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はしぼう歌会(6/12)ふりかえり

すこし日にちが空いてしまいましたが、前回の歌会のふりかえりなど書いておこうかと思います。

ちなみに、それぞれの提出歌はこんな感じでした。

どうしても涅槃エルボー喰らいたいらしいな 俺のオリジナル技の
/糸間ケント
あいの風
あのリフがくる
あのリフが
それにおくれてあざみと夢と
/あいちゃん
埋(うず)もれたメトロポリスの圏外に闇が光が愛が願いが
/メグナツメ
せせらぎが今日の終りを映すからロングトーンは微かに揺れる
/永谷あさげ

最近のはしぼうは自由詠に挑戦しているのですが、題詠でやっていた頃よりも読む側の力量が問われていると感じる場面が多いです。
正直、僕自身は、今回みんなが出してくれた歌の魅力を充分に受け止めきれませんでした。作者からの説明を聞いて、ようやく合点がいくような感じですね。解釈を自ら生み出すことができなかった。

一方、自分が出した歌も弱さが目立ったように思います。
他のメンバーからは「日記を読んでいるようで味気ない」「歌に詠まれているその人の顔が見えない」等の感想をもらいました。
これは言われてみるとその通りだなぁと感じますね。

考えてみれば、短歌がいちばん輝く瞬間って、誰の目から見ても詩的な風景をスケッチみたいに描くような場面じゃないと思うんです。
そういうのはたぶん、俳句の方が向いている気がする。
言葉にしなければ誰からも忘れられてしまうような日常の一コマを〝言葉の力〟で忘れられないハイライトにしてしまう。
それが短歌の魅力なんじゃないか、と。

そういう視点に立つと、優勝したあいちゃんの歌には〝言葉の力〟を信じる強さがあったように感じられます。
僕ももっとことばを信頼しよう。ことばに心を預けてみよう。

次回も実りある歌会になりますように。

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