冬の到来~2019初冬のウタ
どういうわけか、短歌がどんどん湧き出てくるタイミングというのがあります。ひとつ出来た喜びが、次の短歌を呼び込む。そんな気がしています。
人力車いかがですかと声かけらる観光客の顔して歩き
やわらかな日射しに抱かれゆっくりとバラの向こうの洋館眺む
ワセリンを指に何度もおかわりして今年の冬の到来を知る
新鮮な空気を吸って右往左往 持ち上げた鉢の下の住人
つやつやと光る口角上げてみるどこにも出かけない日のわたし
人生とは選ぶことの連続です例えば食器例えば靴下
うすら寒いひとりの朝に湯を沸かし夫の上着を拝借しにいく
手羽元をポン酢に浸けて火にかけるまもなく帰る人を思って
座るたびコックリコックリ舟こぐから子どもが帰宅するまで立ってる
毎日のように進退迫られるいかばかりかは綱取のストレス
一日に五杯三種のお茶を飲みそのいずれにもミルクを加えて
流れゆく光探して待ちぼうけ着ぶくれてゆく冬のベランダ
多少は短歌らしくなったかなと思うものもあれば、とりあえず文字数合わせだけはできた…のようなものもあります。
この中で一番気に入ってるのは「ワセリン」。瞬間的にパッとひらめきました。
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