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美味しく飲んで、意識せずいつの間にか健康に。カテゴリー・クリエイターへの挑戦 Vol.34

それから、クリアしなければならないもう一つの課題が、エアーレスタイプのウォーターサーバーの調達だ。

我々がウォーターサーバー事業を始めた当初の2010年12月。その頃の業界事情としては、コスモウォーターが収縮ボトルに関する権利関係を特許でガッチリと抑え、他社は同様のエアーレスサーバーを使用出来る環境ではなかったが、時は過ぎ、やや状況も変わってきていた。特許もクリアした上で、エアーレスサーバーやエアーレスボトルを他社もリリースしだしていたし、また、世の流れから来るニーズの高まりを受け、各社エアーレスタイプの導入について考慮せざるを得ない状況になってきていた。
そして、私はといえば、MCMのめぐみを存続させる為には、もはや是非も無い。どうあってもやるしかないのだった。

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日本で流通しているウォーターサーバーは、その殆どが韓国製だ。稀に中国製もあるが、クオリティ面の問題からあまり一般的ではない。
我々は、韓国のウォーターサーバーメーカーを当たった。幾つかの候補先を見つけ出し、2015年2月には実際にソウルへと渡り、各社を訪問した結果、そのうちの一社と共同で開発しようということになった。

そのメーカーは、日本での販売実績は殆ど無く、また、収縮タイプのウォーターサーバーはまだ作ってはいなかったが、既存製品を元にエアーレスタイプに改修することは可能であると言ったのだった。
しかし、実際には、ここから山あり谷ありの困難な道のりが待っていたのだ。

既存の潰れないボトル用のサーバーと、エアーレスサーバーとの最大の違いは、水のボトルに入ってくる空気を無くすことだ。潰れないタイプでは、水がサーバー内部のタンクに入っていく代わりに、ボトルにボコボコと空気が入っていく。エアーレスタイプのサーバーでは、ボトルから水は落とすが、空気は入らない様にする。だからボトルが潰れていく訳だが、その為には、サーバーとボトルとの接触部分で空気の調整をしてやる仕組みを、サーバー側に追加してやる必要が有るのだ。

お試し


他社製品に準じた部品を使用することで、簡単に実現が可能である様にサーバーメーカーは考えていたが、あまり簡単に捉えられては心許ない。設計開発には或る程度の時間をかけることと、十分な検証テストをお願いした。
また、サーバー本体の上部、つまりボトルを置く面の形状は、収縮していくタイプのボトルが潰れていって形がいびつになっても、ボトル内部に水が残らない様にする為には、従来のフラットなものではなく、中心が一番下になる、すり鉢状の形状へと修正することが必要であると判った。

それから、潰れていき不恰好になっていくボトルを丸見えにする訳にはいかない。ボトルに被せるカバーの製作も新規に必要であった。
何度かの試作とチェック。そして韓国のメーカーの工場へ訪問しての打合せと擦り合わせを繰り返しての数ヶ月間、新型ウォーターサーバーの開発に勤しんだ。


ところで、事業開始した当初からの約3年半の間、代理店の皆さんに言われ続けていたことがあった。
それは、「カッコいいサーバーを用意してくれ」という意見であった。

確かに我々が使用していた『SO-301』という機種が、カッコいいとはちょっと言えないものであることは承知していたのだが、そうは言われてもデザインはメーカー任せだ。我々でどうにかなるものでもない。

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それに、他社が使用しているウォーターサーバーで、ウェブサイトなどではまぁまぁカッコいいと思ったものが、実機を見てみると意外にゴツくてダサくて、「あれ?」となることが殆どだった。

私は、「カッコいいサーバーって、結局どんなデザインなの?」と、すっかり判らなくなっていた。


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