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ASE-Lab.オープンスクール STEAM-Sat&衛星データ解析体験会 -前編-


9月30日(土)にASE-Lab.オープンスクール『STEAM-Sat&衛星データ解析体験会』が宇宙の店にて行われました!

イベントレポート前編は、STEAM-Sat開発体験会の様子をお届けします!



⭐️ASE-Lab.オープンスクール全体企画概要


普段から、宇宙分野をテーマに様々な分野で自主ゼミと呼ばれる勉強会を行っているASE-Lab.(エースラボ)
これまで扱われてきたテーマは宇宙工学や天文学から、宇宙ビジネス、宇宙法,宇宙農業など様々な分野に及びます。

これまで学んできた知識や経験を一般の皆様に体験していただくべく,私たちASE-Lab.は公開型企画「ASE-Lab.オープンスクール」をスタートしました!

今回実施したのは人工衛星の組立て・運用を体験するSTEAM-Sat開発体験会と,人工衛星から得られたデータを解析する衛星データ解析を前後編に分けて実施しました!

衛星開発体験と衛星データ解析を行うことで、衛星の開発から利用まで,様々な立場からの宇宙開発との関わり方を知ることができる一貫型の体験会です!


⭐️STEAM-Satって何?

 STEAM-Satは、気軽に人工衛星開発を体験できる、宇宙教育キットです。🛰️
 普段、帝京大学で人工衛星を開発している「宇宙システム研究会」の学生がSTEAM-Satを作っているので、実際の衛星開発をより簡単に学ぶことができます。


こちらがSTEAM-Satキットです。実際の衛星の1Uという規格に沿って作っています!


1Uとは…?
10cm立法の人工衛星の規格です。CubeSat規格として、様々な大学や企業で開発されています。


体験会では、人工衛星とは何か、人工衛星がなぜ開発されるのか、どのような手順で開発されるのか、どんな機能が必要なのかを、帝京大学で実際に人工衛星を開発しているメンバーが説明を行いました。

受講者の皆様には、実際に手を動かして、STEAM-Satを組み立てたり、PCを使ってコマンド(命令)を送るといった運用を体験してもらいました。



⭐️STEAM-Sat開発・運用体験を行ってみよう!


人工衛星とは?

まず初めに、人工衛星とはどんなものかを「準天頂軌道衛星みちびき」「気象観測衛星ひまわり」を例に紹介した後に、人工衛星にはミッション(目的)があることを紹介しました。

その後、人工衛星の開発手順について紹介して今回行ってもらうのは衛星開発のどの部分なのかを知ってもらいました。


人工衛星についての説明の様子


続いて、人工衛星に必要な機能について説明しました。


まず初めに、人工衛星の構造について説明しました。人工衛星はロケットにより打ち上げられる時に大きな音(振動)🔈力💪が加わります。

また、衛星とロケットが分離するときに衝撃が加わります。このような力や衝撃・振動に耐えるように構造を設計する必要があります。


その次に、熱設計についてお話しました。


人工衛星は地球の周りを周回するため、地球の影になるときとそうでないタイミングが生まれます。人工衛星の設計にもよりますが、太陽に当たるとき(日照)は+100℃🥵地球の影になるとき(日陰)は-100℃🥶にもなります。


このような温度範囲だと、バッテリーなどの電子機器が正常に動かなくなってしまう可能性があるため、熱を上手に逃がしたり閉じ込めたりする必要があります。


STEAM-Satの組み立ての様子


ここで組立てを行い、人工衛星の電子的な機能面の紹介をしました。


まず、電源についてです。

人工衛星は高速で地球の周りをまわっているほか高いところにあるので、地上のコンセントから電源を引っ張ってくるのは難しいので、衛星で発電をする必要があります。

そこで、人工衛星には太陽光パネルと二次電池(バッテリー)が搭載されています。STEAM-Satでは、乾電池を使っている点で衛星と異なることを説明しました。


次に通信についてです📡

通信も、電源の時とおなじようにケーブルを伸ばすわけにはいかないので、電磁波を使った無線通信を行います。

また、通信や電源のことを考えるときに、姿勢(衛星の向き)を制御してあげる必要があります。例えば、太陽光パネルは太陽を向かないと発電できませんし、アンテナ📡にも向きがあるので姿勢が重要になります。


最後に地上局📡のお話をさせていただきました。

地上局とは、衛星に命令を送ったり衛星のデータをやり取りをしたりして衛星を運用する地上の施設のこと。

運用者は、運用の計画をたてて衛星にコマンド(命令)を送信します。それに対して衛星はテレメトリ(コマンドに即したデータ)を返答します。

衛星は、衛星🛰️だけでなく地上局📡と連携して初めて機能を果たすことができます。地上局まで含めて「衛星システム」と言うことができると思います。


このような紹介をした後に、人工衛星の運用を体験してもらいました。

                後編へ続く……


⭐️最後に


今回のイベントで、初めてSTEAM-Satを使った講座をさせていただきました。

小学生から、社会人の方まで、幅広い方々に体験していただき好評をいただいて、中には「もっと高度化を」、「出張講座をしてほしい」ということまで言っていただく方もいました。本当に嬉しい限りです。このイベントに参加した皆様が、宇宙開発🛰️に興味を持っていただえたら幸いです。


参加してくださった皆さん、お手伝いいただいた学生の皆さん、ありがとうございました!

今回のイベントは『ASE-Lab.オープンスクール』という形で開催させていただきました。


ASE-Lab.は、宇宙のことについて学びたい学生が集まって、各々興味のあるトピックでゼミを開催して学習していく団体です。


今後ともこのような形で様々なイベントを開催する予定です。気になる方はぜひウェブサイトSNSなどをチェックしてみてください。



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