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文字通りの「私の履歴書」

今の職場で働き始めて2年になる。

年末が近づき、給与明細などを整理していたら、履歴書も出てきた。久々に眺めていたら、あれ、この資格欄、実は夫も知らないかも、と気づいた。

受けた会社の採用担当者は知ってるのに、身近な人は知らないなんて、なんだか可笑しい。大したものはないけど、せっかくなので思い出しながら書き出してみた。

弓道弐段

高校時代、弓道部だった。

弓道の段位は昇級・昇段審査を受けて得るもので、審査は筆記と実技の両方行われる。

級位が1〜5級、段位が初段〜八段。1級の上が初段。級位は数が少ないほど良く、段位は数が多いほど良い。

大体、近くの強豪校が審査会場になる。施設が整ってるから。難易度に拠るが、高校生なら年に4回くらい受けられたと思う。段位になると、半年空けなければならないルールがあるので、毎回受けられるとは限らない。

初心者高校生の場合、最初は無指定審査というものを受ける。その時の実力に応じた位が割り当てられる審査で、大体が2級、うまくいけば1級を取れる感じ。級位が決まると、以降は保持している級位のすぐ上を指定して受けていく。

弓道は、武芸ではあるけれど「道」の側面が強く、筆記試験の内容も理解や追究心を問われる記述式だった記憶がある。「射法八節」と呼ばれる、射る時の動作を漢字で全て書くのは基本で、その中のひとつを説明せよ、とか、弓道を通して学んだことは何か、とか。

実技では2本の矢を射る。
基本的に弓道は2本で一対、1本目を甲矢(はや)、2本目を乙矢(おとや)と呼ぶ。競技の時は、1回の登板(立たち、と言う)で2本×2セットの4本、これを2回の計8本の的中数で争うことが多い。

昇段審査の実技試験では、所作や型がかなり重視される。弐段までは、的中は問われないと言われているくらいだ。道場への入り方から足運び、姿勢、弓矢や矢の取り扱い。審査中に弦が切れた日には、弦の替え方まで見られる。

実際、審査中に、既に的に向かって弓を引いた状態(会かい、と言う)で矢を落としたことがあり、内心「終わった…」と思った。審査会場は厳粛もいいところ、張り詰めきった静寂に響く金属音は、その後もしばらく耳から離れず胃を締め付けた。意外なことに、その時は受かったのだけど。

私は昇段審査とは相性が良かったらしく、直前まで調子を崩しまくっていても不思議と審査中はうまく引けていた。会場の雰囲気に、良い意味で飲まれていたのだと思う。

高1の秋に1級認定、その後2回受けて2回とも受かり、最終段位は弐段。同級生の中には、さらにもう1回受けて三段まで取った人も居たが、私は受けなかった。高校の部活レベルなら弐段取ってればOKと言われていたし、せっかく今まで落ちずに来たんだからこのまま終わりたかった。要するに、勝ち逃げ。

漢字検定2級/秘書検定2級

これらは、大学3年のときに就職のために取った。
いずれもテキスト1冊買ってひと通りやればいけるくらいの難易度。

受験会場は、確か数駅先の、駅から離れたビジネススクールだった。狭い歩道をゾロゾロと受験生が行く異様さを覚えている。

漢字は割と得意なので、そのまま準一級にも挑戦しようかチラリと思ったが、本屋でテキスト見たら思ったよりマニアックな方向に行っていたのでやめた。

秘書検定は、いわゆるビジネスマナーの内容。上座がどうとかお茶出す順番がどうとか。あとは、フォルダを使った書類の整理の仕方なんてものもあったな。紙のフォルダね。卒論用にパソコンを買ってもらう少し前のことだったので、おおー仕事っぽい!と思った。

履歴書は依然として手書きだったが、企業へのエントリーが100%webからになった頃のこと。ひとつ上の先輩方は、ハガキとwebと半々だったと言っているので、ちょうど過渡期だったのだろう。

普通自動車免許

運転免許も、技量というよりは嗜みとか身分証明とかの意味合いで取得した。

よくあるような、予約が取りにくい上に教官が高圧的な、沿線上の教習所に通った。大学の友人たちとは取りたいタイミングが合わなかったので(というか、実家が都心or必要性を感じない派が多く、その時取ろうとしてたのが私くらいだった)、ひとりで黙々とこなした。

運転は今でこそ週1くらいはするけど、未だに好きではない。
この辺の話もいま下書き待機中。

(↓書いた)

当然、AT限定。

基本情報技術者

新卒でシステム会社に就職したので、必然的に受けることになった。

春と秋の年2回、試験前は先輩がサポートについてくれて業後に受験勉強をするのだが、入社間もない4月は正直新人研修で手一杯だったこともあり、同じ配属先の同期女子と3人揃ってやる気がなく、先輩を呆れさせた。

いま思えば、先輩の評価にも影響したんだろうなぁ。課内でも指折りのデキる方だったので申し訳なかった。

次の秋試験はさすがに真面目に勉強して、同じく揃って合格してみせたわけだが、先輩はその時の方が呆れていた気がする。重ねて申し訳なかった。

これを持ってれば、まぁSEの基本はできてると判断される感じの資格だが、実際のところ全然覚えていない。

唯一覚えているのは、OSI基本参照モデルとTCP/IPの関連図だが、「とりあえず詰め込んで受かったけど、あっコレのことだったのか!と繋がった瞬間が訪れたのはSE辞める直前、かつ今はすっかり忘れている」ことを覚えている、というのが正しい。

