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美味しく飲んで、意識せずいつの間にか健康に。カテゴリー・クリエイターへの挑戦 Vol.30

兎にも角にも設置台数は増え、2014年4月度の月間売上高は一千万円を超えた。

だが、2014年4月7日。例の営業会社の担当者から驚くべき連絡がやってきた。
その内容とは、トップダウンで指示が下り、4月末でMCMのめぐみの営業を停止することになったという、突然の通知であった。
またも一方的である。
青天の霹靂、寝耳に水とはこのことだ。
そして、理由についての説明もない。
結局、自らの愚かなやり方に、彼ら自身が首を締める事となったのか? 損失を上から指摘され、営業を止めざるを得なくなったと言う訳か?
確かに、彼らにとって続ける意味が無いと言えば全くその通りだが、こちらからすれば、ふざけるにも程があると言うものだ。

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「もうちょっと頭使えよ。馬鹿なんじゃないの」
そう思ったし、ちゃーんと確かにそういった類いの言葉も放ったものの、彼ら下っ端に何を言っても無駄な事。決定事項は覆りはしない。
そしてそう、その通り。彼らは言葉通りバカだったっけ。

彼らとの付き合いは実質これで終わった。ほんの数ヶ月の彼らの実績は、約1,200台の新規顧客の獲得、そして約1,000台の解約と言う、極めて素晴らしく馬鹿げたものであった。
その為、一時的に3,000台を超えたウォーターサーバー設置数であったが、すぐさま3,000台を割った。

また、先に述べた通り、程度の低い設置先の中には、解約料はおろか、飲んだお水の料金でさえも払う意思の無い最悪な連中もいたが、これは営業上の責任であるとして、営業会社へ請求を振り替えた。
最初、下っ端どもはその支払いを振り切って逃げようとした様で、のらりくらりとしたものだったが、そんな甘く見積もられてられては困る。
こちらも手段を講じることで、彼らの上部まで追求が届く様に取り計らったところ、先方の取締役がおっとり刀で詫びを入れてきた。

結果、請求額については全て支払いをさせた。二割程度残っていた顧客も、「せめてものお詫びに」と言うことで、代理店の権利を放棄すると言ってきたのであった。つまり、直販顧客へと移行したのだ。ざまあみろ。
その後の下っ端らの行く末については知りもしないが、どうせ大した事が為せる様な連中ではあるまい。野垂れ死にでもしてくれればいい。

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なお、その営業会社内では、また異なるウォーターサーバー会社と組んでアプローチしていた別のチームもいるとは以前から聞いていた。我々が組まされたボンクラチームは見限られたが、別チームの方は生き残って、その後も激しい展開を見せた。
なんと、別チームのウォーターサーバー会社は株式上場会社であった。さらになんと、営業会社は第三者割当増資により、そのウォーターサーバー会社を子会社化し、2016年7月にはグループ会社と経営統合、完全に傘下企業にしてしまった。
ダイナミック。

派手な拡販により、毎月の新規設置が20,000台以上で、そのうち半分が解約する、という様なムチャクチャなペース配分の下、その会社の顧客数は増加していったが、ウォーターサーバーの調達資金や、販売手数料支払い、解約に係る引き取り料やサーバーメンテナンス費用などの負担額も、当然もの凄いことになっていることは、上場会社故に決算の開示で目に見えていた。

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数年間赤字を出し続けていたが増資等で耐え凌ぎ、また、顧客数増加で得た売上額がようやくコストを上回り、損益分岐点を超えた2019年3月期では黒転を果たした時には、競合他社ながら喝采を送ったものだ。
今や、その上場会社がウォーターサーバー業界の押しも押されぬリーディングカンパニーであるということは、自他共に認めるものであり、異を唱えるものなど誰もいないであろう。

2018年頃からの宅配送料の値上げ攻勢に遭って以降、今ひとつ勢いが出せないでいるウォーターサーバー業界に於いて、一人気炎を揚げ続けているのは立派だ。
顧客数、水の出荷数、売上高の規模など全てに於いて、ここ最近でも依然としてウォーターサーバー業界全体が右肩上がりを示せているのも、彼らがいるからこそと言っても差し支えはあるまい。

あおりを食った相手と言えなくもないのではあるが、敵(と言える様なレベルではないのだけれども)ながらあっぱれだ。
送料の値上げで、活気の失せているこの業界の中で、一社でも勢いを持った会社が存在してくれるのは有難いことだ。

いや、これは散々バカ呼ばわりした代わりに言うのではない。本心だ。いや、ホントにホントですって。


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