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美味しく飲んで、意識せずいつの間にか健康に。カテゴリー・クリエイターへの挑戦 Vol.43

横浜市の信用保証協会からNGの回答が来たと、信用金庫の副支店長は言った。
NGの理由とはこうだ。
保証協会の担当者が、私の前職の会社の登記簿謄本をチェックしたところ、私は、代表取締役を『解任』にて職を解かれていたのだと言う。上場企業グループの会社に於いて、そんな辞め方をしている者に保証は出来ない、と言うのだ。

私自身、そんなこととは思ってもいなかったことだった。確かに事業を失敗したし、サーバー紛失の管理上の責任もあった。自業自得とは言っても、まさかこんなことにまで前職の会社に足元をすくわれることになろうとは。
こうなってしまっては、どこの金融機関も当てには出来ない。
結局のところは、信用金庫を紹介してくれた同じ知人の伝手で、かなり高めの金利と短期返済が条件ではあったが、投資会社からなんとか資金を借り入れし、ウォーターサーバー『GD-501HS』を追加で194台購入した。
サーバーの仕入れ先は、例の悪徳くんだったが止むを得ない。『GD-501HS』の輸入に関する権利は彼の手中にあるのだ。

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サーバーの追加購入は滞りなく済んだ。それは良かったのだが、すっからかんの私に有るのは、営業譲受で得たサプリメント in ウォーター MCMのめぐみの事業のみだ。前職の会社ではとうとう黒字化を果たせなかったビジネスなのだ。いきなり上手くいく保証など無い。
それでも、無知ゆえに前職時代に数々の失敗を重ねたことを糧とし、とにかく大間違いだった事柄たちを徹底的に排除し、無駄を無くすことに努めた結果、少ない顧客数であっても大赤字にとまでにはならずに済んでいた。
しかし、毎月の通常の支払いだけであればどうということもなかったのだが、サーバー購入に用いた借入金の月々の返済に加え、さらに金銭的な負担が多大となるものたちが有った。

MCMのめぐみはご承知の通り、サプリメントMCMを配合している。とは言っても、MCMをそのままの状態で混ぜる様な単純なものではない。粉状のMCMを仕入れ、まず原液化し、これを特殊なフィルターを多数枚使用し、不純物や余計な有機物を弾くのだ。この原液の製造のためのコストがまず先に発生する。
それから、ボトルの容器や梱包材の仕入れに関する多額の代金も前払金で発生するのであった。
その後、購入実績を認められ、原液と包材の双方共、四ヶ月分ほどずつでの調達も可能になるのであったが、前職時代に、リニューアルして間もなくMCMのめぐみ事業は停止! と、ブレーキが掛かった為、その頃は実績不足で信用が足りておらず、一年分の資材の一括調達が条件であった。
その当時で約一千万円。金融機関からそっぽを向かれた私にとっては、目も眩む様な金額だ。

そういうことで、クラクラしながら絶えず資金を廻すだけで精一杯な日々が創業して直ぐ、そしてそこから何年も続くこととなるのだった。
仕入先の支払いを延ばさせていただいたり、個人的な借入金をお願いしたりして、なんとかやり繰りをしてきたのであったが、会社も個人の区別も無く手元に157円ぽっちしか無く、どうにもならず開き直るしかない時もあった。

途方に暮れ、もうダメかと思うことも幾度か。しかし、諦めることはせず、そして、どうにかこうにか、何故だか、不思議なことに、何故か生き延びてこられた。

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先に述べた一千万円の前払金も、ウォーターサーバー『GD-501HS』を、さらに追加で202台購入した2017年4月頃などのことも、今となっては一体どうやって凌いだのか、もう詳細を思い出すことも出来ないが、多くの方々のご協力が有ってこそだったのだけは確かだ。

資金繰りに心を奪われ、胸が痛くなることの連続の最中、派手な広告などはおろか、Webマーケティングに資金をかけることも出来ない。販促活動としては、人的リソースに頼るしかなかった。
殆どそのまま残ってくれていた代理店の皆さんも改めて活動を再開し、価格的に顧客獲得のハードルが高いMCMのめぐみだけとはいかず、併売を継続せざるを得なかった天然水シリーズも含めてのことではあったが、スローペースながら徐々に新規獲得が為されていった。


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