コミュ障の私が「報連相嫌い」を克服した理由
社会人として最も押さえておきたい習慣のひとつである【報連相(報告・連絡・相談)】。新人研修などでもしつこいほど言われる言葉ではありますが、人と関わることがあまり得意でない私は、新人時代に案の定躓きました。
「ここ分からないけど、聞いたら迷惑がられそう…」「あれ。これって伝えたほうがいいのかな…いや、忙しそうだしやめとこ…」そんなこんなしていたせいで結局迷惑をかけてしまうこともありました。
今回は、そんな経験を経て気付いた”報連相の本質”について触れたいと思います。この本質を知ったおかげで、私は報連相嫌いを克服しました。
*余談ですが、「報連相」という言葉が生まれたのは1980年代。山崎富治さんの『ほうれんそうが会社を強くする』(ごま書房)で使われたのが最初だそうです。それから30年以上も変わらず使い続けられているということは、それだけ大事だということですね…
【悲報】一人で完結する仕事は無い
コミュ障にとっては悲しいお知らせなのですが、大前提として、会社で働くうえで一人で完結する仕事なんてありません。他人と協力して成し遂げなければいけないわけです。そして、それには「コミュニケーション」が必須項目。【報連相】とは、ビジネスにおける他人とのコミュニケーションなのです。
「いやいや、もう無理ゲーでは…。」と思ってしまうような状況なのですが、なんとか堪えて私は考えました。【報連相】において、私が苦手なことは何か、それは”仕事中の人に話しかけること”でした。
報連相の本質は「報告・連絡・相談の徹底」はではない?
「報連相を徹底しなさい」と教えられてきた私は、言葉をそのまま飲み込んで、何かがあるたびに「言わなきゃ…話しかけなきゃ…」と焦っていました。ですが、本質ってそこじゃないですよね。
【報連相】の本質は「なんでも上司に伝えること」ではなく「風通しの良い組織をつくること」です。
後で詳しく触れますが、【報連相】それぞれの目的を理解していれば、「これは必要な情報だ」と判断できて、話しかけることに迷わなくなりますし、”必要最低限のコミュニケーション”を知ることができます。
コミュ障の私にとっては、これら基準が心の支えになりました。【報連相】を「話しかけること」ではなく「必要な情報を提供すること」に置き換えることで、スイッチを切り替えることができたのです。
それでは、報告・連絡・相談それぞれの目的と、そのための必要最低限のコミュニケーションを見ていきましょう。
”報告”の目的とは
”報告”は、主に「自分⇒上司」のコミュニケーションです。
目的は、自分の状況を知ってもらうことと、上司が正しい判断をする材料を与えること。上司は、メンバーに与えたタスクの進捗等を把握して、次の一手を考える役目があります。そういった材料となる情報は必ず報告する必要があります。
例えば、タスクが遅延しているとき「遅れてます」と伝えるだけでは、次にどうすればいいのか分かりません。「〇日までにはFIXします」と伝えれば、次の一手を考えることができますよね。そこまでが”報告”における必要最低限のコミュニケーションといえます。
”連絡”の目的とは
”連絡”は「自分⇒上司・先輩同僚・その他関係者」のコミュニケーションです。
目的は、事実の周知と、ステークホルダー(関係者全員)に判断材料を与えること。”連絡”において重要なのは、自分の意見は入れないことです。「こうなるかも」といった個人的な意見は、かえって混乱を生んでしまいます。
例えば「来週は祝日なので週次ミーティングは中止かもしれません」と言われても、結局どうなのか分からず困ってしまいますよね。「確定した情報を共有し、次の行動を示す」これが”連絡”の必要最低限のコミュニケーションです。
”相談”の目的とは
”相談”は「自分⇔上司・先輩同僚・その他関係者」の双方向のコミュニケーションです。
目的は、助言をもらうことで自分の判断材料を獲得すること。ここでは、正確な事実(〇〇で困っている 等)と自分の意見(自分としては△△したい 等)を共有します。
ですが、この”相談”はコミュ障を結構苦しめます。「1人でできることは限界があるし、なかなか質も上がらない」そう分かっていても、相談するタイミングって難しいですよね…。そういう時は、タスクのゴールを改めて考えてみてください。ゴールが見えると、現状とのギャップが見えてくると思います。ギャップを埋めるために何が必要か、それが1人で解決できないものであれば相談すれば良いのです。「ゴールがここだと思っていて、もっとこうしたいんですけど、この要素が足りなくて…」ここまで言えたら完璧ですが、最初のうちは「このゴールのために、こうしたい」だけでも構いません。
”相談”の目的は自分の判断材料を得ることなので、自分が欲しい回答を引き出せるようなコミュニケーションを心がけましょう。
慣れるまでは少し時間がかかるかもしれません。でも意識し続けることで、少しずつ克服していくことができると思います。
コミュ障だからと諦めたくなかった私の浅知恵ですが、何かの役に立てば幸いです。
--------------------------------------
【報連相】については、たくさんの書籍がありますので詳しく学びたい方はぜひ手に取ってみてください。
▼冒頭でも触れた、【報連相】という言葉が生まれた書籍
▼もっと細かいコツを知りたい方はこちらがオススメです