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『情報を活用して、思考と行動を進化させる』 作者:田中 志

根底にはいつも愛と想像力を。

筆者がこの本を書こうと思ったきっかけは、「新規事業のための情報収集法」というセミナー講師をした際に、千名以上の申し込みがあったことだったと語る。その講演資料もWeb上で公開しているが、特に告知もしていないというのに五千回近くアクセスがあったことで、情報収集に課題を感じている人々の多さを知ったのだった。
・情報をどう集めたら良いかがわからない。
・集めた情報をうまく活用できない。
セミナーなどでいただく困りごとは、大きく分けて上記二点になるのだそうだ。
著者は情報収集のプロの立場から、その問いへの回答として、情報の活用の仕方について述べていく。
コンサルティングファームにおいて調査依頼を受けたら、どの様な準備から始めて、どういった手法で情報を集めていくか、どこで方向性を決めていくか、そしてどうまとめるか、など、かなり具体的な情報収集のプロセスが記述されている章もあり、著者の持つノウハウや技法が惜しげもなく披露されていて、勿論非常に有用ではあるのだが、大事なのはそればかりではない。

情報には三つの側面がある。
データ:単なる文字や数字の羅列
インフォメーション:整理されたデータ
インテリジェンス:文脈を踏まえて意味や価値が付与された情報
そして、コンサルティングファームが行なう情報収集・リサーチにおいて最終的に求められるのはインテリジェンス。すべてのデータやインフォメーションは、インテリジェンスの創出に結びついたときにはじめて意味と価値を生むのだと言う。
本書中でよく登場する言葉でいえば、「示唆」を与えるものでなくてはならないのである。

また、そのインテリジェンスを創出するために「基盤をつくる」ことは重要であるとも説く。
知識が豊かな人は情報収集が上手く、どんどん知識基盤を豊かにしていく一方で、知識基盤が不足している人は情報収集が上手くいかず、そのため基盤も知識も広がっていかない。
さて、それでは「知識基盤のグッドサイクル」を育てていくにはどうすべきか? 何が必要とされるのか?
それは実際に本書を手に取って、是非ご自身で確かめていただきたい。


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