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男の甲斐性×稼ぐ力×降りる

 男性の男らしさを支えている自己効力感、心理学の用語で、自分に何か達成できるという自己肯定の根幹にあるのが、稼得能力だそうです。「稼得」って稼ぐ力のことです。この稼得能力が男の自己効力感の根幹であると、
※『上野千鶴子 脱病理化から「合理的配慮」へみ~んなが弱者になる時代に』引用

 やはり、男性にとっての男らしさに“どれだけお金を稼いでいるか”というのは一つの重要なステータスになっていると思います。
 資本主義を生きる以上、お金は大きなパワーになることは間違いないでしょうし、現実問題としてお金の課題を避けることは難しいかと思います。

 今回、“稼ぐ力”をテーマにした理由は、障害者雇用で勤務すると一般就労と比較して遥かに低賃金なため、社会的文脈に沿って一人のまっとうな男を目指していた当事者にとっては、元から描いていた将来設計像の変更を余儀なくされることが多く、男の甲斐性を見直す決断をせざるを得ないと感じたからです。

 障害者雇用は一般雇用と比べて、給料がビビるほど安い。アルバイトしている学生の方がよっぽど稼ぎが良い。(就労移行支援の障害者枠の40代職員は、新卒の初任給より全然安いと話していた。)
※他の方のnoteを一部引用させてもらいました。

 この給料がビビるほど安いというのは、おそらく昭和、平成生まれが思い描いていた「昭和の人生すごろく」計画のコンプリートから降りる必要があるかもしれません。

昭和の人生すごろく

 例えば、高年収、マイホーム、マイカー、結婚(状況次第だが、一家の稼ぎ頭として教育費、住居費、生活費を獲得する役割)などを諦めざる得ない側面が出てくるかと思います。

 そのため、「どういう自分であり、生きていくのか」を考え直す、いわば自己像の再定義が必要になるかと思います。幸せの在り方を考え直すとも言えるでしょう。それは、これまでを振り返りながら自分で考え、行動を主体的に選ぶ過程が必要で、ある意味では生まれ変わりに近いのかもしれません。

 ちなみに僕の場合は、障害があることを知り、これまで何度か繰り返してきた不適応を踏まえ(実は年収も一般のOT職と比べると低いです^^;)、男の甲斐性という理想像を追うことから降り、それを捨てました。

 そのおかげか、抑圧していた気持ちが解放され、自由になれた気分です。生きやすくなったという意味では、障害受容を契機に「男の甲斐性」を断捨離することができ、結果的には良かったのではと感じるようになりました。

 今回は以上となります。最後まで読んで頂きありがとうございます^^

もし、サポートしたいと思っても、そのお金はここではない他の何かに使ってください。僕の方はサポートがなくともそれなりに生活できておりますので。