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ボドゲ日記#2「競争力の源泉」

こんにちは、岸です。
前回に引き続き、ボードゲームのビジネスモデルについてあれこれ考えていることを綴っていきます。

まず、自分がビジネスモデルについて考えるうえで重要と思っているポイントが2つありまして、「動機の深堀」と「競争力の出し方」です。

動機の深堀

そもそも私がボードゲームに携わる仕事がしたいなあと思ったのは、MBAの友達とわいわいボードゲームをプレイしているときでした。
まだ留学が始まって間もないころ、ネイティブスピーカーの友達が話す会話のスピードについていけず、あれこれ苦戦をしていたころ、友人宅に招かれてお酒を飲みながらボードゲームをする流れに。

普通の会話では自分が日本語でできるようなスムーズな会話はできないにもかかわらず、ボードゲームの中では同じルールに従って、同じ盤面で言葉を超えた会話ができ、そして国境を越えた熱狂がありました。

協力する場面ではお互いのプレイがかみ合ってハイタッチ、競争する場面ではお互いの妨害をしあって大騒ぎ。

気の知れた仲間や友達でなくても、ボードゲームを通して仲良くなる、素敵な交流が生まれる瞬間が好きなのだと思います。

そうした経験をより多くの人に広める仕事を自分ができたとしたら、人生とても楽しいだろうな、というのが私の動機でした。

この動機について少し踏み込んで考えると、私は「ボードゲームに関係する仕事がしたい」のではなく、「ボードゲームというツールを用いて、素敵な交流を生む仕事がしたい」なのかもしれません。

自分がビデオゲームではなくボードゲームに惹かれたのは、ボードゲームを通して直接的に一緒にプレイした人との会話や、振り返りが楽しいからだと思います。(ビデオゲームも大好きですが、その中でもやはり主に他の人と一緒に楽しむ系のゲームの方を好む傾向があると思います)

今後ルドルフの仕事を考えていくにあたって、方向性をピボットしていかなければいけない局面は何度も訪れると思いますが、そのたびに初心に立ち返って、自分のやってみたいことの動機に戻ってくることが大事だと思っています。

もともと自分がやってみたいことはなんだったのか?今の仕事は本当に自分が成し遂げたいことだったのか?を常に判断基準としてもっておけるよう、動機の深堀はいつも頭においておこうと思います。

もちろん、今後新たな気づきの中で、また自分が本当は「ボードゲームを通して素敵な交流を生む仕事がしたい」のではないと気づくことがあるかもしれません。それは逐一自分の動機について思考をめぐらした結果であり、その時は素直にその結果にしたがって、自分の動機をさらに深いところへ更新できてラッキーと考えることになると思います。

競争力の源泉


動機の明確化と同じ、もしくはそれ以上に重要なものと考えられるのが、「何を競争力としたビジネスをするか」だと思っています。

「今この市場がねらい目だから」とか、「調査の結果、利益が出せそう」といった情報に基づいてビジネスを行っていくのはもちろん間違っていないと思いますし、新規ビジネスをやるうえでとても重要だと思います。

しかし、同じかそれ以上くらいに大事なのは、「なぜそのビジネスをやるのが自分じゃなきゃだめなのか」という点です。
なぜなら、自分以外の人でもできることなら今はだれもやっていなかったビジネスでも誰かに簡単に模倣されて、自分のビジネスが駆逐されてしまう可能性が高いからです。

そこで他の人に真似されない、参入障壁の高いビジネスをやるには、自分にしかない競争力をどれだけ生かした形になっているのかが重要となってきます。

参入障壁の作り方として個人的に考えている類型は、

①自分の持つ得意スキルを活かしている
②何かと何かの掛け合わせの知識が必要
③規制などで先行者が守られている

などかと思っています。

①は純粋にその道のプロになればその知識や技術を生かしたビジネスができるということです。寿司屋の板前さんなどは長い年月をかけて修行を積み、普通の人では簡単に真似できないスキルを習得しているので、あとから参入する人の層が限られてきている職業です。

②は、そこまでプロフェッショナルとならなくとも、知識や技術を掛け合わせると模倣しづらくなるということを指しています。テニスプレイヤーとして世界1位になったことがなくとも、テニスの技術とそれを教える技術が組み合わさってテニスのレッスンプロがいますし、例えば猫カフェや爬虫類カフェもカフェと動物との触れ合いを掛け合わせて他社との差別化を図っていると思います。

③は物理的に先行者を守るような規制があったり、先行者がいる中で規制が厳しくなり新規参入が難しくなるようなケースがあり、この場合はとてもラッキーです。ただし自分の力でどうにかなるようなものではありません。

以上をふまえると、新参者かつ初心者の私がボードゲームを使って何かをやりたい場合は、ボードゲーム×○○といった価値の複合を提供できないかを検討する必要があるという結論に至ります。

というところで、今回の日記は終わります。
次回テーマは、「考えるだけじゃなく動け」(仮称)でお送りする予定です。
いつもご愛読いただきましてありがとうございます。
引き続きよろしくお願いいたします。

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