アプリケーションの設計もプログラムもなんとなくできるけど、ハードにもインフラにも詳しくないSEはこうして出来上がったのである。

ビジネス実務法務検定3級

これは、会社に取らされた資格。個人情報保護やらコンプライアンスやらが注目され始めた頃だったので、とにかく「社内取得率9割以上!」的なことを謳いたかったらしい。

内容的には、秘書検定と被っていた記憶がある。

というか、その記憶しかない。なんだったんだろう、あれ。

とにかくまとめて受けさせられて、かつ試験が休日開催だったものだから、休日に社内の人と顔を合わせなきゃいけないのがすごく嫌だったのは覚えている。

Oracle master silver fellow(9i)

初めて自分で必要性を感じて取得した、思い出深い資格。

簡単に言えば、オラクル社が認定する、データベースの管理者資格の一番基礎的なやつ。だった。いまは体系が変わってるからよくわからない。

膨大な顧客データをどう分けて管理すべきかのテーブル設計(Excelの表的なやつ)とか、実際にテーブルを構築する命令文、適切なデータを取得・更新するための命令文…なんかを問われた気がする。

私は、SE2年目くらいまではデータ取得の命令文(SQLとか呼ばれる)を作るのがものすごく苦手で、10件のデータを取りたいだけなのに結合条件を間違えて無限ループかよという状態を作り出してしまい、自分のパソコンをよく唸らせていた。

どうにも苦手だけど、立場が上がるというか、単純なプログラマーとしてじゃなく設計してプログラマーに指示を出すことも求められ始めた頃、さすがにまずいと思って勉強した。

能動的に取ったからか、これはその後もかなり役立った。勉強する中で視界が開けた瞬間があって、その時のことは今でも忘れられない。

何年後かに、プロジェクトマネージャーを担当した。7人月くらいの小さな案件だったし、プロマネと言いつつ上司との交渉なんかは先輩がフォローに入ってくれてたのでプロジェクトリーダーに毛が生えた程度だったけど。

ともかく、そのプロジェクトで、後輩が設計したデータの問い合わせ命令文がどうしてもプログラムで実装できないと、さらに下のプログラム担当の後輩が困り切っていた。

どちらともプロジェクトで組むのは初めてだったので技量もわからず、とりあえずと設計書を見てみたら、昔の自分のように大混乱した命令文が書いてあって、思わず笑いそうになった。

即、設計担当の後輩を打ち合わせスペースに連れて行って「SQL苦手でしょw?」。後輩はバツが悪そうに「ハイ…」としょんぼりしていてまた笑いそうになった。

自分の開眼ポイントを踏まえて説明したら、開眼したかどうかはわからないけど、正しく修正できていた。

これは、数少ないSE時代の成功体験。

自己肯定感を高めるための、大切な記憶。

MOS Excel2003 Expert 認定

Microsoft Office Specialist(MOS)というなんか強そうなこの資格は、SEを辞めて半年で専業主婦に飽き、再就職に有利そうで取った。SEはもうやりたくなかったので、他のデスクワークで使える知識をつけとこうかなと思って。

SE時代も、進捗管理や分析にはExcelを使ってたので、フィルターやソート・条件付き書式は日常だったが、あとはベーシックな関数くらいで、そんなに詳しくはなかった。

私の部署ではほぼWordが使われておらず、ドキュメント類もすべてExcelで、方眼紙感覚だったくらいだ。

そんな感覚のままMOSの勉強をして、苦戦したのはピボットテーブル。Excelハードユーザーが揃って愛用する機能で、これができればExcel上級者という感じ。だが、未だに良さがわからない。全然わからない。活用できる機会や業務がなかっただけかもしれないが。

考えれば考えるほど、

え、Accessでいいじゃん。

と思ってしまうのだ。元SEの弊害を感じた瞬間。

リレーショナルデータベース+問い合わせの考え方が染みつきすぎていて、ひとつの表をこねくり回すことに意義を見出せない。

ついでに言えば、Excelの事務方猛者が作る、関数を駆使した資料も、

え、マクロ組めばいいじゃん。

と思ってしまう。

不思議なもので、これをこーしてこっち参照してループしてコピって…みたいな設計が勝手に脳内で始まるのだ。

東京に残ってひとり暮らしするのに必要な稼ぎを得られるから、という理由でシステム会社に就職したビジネスSEだったが、自分が思う以上にSEだったんだなーと後から何度も思う機会がある。

マクロを組むと、処理がブラックボックス化してしまって良くないと聞く。確かにプログラムを読むスキルが必要になる。

でも、複雑に組み込まれた関数を参照セルをひとつひとつ追いながら解読していくよりは、VBエディター(プログラムが書いてあるところ)を読んでいく方がだいぶマシなんじゃないかなーとも思う。んだけど、どうだろう。

そんな風に思ってしまうので、この資格自体が役に立ってるかは微妙。ただ、これ以降、マクロに軽率に手を出すようになったので、勉強して良かったとは思っている。SE時代にやっていたものとはプログラム言語が違うので、いちいちググりながらやっている。

これから。

MOSを最後に、資格からは遠ざかっている。

積極的に昇級試験や資格試験に挑む知人友人を眩しく見ている日々。

いまの仕事絡みで気になっている資格はあるんだが、講習が平日で子どものお迎えに間に合わなそうだったり、講習料受験料が数万と高かったりで迷い中。

資格はわかりやすい記号ではあるけど、いろんな人の思惑で結局金で買ってるようなものも存在していて悩ましい。

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これから、また増えるかな。増やそかな。

履歴書は、願わくばもうあんまり書きたくないけれど。

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