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【大学受験】指定校推薦の流れと、手続きの煩雑さについて語る。

数年のうちに大学受験生になるお子さんをお持ちの保護者の方に告ぐ。
手続きのすべてを子どもに任せきりにするのは危険!である。

我が息子は全日本「うっかり八兵衛」総連合会の会長なので、私も安心して任せきったりはしない。
本人にやらせつつ、必ず最終チェックを行う。というかそれ以前に一度、こっそりスケジュールその他を勝手に確認しておく。

しかし普通にしっかりしたお子さんをお持ちの方は、少し油断するのではなかろうか。「これまでちゃんとやってきたし、今度も大丈夫だろう」と。

しかし複数の先輩ママさんから、我が子が中学生なのにもかかわらず、大学受験の手続きの煩雑さを説かれた。彼女らは異口同音に言う。
「任せといたら、全然大丈夫じゃなかった!もぉ、ホント大変だったから、気をつけたほうがいいよ」

そして本年度、息子と共に(指定校推薦による)大学受験を経験して分かった。スケジュールその他もろもろ、本当に煩雑過ぎる。

高1でやること

夏には自らの高校に「どこの大学からどんな条件で何名分の指定校推薦枠」がきたかが分かる。三者面談などで希望者にはリストを配ってくれたりすることもあるので、積極的にチェックする。

「ここだったら入学してみてもいいかもしれない」と(ぼんやりとでいいので)思えるところの、条件を知ることが目的。

指定校推薦をいざ使いたくなった時に、どの程度の成績が必要なのかを調べるのだ。

評定平均3.8以上とか4.0以上とか書かれている。そして場合によっては「かつ特定の教科の成績は4.0以上」のように書かれている場合もある。

今後どの程度、内申点のために頑張る必要があるのかが分かるのだ。

3年間の評定平均だから、高2も終わるころになって急に頑張りだしても間に合わないこともある。内申点が必要な制度を利用する可能性があるのかないのか、先に知っておくことが大事だ。

高2でやること

GW明けから少しずつ各大学でオープンスクールが行われる。1学期、夏休み、2学期とあわせて3回開催するところもあるし、夏休みからのところもある。

いずれにせよ各大学のサイトを閲覧して開催の情報を集め、申し込む必要がある。
コロナ禍で申込制・定員制(時間帯入替)になっていることがほとんどなので、希望の日時を選ぶためには早めに情報を仕入れておきたい。

また申し込みの方法は各大学でそれぞれ違う。十分に注意しておきたい。

オープンスクールは本来高3で参加すれば十分なはずだ。しかし推薦狙いの場合はもう少し早く動きたい。高3の夏の終わりには各高校で志願者を集めて校内選抜をするからだ。

校内選抜に際しては志願理由を書いて提出する必要がある高校が多い。その内申書と志願理由書などをもとに、高校内で誰を推薦すべきか選考会議が開かれることになる。オープンスクールで得た情報を念頭に置いて志願理由を書きたい。

またオープンスクールに参加して大学の雰囲気やカリキュラムなどを知って、あるいは大学までの道のりを体験したことで、志望が変わる可能性もある。早めの参加なら、方針転換も無理なく出来る。

オープンスクールは複数体験しておきたい。しかし部活や資格試験、あるいは模試の都合などもある。複数の大学のオープンスクールの日程が被ることもあるいつでも行けるとは限らないのだ。

一応高2で参加しておいて、余裕があればもう一度高3でも参加しようくらいの心構えでちょうどいい。

ちなみに大学が自宅から遠ければ、WEBでのオープンキャンパスというものもある。実際に見学して体感するのが望ましいには違いないが、登録制で質問できるタイプのものもあるので、やはり事前情報を集めるのが大事である。

高3でやること

必要な成績が確保できそうなら、あるいはあと少しで手が届きそうなら、とにかく推薦に向けての動きを本格化させる。

志望度の高い大学のオープンスクールを優先して、いくつか参加する。行く気がなくても、必ず複数参加して「真剣に違いを検討」しておく。

推薦の場合、志望理由書や面接が課されることが多い。その中で数ある大学からなぜこの大学・学部・学科を選んだのかを説明する必要に迫られるからだ。他大学との違いを明確に示さねばならない。

パンフレットやサイトを見ればすぐに分かるような表面的な事柄ではなく、もっと突っ込んで深く調べたことが分かるような理由でなければならないのだ。

指定校推薦なら基本的には合格前提の面接になるが、もし公募制(条件に合えば誰でも応募できる)推薦ならば厳しいツッコミがくることも覚悟しなければならない。「その条件だったら〇〇大学さんでもいいんじゃないですか?」と。

ところで高校によって大学からの指定校枠の発表を、募集がきた順に発表するところと、ある程度まとめて発表する場合がある。

狙っているところから今年も間違いなく指定校推薦枠がくるのかは、少しでも早く知りたいのが人情だ。

これについてはオープンスクールの個別相談で聞いてみることをお勧めする。大学が高校に対して正式に募集をかけたが、高校では校内のルールによりまだ発表していない、というタイミングで質問したことがある。実にあっさり教えてもらえた。

