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増やすにハマる

1つが2つに、2つが3つに。
増やしてもなんの意味はない。ただ、増えるだけのことが嬉しい。

いま、多肉植物を増やすことにハマっている。葉挿しや、株分けで多肉植物は1株から何株もへと永遠に増やすことができる。
この「増やす喜び」って一体どこから来るのだろう?

単純な「増やす」「増える」の面白さ、楽しさ。
何故それが増えたのか、日光か?土か?気候か?
理由はイマイチ確定されない。
だけど、一度増やすことに成功すると、もっと増やしたい。

では、増やしたものをどう使いたいのか?
人にあげる?眺めて楽しむ?
いや、目的はない。
私が増やしているのはどこにでもある品種。
形に面白みがあるわけではない。売ってもお金にならない。
増やしたら、もっと植木鉢が必要になるし、世話をする手間も増えて、むしろマイナスだ。
それでも、もっと増やす。
増えると嬉しい。増えなければ悲しい。どんどん、増やす。
やったことはないけれど、少し、賭け事の快楽に似ているのかもしれない。

そして、小さなものがいっぱい集まっている光景の気持ちよさ。
とても大きなものが1つだけある良さもあるが、小さいものが100個集まるとそれだけで何か迫力を感じる。
たとえば有名スターが一人うつっている映画のシーンは素晴らしいが、黒沢映画の群衆のように大勢のエキストラがうつっているシーンは圧巻だ。
そんな光景を一人で作り上げたのだという達成感は、大きい。
それはもしかしたら、神の視点への憧れがあるのかもしれない。大勢の小さきものを見下ろし、微笑む視点。

こうやって考えると、増やす喜びは少し病んでいる。
病んでいて、だからハマるのかもしれない。

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