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小1~高3の12年間、秋が憂鬱だったわけ

※トップの写真はWikipedia英語版「スターターピストル(Starting pistol)」の An athletic festival https://en.wikipedia.org/wiki/Starting_pistol#/media/File:Sapporo_(48107414677).jpg より一部をトリミング 

この前の土曜日に、私の記事を初めてご購入いただいた方がいらっしゃいました。誠にありがとうございます! 大変ありがたく思います。一部を有料記事にさせていただだく場合には、エビデンスやデータに沿った記事を書き、内容にご満足いただけるようなものをするように最大限努めてまいります。

さて、本日の内容は、この時期の全国の学校で行われる恒例(近年は場所によっては5月)のイベントについてです。

(14:04 11年間 → 12年間、タイトル変更しました)。

発達障害を抱える人に最も多い感覚過敏とは?

そのメカニズムはいまだ解明されていませんが、発達障害を抱えている人は、五感の過敏(感覚過敏)を持っていらっしゃる方が多いです。過敏に反応して、不快感を持ったり、メンタル面を中心に、体調を崩してしまう方も中にはいらっしゃるかもしれません。

その感覚過敏の中でもおそらく一番多いのが、音に関する「聴覚過敏」かと思います。

小学校から高校まで、毎年9月下旬~10月上旬が憂鬱だった理由

筆者の場合は小学1年だった1993年から、高校3年だった2004年までの12年間、毎年9月~10月上旬が憂鬱でした。そう、全国どこの学校でも「運動会のシンボル」でもあり、競技スタートやゴールの合図で鳴らされるスターターピストルの音です。

※2000年代以降、5月など春に開催される学校も増えています。

紙火薬を詰めて、引き金を引くと、乾いた「パーン」という音が鳴るあのピストルです。

多くの子どもたちにとって、特に修学旅行もない学年にとっては、「運動会」は一、二を競う楽しみです。また、お子さんの親御さんにとっても、学校でお子さんが頑張る姿を見られる数少ないイベントです(※残念ながら、2020年以降は例の感染症の影響により、保護者の観覧を禁止し、いわゆる「無観客」にした学校もあります)。

しかし、聴覚過敏を抱える(運動も苦手)筆者にとっては、運動会は大嫌いなイベントでした。とにかくけたたましい音なので、耳を両手で塞いで少し和らげる程度です。耳栓をしたこともありましたが、筆者にとって効果はほとんどありません。

スタートダッシュから致命的なので徒競走はビリばかり

○○m走では、スタートラインに立つとき、両手で耳を固く押さえて塞いでいるので、当然ながらスタートダッシュが出遅れます。短距離も弱いので、挽回する機会はなく、いつもビリです。

リレーであれば、走りが遅いこともあり、スターターピストルの音を走りながら聴くことがない「先頭」か「アンカー」はなんとか避けてもらっていました(アンカーは、最初の走者のゴールと最後の走者のゴールのタイミングで、2回もピストルの音を聴くことになる場合があり最悪です)。

また、両手で耳を塞ぐことができない綱引きや騎馬戦でのスターターピストルの音は最悪です。

高3の秋に、12年間の苦痛から解放

筆者は義務教育後、3年間高校に通いましたが、高校3年だった2004年9月に最後の運動会(高校時代の名称は体育祭)が終わった時、大学受験を目の前にしながらも、「小1から12年間悩まされたスターターピストルの音をもう聴かなくていい」と思ってホッとしました。

なお、筆者には子どもがいませんので、子どもの運動会を見に行き、ビデオ撮影するというシチュエーションは回避できています。

2年前ですが、こんなニュース記事がありました。

「運動会が怖い」ある女子中学生の1年間https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/starter-pistol
Kota Hatachi
by Kota Hatachi
籏智 広太 BuzzFeed News Reporter, Japan

最近でこそ、スターターピストルの音が怖い児童がいることがようやく問題提起され始め、ピストルの代わりに笛を代用している学校もあります。もちろん、聴覚過敏を持たない子どもにとって「ピストルのほうがいい」という意見が大多数でしょう。

しかし、2000年代までは知られておらず、怯えるばかりだった筆者でした。

※2021年10月29日 一部修正