また個別相談で聞いてみたが、タイミングが早すぎて詳細が決まっていないという理由で教えてもらえなかったこともあった。しかし「あなたの条件なら、指定校推薦枠でなかったとしても公募制学校推薦枠が使えますよ」と提案してもらった。

指定校枠は高校にきていなければそれまでだが、公募制なら指定校枠がきていなくても利用できる。評定平均その他の条件さえ合っていれば応募資格があるのだ。個別相談はぜひ利用しておきたい。

さて、1学期の成績が出た時点で推薦に応募する資格があるか分かる。場合によってはすぐにアタマを切り替えて、公募制推薦や一般受験に向けた対策をする。

指定校推薦に応募することが決定したら、夏休みから秋の初めまでに志望理由書の内容や面接対策を進める。
同時に念のため一般受験対策も怠ってはならない。高校内の選考会議で残れなければすぐにアタマを切り替えねばならないからだ。

指定校推薦の枠が確保できればまずは一安心。しかし安心するなと言ってもしてしまうのが人間。安心しきらないように保護者の方はしっかり見守ってあげて欲しい。

指定校推薦枠が確保でき、無事に試験と合格発表が終わってからは、怒涛の書類ラッシュ、締め切りラッシュになる。

そのどれもが超重要なものばかりで、締め切りを守らなければ大変なことになる。必要な書類の送付や入学金の振り込みが遅れた場合、合格取り消しになると書かれている大学もあるのだ。

書類や入学金の振り込みなどで合格だけでなく「入学」が無事に決定したら一安心。

しかし大学からはおそらくなんらかの書類一式が届くはずだ。一般受験など終わっていないうちから、早くも学生台帳用紙などもろもろ届いて返送を迫られるのである。

合格したあとで

ここからは我が家の具体的なエピソードを紹介しよう。

我が子の場合は書類もろもろと共に「4年間使う学生証の用紙に証明写真を貼って返送しろ」という指令がきた。

説明書には「4年間使うものだから高校の制服の証明写真はやめてくれ」と書いてある。なるほど、ある意味親切な注意書きだ。

さっそく私服の中でも襟があってきちんと見えるものを着せて、写真を撮りに行かせる。無背景・無帽・胸上よぉ~し!もろもろの書類と共に新入生担当部署へ郵送する。

これでようやく落ち着いた。あとは大学から出た課題(なんてものがあるのだ!)を本人がこなしていくのを横目で見ておけばOKのはずだ。あぁ~よかった。あとは3月の卒業式に何着て行くかでも考えよっと。

そこへ電話が鳴る。自宅の電話が鳴るのはたいていセールスだからつい不愛想に出ては、いけなかった。なんと大学の新入生担当部署からだった。
「息子さんの書類もろもろは届いたんですが、学生証の用紙だけが入っておりません。至急、書留速達でお送りください」。

高校から帰宅した息子をふんづかまえて用意させる。ふたりで郵便局に駆け込み、やれやれと安堵して帰宅。とりあえずお茶でも、と椅子に座ったところで、目の前のテーブルに残りの証明写真があることに気がついた。
「あぁこれを切って使ったんだな…夏の制服のやつ…って、えっ!?」

さいわい夏服で、白ワイシャツだけだったので私服のように見えなくもない。彼のこれまでの人生でのいろいろな事件に比べれば全然問題なし。ネクタイ着用の高校じゃなくてよかったね。

ちなみに白ワイシャツの証明写真は、半年ほど前に資格試験のために用意したものだった。今回の大学用の写真と同じ場所にしまっていて、間違って使うことになったらしい。

・・・というようなことがあった。

どこまでも、どこまでも、気が抜けない

ちなみに大学職員さんはリストを手に片っ端から電話をかけていたようだ。
実際には電話口で「締め切りを過ぎた書類がまだ届いていなくて…あっ……えぇーと……届いてますね、届いてるんですけど……学生証の用紙だけが入ってなくて」と言っていた。

おそらくうちの他にも1件以上は電話をかける必要があり、しかもその生徒は書類をまだ郵送していない、ということだな。なるほど。これは高校の先生方が口を酸っぱくして「手続きをしっかりするように」というわけだ。

ちなみに私の心臓にはこれまでの息子とのつきあいですっかり毛が生えている。慌てた風をよそおって謝罪した。

ところでこんな風に電話をもらうのは、うちだけか。
うちの息子とその仲間たちの一部だけか。
いや、違う。

中学で知り合った複数の(年上の子どもを持つ)先輩ママさんたちのほぼ全員が口を揃えて忠告してくれたのだ。
全日本「うっかり八兵衛」総連合会の会員でない、普通にしっかりしたお兄ちゃん・お姉ちゃんの受験を経験したママさん方が言うことだ。
無下にしないほうがいい。

念のためにと用意しておいた一般受験の願書をちらっと見たが、各大学によって色々違う。そのすべてにきちんと対応しつつ、高校生活を送り、かつ受験生生活も送る。しかもまだ17~18年しか生きていなくて事務スキルの足りない人たち。

かなり大変。

推薦枠利用でも一般受験でも、保護者も参加しよう

それは子どもを信用してない、とかではない。
社会人だって大切なことはダブルチェックする
それだけのことだ。

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