豚小間100gはなにに化ける?

冷凍庫をあけると、豚小間肉がひと塊だけあった。

ひと塊は、我が家ではだいたい100g前後。

ということは、100g前後(この塊たぶん100gないけど)の豚肉で3人分の晩御飯を作るというのが、今の私のミッションというわけ。


料理のセンスが皆無なので、いつもは他人様の優秀レシピに習ってご飯を作る。だから「実」母の味ではなく、「他人」母の味が多く食卓に並ぶ。こうして書いてみると、なんとなく哀しい気持ちになる。


私は親がよく引っ越す仕事をしていたので、現住所と出生地は全然違う。幼少期と思春期とを全国3~4つの町で育ったから、出身地を尋ねられると毎回困惑してしまい、聞いた人を困らせる。2時間目と3時間目の間は「業間休み」で、授業の前のあいさつは「注目、礼」だった。出席番号は「生まれ番号」。よくある地元あるあるは、※地元ではないけど という注釈が必要になるし、最近はその説明すら面倒になり微笑んで聞くだけになった。

母親は祖父母が地元の人ではなかったからか地元感の薄い人だった。テレビでケンミンショーを見ながらよく県民グルメなるものをやっているけど、我が家で県民グルメなんて聞いたことがない。だいたい、うちが何県に属するか、それはきっと答えのない議論である。

私が中学校を卒業するとき、「給食レシピ」なんていう冊子をもらった。給食でよく出た人気メニューが載ってて、卒業式の日、もう食べることのない給食を思い出して懐かしい気持ちで眺めた。給食はもうそのころから食育を謳うようになっていたから、それこそ県民グルメもそれなりに載っていたはずだ。その当時岡山に住んでいたから「ままかり」はよく出たように思うのだけど、こんな話をしながら「給食レシピ」の冊子は失くしてしまっているので思い出す余地もなく今更残念に思う。

子供のころから要領は悪く、成績もパッとしなかったうえ、家庭科に至っては進学した先の高校で赤点をとるくらいなんだから、冊子を失くしてしまったことにもあまり疑問がないのが悲しい。


思い出に浸っていたら、結局晩御飯のメニューは決まらなかった。

あの100gをどうやってボリューミーにしようか。


今日もできる人のレシピに倣って作ろうと思う。

(今日暑いからコンロあんまり使いたくないな・・・)



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