『笑うな』 作者:筒井康隆
と、言われても「ひひひ」と笑ってしまう。『笑うな』
まぁ、その、筒井康隆である。
で、まぁ、その、ショート・ショート集である。
今回、時を経ての再読であったが、やはり面白いなぁ、この人は。
この、表題作でありトップバッターでもある『笑うな』にしても初出は多分1970年代で相当古い作品なのだが、いきなり笑わされた。笑いたくなくても「ひひひ」と笑ってしまった。
う〜ん。なんで「ひひひ」となってしまうんだろう。
だって、内容らしい内容がほとんどないお話なのに、こっちは「ひひひ」とくるのだ。
すっかり作者の策にはまってしまっている次第だ。
しかし、この作家はどういう執筆スタイルの人なのだろう。
或る時期から、前衛的な実験の数々を盛り込む様にもなったりしたので、作品自体のスタイルは結構各々で異なるのだが、基本的な執筆の姿勢とは如何なるものなのだろうか。
私としては、ナンセンスで、モノの勢いでめちゃくちゃになっていく過激なストーリーの印象が強いのだが、そういった話を書くときはノリ一発で一気に書いちゃうのかなー? それとも熟考を重ねて緻密な計算を以て筆を進めているのだろうか。
ううん。全然分かんない。
とにかく、一つひとつが大変短いので、気楽に読める一冊である。
スラップスティックでブラックなショート・ショート34編を、どうぞお楽しみください。
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