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指輪に使命をあたえる。

数年前のある日、ダンナが結婚指輪をなくしてきた。
気づいたらなくなっていたらしい。

ゆるくなってきたなと思っていたところで、すっぽ抜けてしまったに違いないと言う。
すぐに、建物の管理室だとか交番だとかに声をかけてみたものの、結局見つからなかった。

側溝に落ちたのかもしれないし、あるいは線路に落ちたのかもしれない。
数年に一度の大掃除、みたいなタイミングで誰かが見つけるのかも。

もしかしたら未来永劫、誰にも見つからないところに隠れているのかもしれない。

ひっそりと、どこかから私たちを見つめているかもしれない。

何十年かして、いつか私たち夫婦がいなくなっても、じっと世間を見つめているかもしれない。

指輪よ。
そのときは息子を見守ってくれ。

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