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子どもたちにとって本当に必要な場づくりを。【a.school MENTORSインタビューvol.5】

本稿は、過去に公開していたa.school MENTORSインタビュー記事を再投稿するものです。(a.schoolの旧ウェブサイトに2018年5月11日掲載)

2016年6月からメンターとしてa.school MENTORS(大学生・若手社会人向け インターンシップ・プログラム)に参加し、その後も様々な場でファシリテーターとして活躍する、たっくん。
a.schoolに入って約半年間はなかなかうまく子どもたちと接することができなかったそう。そんな意外なエピソードから現状のワークショップに関する問題意識、進路選択までの話を、スタッフの青木が直撃しました!

<登場人物>

竹田琢
青山学院大学大学院社会情報学研究科社会情報学専攻修士1年。学部生時代にファシリテーションを学び、NPOでの実践を経てa.schoolに参画。

最初はしんどくて。

青木:いつa.schoolに入ったんだっけ?

たっくん:大学3年生の夏くらいですかね。単発ではなく、継続的にファシリテーションを実践できる場を求めていたので、「ワークショップ型の塾!マジで!」と嬉しくなって応募しました。あと、‶有給″インターンの言葉にも惹かれました(笑)。

青木:わかりやすい…(笑)。 実際に入ってみて、a.schoolは想像通りの場だった?

たっくん:そうですね。最初は本当にしんどくて、a.schoolの扉の前で「ふー…。」と一息ついてから教室に入っていました(笑)。 探究ラボ・ベーシッククラス(小4-6対象クラス)を担当していたんですけど、a.schoolの授業のある日は朝起きた時点から憂鬱でした。「今日a.schoolじゃん…。はあー。」と。

青木:憂鬱…!なぜそういう状況に?

たっくん:他団体で2年間積んだファシリテーションの経験が全然通用しなかったんですよね。その団体では、高校生や大学生、社会人や社員の方々にまで社会問題のワークショップをファシリテートする側で、自信満々だったんです。ただ、その団体のやり方しか知らなかったので、遊びながら、けんかしながら、それぞれ好きなことをしながら学んでいる子ども達には自分のやり方は伝わらなかった。そりゃあ、つらいですよね。

青木:そういう背景があったとは…。どうやって乗り越えたの?

たっくん:最初は先輩メンターのアプローチを真似ていたものの、メンタリングのタイプが違い、彼女のやり方は向きませんでした。そこで、講師の方に「僕のどこが駄目ですか?相談させてください。」と言ってフィードバックを求めました。

自分を見つめ直すことに。

青木:自発的に問題解決に動くところがたっくんらしい!講師からはどんなフィードバックがあったの?

たっくん:「そもそもたっくんの好きなことや、やりたいことは何?」という問いから始まりました。メンターの役割は、子どもの「好き」や「ワクワク」を観察し、見つけて伸ばしていくことです。なのに、メンターである僕自身が自分の「なぜ?」や「好き」、「ワクワク」を突き詰めて考えていなかったんです。それからは、例えば、好きなことを10個書いてくる、といった宿題を毎週やってきては講師にフィードバックをもらっていました。その過程で、ワークショップやファシリテーションをやる理由や、子どもたちとの関わり方がわかってきた感じがありました。

青木:なるほど。まずはメンターが自分自身と向き合わないことには、子ども達にも向き合えないんだね。子どもたちとの関わり方が変わったのはいつだったの?

たっくん:夏休みの単発ワークショップですね。通常の授業とは違い、「今日はリセット!新しいチャンスだ!」と思って、あんまり頑張らずに、まずは自分がワークショップを楽しもうと決めて挑みました。実際に僕自身がそのワークショップをすごく楽しみましたし、僕の様子を子どもたちが見て、刺激を受けて一緒に楽しんでくれました。確かにメンターはやることが沢山あって大変なんですけど、楽しむことが大事なんだと、身体全体で実感しました。その後は子どもたちと関わることがとても楽しくなりましたね。。

青木:大きな変化だね!a.schoolでの経験を通じて気づいたことはあった?

たっくん:そうですね。人が本来持っている可能性を伸ばしていく大切さを実感しました。それまでは「子どもは教えないとできるようにはならない」という信念を持っていました。でも、a.schoolに通う子ども達が能動的に行動している様子を見て、彼ら/彼女らのすごさに気づきました。

自分を磨いて真のファシリテーターへ。

青木:まさにa.schoolが大切にしていることだね。子どもの可能性に気づいた、たっくん自身の進路がとても気になります。今はどんな目標や夢があるのかな?

たっくん:大学院に行って勉強をし、理論と実践の両方を使えるようになりたいですね。今世の中で行われている子ども向けのワークショップは作り手側のためだけの場になっていて、受け手である子どものための場になってないという問題意識があります。その理由は、なんの理論も顧みずに、なんの根拠もないワークショップをしていることが一因かと。せっかく理論があるのだから使ったほうがいい。だから僕はちゃんと理論を理解して、ファシリテートできる人間になりたいですね。

青木:受け手の為のファシリテーションに磨きをかけていくということかあ。これからのたっくんのさらなる活躍が楽しみです。どうもありがとうございました!

⇒ a.school MENTORSインタビュー vol.6はこちら
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