永谷あさげ

小説や短歌を作っていました。 Twitter @asg_hashibo

永谷あさげ

小説や短歌を作っていました。 Twitter @asg_hashibo

最近の記事

あさげの年頭所感

あけましておめでとうございます。 一年の計は元旦にあり。 ということで、今年の抱負など綴っておこうかと思います。 と言っても、僕は計画通りに物事を遂行するのが苦手な性格なので、具体的な目標というのは特にありません。 そういうわけで、多少、抽象的な話になってしまいますが、よければお付き合いください。 まず、2020年をざっと振り返ってみると、〝整頓〟の一年になったなぁと感じます。 今の家に引っ越してきて2年ほど経つのですが、去年の夏ごろまで、学生時代に買い込んだ大量の本

    • もう年の瀬、小説は書けなかった。けれど、使命は見つかった。

      夏ごろ、こういう日記を書いた。 久しぶりに読み返して思ったのは、この頃の僕はとにかく創ることに対して焦りがあって、余裕が無かったんだなぁということ。 あのあと、何本もプロットを書こうとして、全部ボツにした。 そうやって言葉にしてしまうと、ものすごく無為な出来事のように思えるだろうけど、僕の中では絶望的な状況だった。 15歳のときに初めて小説を一本完成させて、高校の文芸部に入部して、それからというもの、「俺は小説をかける人間だ。」というアイデンティティだけが自分の救いに

      • 今日も「ことば」のことばかり考えていた。

        いつにもまして雑記です。そういう気分だったので。 ●丸1年、短歌で遊んでたなぁ 年の瀬を迎えようとしている。 去年の今時期は、ユニットという形ではなく不定期で「短歌バトル」なる遊びに興じていて、それが現在のような形に発展していくなんて考えてもみなかった。それは、「短歌バトル」に参加していた他のメンバーにとっても同じではないかと思う。 自分にとっては、短歌を作ることの意味と、歌会をやることの意味って全然別のところにあるんだけど、みんなはどうなんだろう。最近、はしぼう歌会はすご

        • 詠みにくいテーマについて ~はしぼう歌会(10月~11月)ふりかえり~

          あさげです。 歌会のふりかえりをしていきましょう。 『未練とかじゃなく』(お題【後】) 初めてをあげるときみが言ったとき最後をくれと頼んでおけば 後ろからする日は競技 ルールとかは無いけど一度も勝てなかったな 後悔っていうか、やり足りないだけだ 脳がバグるまで言い聞かせるよ 『平和の国で冬を迎える』(お題【家】) ええ、まさにアットホームな職場です ママ アニキ 犬 床下の蟻 山岡家のサービス券で食う餃子だけが〝約束された幸福〟 僕たちも100万のうち1ドルの窓灯り 夜は

        あさげの年頭所感

          題詠について思うこと ~はしぼう歌会(9/18・10/2)ふりかえり~

          お久しぶりです、あさげです。 しばらく投稿をサボってしまいましたが、これからまた書くようにしていきたいです。 この1ヶ月ちょっとの間に、はしぼう歌会も色々と変化がありました。 いちばん大きいところでは、自由詠ではなく題詠に取り組むようになったという点でしょうか。 『道ならざればけものみち』(お題【獣】) 李徴子の詩篇をノートに写す夜 鉛筆削りのナイフは冴える 狂というごく侮蔑的な一文字を綴るその手の内にも犭(けもの) 誰しもが道ならざれば藪の中 ローマを逸れて踏むけもの

          題詠について思うこと ~はしぼう歌会(9/18・10/2)ふりかえり~

          自分がどう生きたいかなんて誰もわからない。で、どうする?

          時には人生の話を。 27の誕生日を目前にし、友人と人生観について語ることが多くなってきた。 みんな、学生の頃とは異なる種の悩みを抱え、壁にぶつかり、中年に向かっていくけもの道の只中で躓いている。 で、一通り愚痴をこぼし合ったあとに必ず誰かが言い出すのが、 「まあ、最後は自分がどう生きたいかだよな」 というような一言だ。 僕自身、十代の後半くらいからそういう意識は常にあった。 ちょうどそれくらいの時期から、同世代の友人と趣味の話がしづらくなったからだろう。それまでは、本にし

          自分がどう生きたいかなんて誰もわからない。で、どうする?

