがあれば気軽に質問できます。もし対応に不満があれば、別の不動産屋に行けばよいだけです。

留学生同士で話す中国語

宿舎で暮らすと、たとえ相部屋でなくても、四六時中留学生同士で生活を共にすることになります。皆同じように異国からやって来た同年代ですので、共通点が多く、毎日顔を合わせるうちに自然と打ち解け、次第に深い話をする仲になることもあります。 その際に使う言葉は、覚えたての中国語です。 ネイティブとの会話より非ネイティブとの会話が増える、そんな状況で生まれるのが、限定的なコミュニティでしか通じない「留学生中国語」です。 日本人女性が1人もいない留学生宿舎 南京に来て10日が経ち、宿

「私たちは友達」

酷暑の南京で 南京は、武漢や重慶とともに中国の「三大かまど」の一つに数えられ、夏には40度を超える日々が当たり前です。私の宿舎にはクーラーも冷蔵庫もなく、天井のファンが回っていても暑さをしのげません。 この炎天下で受け入れられない習慣は、冷たい飲み物がどこにも売っていないことです。中国では冷たい飲み物を嫌うため、ペットボトル飲料が常温で並んでいます。コーラやファンタ、セブンアップなど、街中のスタンドには蛍光色の飲み物が陽光にギラギラと輝いています。 滞在先の中医薬大学の

みんな、このトリに夢中です

南京に来てからお世話になっている、中医薬大学のH教授の息子さん、テン君がランチに南京のおいしいものをご馳走してくれると言ってくれました。 ありがたいことです。 こちらに来て一番困っているのは、実は食事。 味覚が合わないとか、不衛生だとか、そんなことではなく、南京には基本的に一人客を前提とした飲食店が少ないのです。 上海や北京は事情が違うようですが、南京には個食文化が根付いていません。レストランや食堂で出てくる料理は、数人でシェアすることが前提の大皿料理ばかり。テイクアウ

アパート契約まで、1ヶ月間滞在した学生宿舎

南京大学の外国人学生用の宿舎「西苑」は、20階建ての建物です。 (南京市上海路金銀街20号) 部屋の種類 部屋のタイプは以下の3種類があります。 1. トイレとシャワーの共用シングル 2. ツインルーム 3. トイレとシャワー付きのシングル 男女別にフロアが分かれており、それぞれのフロアには共用のコンロと冷蔵庫があります。設備は非常に小さいため、ほとんどの学生は自炊をせずに外で食事をすることが多いです。 私はトイレとシャワー共用のツインルーム(1日8ドル)を選びまし

もう騙されない

「不要」(いりません)もう絶対に騙されるまい。 上海から南京への列車の中で、ずっと考えていました。 これからは何か余計な接触がある前に、すかさず言おう。そう心に決め、頭の中で呪文のように唱えました。 ちなみに「不用(プゥヨン)」という言い方もありますが、「いらんわ」みたいなちょっとぶっきらぼうなニュアンスになります。 20時ごろ、南京に到着案の定、列車の出口には荷物運びのおじさんやお兄さんたちが降りる乗客に群がってきました。 「もう油断すまい」 初めて訪れた上海駅で痛い

上海発、南京行き――驚きと教訓の3時間旅

巨大な上海駅空港から上海駅まではタクシーで約1時間。 近代的なビル群を抜け、百貨店やホテルが立ち並ぶ繁華街に入っていくタクシー。ぎっしり並んだタクシーの列と誘導係の大声には驚かされました。 私のように大荷物を抱えた客がタクシーからエスカレーターへと誘導されていきます。エスカレーターを上った先には上海駅前広場が広がっており、人、人、人の群れ。まるでお祭りのような賑わいだけど、その日はまだ平日で、これが週末や祝日、正月になるとどんな状況になるのだろう、と想像せずにはいられません

未知なる南京へ——インターネット黎明期のサバイバル準備

2003年、インターネットがまだ黎明期で、情報の海は今ほど豊かではありませんでした。 私は大学の単位交換留学制度を利用し、9月からの約4ヶ月間を、江蘇省南京市の南京大学で学ぶことが決まっていました。でも、そこでの生活に関する情報はほとんど得る手段がない状況でした。 南京がどんな場所なのか? 持って行くべきものは何なのか? 手に入る情報は圧倒的に不足していました。 あちこちの書店を巡り、有益な情報を探し求めましたが、一番まともな情報源は『地球の歩き方』くらいで、その南京市の