寝るのがもったいない気がした。

現在、2020年9月27日26時頃。日曜日だ。
明日からまた仕事に追われる日々が始まる。
早く寝ないといけないが、なんとなく寝るのが勿体ない気がして眠れない。
だから、書く。

・映画のこと。
最近映画をよく観る。映画館に行ったり、サブスクで観たりDVDを買って観たり。
『TENET』は先週観た。一回の鑑賞ではストーリーの内容は理解できても、詳細は捉えられないくらい複雑な映画だった。
クリストファー・ノーラン監督の作品は鑑賞しながら理解するのが難しい、難解な映画が多い。
『インセプション』も、『インターステラー』も難しくて二回、三回と観てやっとなんとなく理解できたなという感じだ。
ただ、毎回初回の鑑賞で思うのは「物凄い映像を観ているな」ということ。
『TENET』では、逆再生しながらアクションが行われる映像が圧巻だった。
特に最後の通常時間と逆時間が同時に進行していく戦闘シーン。
通常時間の兵士が走っていく横で、壊れた壁が逆時間によって再生していく。
あれでCGをほとんど使っていないというのが驚きだ。
実際にその場にいるかのような臨場感を味わえた。それが、実写の魅力なのかもしれない。
実物の飛行機が建物に突っ込んでいったり、実際の高速道路でカーチェイスが行われたり。もちろん、その間にも逆時間が同時進行していく。
いったいあの映画の制作に関わった人たち全員の脳内はどうなっていたのだろうか。
まだ一回しか観ていないので、誰かの考察を読んでストーリーの詳細を理解したが、DVD化されてからじっくり鑑賞しようと思う。

今日は『アダムス・ファミリー』を観た。
CGアニメーション映画で、監督は『ソーセージ・パーティ』のコンラッド・ヴァーノン監督とグレッグ・ティアナン監督の共同監督作品だ。
日曜日だというのに昼寝をしてしまった、休日の無駄使いを解消すべく、急遽レイトショーで観た。
内容としては、家族の絆をテーマに繰り広げられていくホラー・コメディだ。
完全なキッズ向けの内容で、予告編は全部アニメ映画のものだった。上映前に劇場版プリキュアや、おジャ魔女どれみの予告が流れた時は、少し恥ずかしかった。
しかし、個性豊かなキャラクターとひねくれた言い回しのユーモアセンスに引き込まれた。
『ソーセージ・パーティ』を観たときにも思ったのだが、キッズ向けだというのにコメディ部分の言い回しや振る舞いが全て洗練された大人用のコメディに共通しているということ。
子供の付き添いで劇場へ足を運んだ親世代の大人達も十分楽しめる内容だと思う。

『パリの恋人』はDVDで観た。
僕は芸人のオードリーが好きで、毎週土曜日はANNを聞いている。
そう、リトルトゥースです。
ということで、なんとなく前からオードリー・ヘプバーンの映画が気になっていた。
有名なのは『ローマの休日』や『ティファニーで朝食を』だが、新宿のディスクユニオンで買ったのは『パリの恋人』だった。
ティファニーは本で読んだし、と思ってこちらを選んだ。
内容は、地味で哲学を語る書店員がファッション雑誌のモデルにスカウトされ、カメラマンと恋するミュージカル映画だ。
どのシーンもカラフルで絵になり過ぎていたのが印象の映画だった。
特にパリについて観光するシーンが可愛らしく、ファッションも景色も、ミュージカル部分も全てのシーンがオードリーのためにあるように思えた。
特にジョーが発表会をすっぽかしてカフェで踊るシーンが僕のお気に入り。
ただ、コメディ部分が古くさく感じるのとオードリーの相手役がおじさん過ぎたのが少し残念だった。
調べたら相手役の俳優は当時57歳だったというので驚いた。
とにかくキラキラしていて心が浄化される映画だった。

・読書のこと。
村田沙耶香『しろいろの街の、その骨の体温の』
芥川賞を受賞した『コンビニ人間』の著者ということしか知らなかったが、本屋でたまたまタイトルに惹かれてジャケ買いならぬ、タイトル買いをした作品。
意味不明でサブカル感が漂うタイトルだ。
小学生から中学生まで、女の子同士の複雑な友好関係をやり過ごしながら成長していく心理描写がよかった。
もちろん、『コンビニ人間』の著者なので普通の女の子が主人公な訳がない。
一癖二癖もある女の子、結佳は習字教室が一緒の同級生伊吹くんをおもちゃにしたいという気持ちが高ぶってキスをしてしまう。
そこから始まる2人の異常な関係をキーにして物語は進む。
クラスでは大人しいグループに属する結佳は、ヒエラルキーの下の方にいる。
クラスの人間の存在感という価値観に囚われた結佳は、クラスの均衡を保とうと必死に考えて生きる。
目立たない存在の自分は決して突出してしまってはいけない。
上の人たちの顔色を伺って、自分より下の人間は少しだけ見下して、教室内で作られた価値観に必死になって寄り添い生きる。
それが、あることがきっかけで一気に転落していくのだ。
作品内でとことん追い込まれていく結佳の姿に、何回か顔を背けたくなった。
どうか、ハッピーエンドで終わってくれ。と念じながら、ハラハラしながら読んだ。
こんな心を震わせられる作品は久しぶりに読んだ。
西加奈子さんの『サラバ!』以来の心が震えた作品だった。

・そろそろ寝る。
おやすみなさい。



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