          言葉の値打ちを決めるもの ~はしぼう歌会(7/31)ふりかえり~

          歌会のふりかえりです。 『二人して調べてないけど旅に出る』 今だけは旅人である心象を高らかに歌えストローハット 帰らずに住んだ場合のことなどを話していよう、つぎの駅まで 未来などなくてもふたりは大丈夫 泉の澄みに硬貨を投げて 今回のテーマは「旅」でした。 僕はいわゆる「百合漫画」というものを愛好してよく読んでいるのですが、ここで描いている旅というのも、なんとなく社会に収まりきれずにいる(ある意味ア・モラルな)ふたりの逃避行をイメージしています。 他のメンバーの感想として

          言葉の値打ちを決めるもの ~はしぼう歌会(7/31)ふりかえり~

          いわば、言い切る力 ~はしぼう歌会(7/17)ふりかえり~

          すこし期間が空いてしまいましたが、歌会のふりかえりです。 『夏の迷子』 Googleがピンを立てないあちこちに忘れられないそよ風がある あの夏のリレー小説の結末を探して今日も迷子になった 片耳で聴いてた曲が多すぎて一人の夜はまだ騒がしい 今作のテーマは「ノスタルジー」です。(定期) ただ、ここまでハッキリと人間の追憶を描いたことはなかったので、読む側からすると「いつものあさげだな」という感じなのだろうけれど、作ってる方はわりと新鮮な気持ちでもありました。 今回、作歌に際

          いわば、言い切る力 ~はしぼう歌会(7/17)ふりかえり~

          具体から抽象へ向かう旅 ~はしぼう歌会(7/3)ふりかえり~

          さて、歌会のふりかえりです。 僕自身の結果は3位と振るわず。 ただ、前回から連続でMVPを貰いました。これは素直に嬉しいですね。 優勝は糸間ケント(@kitoma_grzr14)君。今回は復冠にふさわしい三首を並べてきた印象だったので、悔しいけど納得の結果。 ただ、優勝・MVPこそ獲らなかったものの、僕個人として非常に感心させられた一首があったので、その歌を鑑賞してみようかと思います。 閉めきったカーテンから聞く海町は羊水越しの母の歌声 /メグナツメ(@sln_e)

          具体から抽象へ向かう旅 ~はしぼう歌会(7/3)ふりかえり~

          いま、永谷あさげは何を作ろうとしているのか。

          はしにもぼうにもを結成し、同時に、ツイッターに短歌を投稿するという活動を始め、まもなく100日目(7/6がその日だ)を迎えようとしている。 この節目を迎えるにあたり、僕は3月29日から続けてきた「一日一首」の活動に区切りを付けることにした。 考えは様々あるが、いま「一日一首」の投稿にかけている労力を〝もっと別の活動〟に費やしたいというのが最大の理由だ。 それでは、別の活動とは何を指すのか。 端的にいえば、サークル誌(文芸誌)の制作に向かうための準備ということになる。 現

          いま、永谷あさげは何を作ろうとしているのか。

          はしぼう歌会(6/26)ふりかえり

          前回の歌会のふりかえりです。 「いやだ」ってちゃんと言葉にしないから私なんかに買われて、枯れて この歌で、初めてMVPを受賞しました。 最近、はしぼうの中でホットワードになっているのが「コスパ」という言葉です。 みそひともじ(31音)の中で、いかにして音数を食わずに効果的な表現ができるか、くらいの意味だと僕は捉えています。 先に引用した僕の歌も、五句目「買われて、枯れて」のコスパの良さを褒める声がありました。 ただ、僕としてはこの下の句がちゃんと〝詩〟になっているのは

          はしぼう歌会(6/26)ふりかえり

          憂鬱な春、小説の筆を折り短歌をはじめた。けれど、その先にも小説があった。

          こうして「はしにもぼうにも」の一人として短歌をつくり始める前、 僕は小説を書いていた。 それは、ジャンルでいえば「ショートショート」に類するもので、気が向いたときに半日くらいで書き上げてツイッターに投稿する、ということを1ヶ月ほどやっていた。 まだ今の仕事に慣れていなかったのと、ネタを思いつくまでに時間がかかるので投稿ペースはかなり遅かった。 それでも、長く続けていけばフォロワーも増え、まあまあ存在感のあるアカウントになれるんじゃないかとも感じていたのだが、社会全体が流行り

          憂鬱な春、小説の筆を折り短歌をはじめた。けれど、その先にも小説があった。

          はしぼう歌会(6/12)ふりかえり

          すこし日にちが空いてしまいましたが、前回の歌会のふりかえりなど書いておこうかと思います。 ちなみに、それぞれの提出歌はこんな感じでした。 どうしても涅槃エルボー喰らいたいらしいな 俺のオリジナル技の /糸間ケント あいの風 あのリフがくる あのリフが それにおくれてあざみと夢と /あいちゃん 埋(うず)もれたメトロポリスの圏外に闇が光が愛が願いが /メグナツメ せせらぎが今日の終りを映すからロングトーンは微かに揺れる /永谷あさげ 最近のはしぼうは自由詠に挑戦して

          はしぼう歌会(6/12)ふりかえり

          自己紹介。

          はじめまして。 永谷あさげ といいます。 現在、「はしにもぼうにも」(愛称「はしぼう」)というすこし気弱な名前のユニットで短歌を作ったりしています。 と言っても、短歌の存在を知ったのがつい2年ほど前、自分でも作るようになったのが1年前、すこし身を入れて勉強するようになったのがここ3ヶ月くらいのことなので、まだひよっこです。 ちなみに、心の師と思っている方々はこんな感じ。 ・野口あや子(『くびすじの欠片』は短歌にハマったきっかけの1冊) ・谷川電話(短歌はおもしろくていいん

          自己紹介。